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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2010年5月生活記録 (第4期生 福永 梢)[2010年06月14日(Mon)]
 アメリカにいると、日本の祝休日の多さに気付かされる。5月の大型連休もその1つだ。日本ではこうした大型連休を地方ごとにずらす案が出たとか。ヨーロッパの数カ国では実施されている制度だとか。とだいぶ前の新聞を読みながら、こちらとしては夏休みが短くなってもいいからゆとりがほしいと、今回もまた思う学期末であった。

ASLクラス

 必修科目になっていたASLクラスも、今学期で必要な単位を取り終えた。ランキング、比率、2つ以上のものの位置や動きなど、抽象的な表現を学んだ。実際、大学院で使う手話は英語よりで、日常会話のものと異なる。せっかく学んだ表現方法を使う機会がなかなかない。しかし、発表で発症率を表現したり視覚的な説明をしたりするとき、文ではなく絵でイメージして考えることができるようになってきていた。自身の表現力が柔軟になっていることを実感した。これ以上ASLクラスをとる必要はないが、秋学期も引き続き取りたいと思う。

夏期集中講義:聴覚学(Audiology)

 夏休み中は心理学を中心に集中講義を取る予定だったが、定員割れにつきキャンセルになった。ちょうど同専攻の先輩から、必修科目の聴覚学が夏休み中にとれることを教えてもらい、取ることにした。
 この授業では、耳や音の構造やメカニズムなど生理的・物理的な知識から、オーディオグラムをはじめとする各検査結果のよみ方、補聴器や人工内耳。FMマイクなどの補助装置まで幅広く学ぶ。日本での知識に助けられるところもあれば、日本では掘り下げなかった知識もあって、とても興味深く学ぶことができた。特に、オーディオグラムに付加されるさまざまな情報のよみとりは将来の職業に大いに役立つだろう。教授やチューターも、手話はつたなくとも、ことば選びや視覚的資料の活用に長けていて、難なく勉強することができた。心理専攻からは私一人だけで、他はソーシャル・ワーク専攻の生徒だった。違う専攻の人と一緒に取る授業は、同じ事柄でも違う見方に触れることができて新鮮だった。

Hurwitz大学長就任式

 知人に誘われ、就任式に出席することになった。理事会長、各協会長、大学教授の代表、大学生の代表、附属聾学校の生徒など、さまざまな方から歓迎の言葉が贈られた。一般大学生からの声を撮ったビデオ、大学長自身の過去の写真なども映された。日本を含め大学長就任式を見届けるのは初めてだったが、アメリカのは比較的リラックスした雰囲気があった。第3期生菅野さんの修了式も見届け、私自身、残りの留学生活に向けて気持ちを新たにすることができた。

引越し

 春学期を終え、引越しをした。前の家から近かったので、整理整頓をせずにただ運ぶだけの引越しだった。が、こんなにモノがあったっけ?と思うほどの量で、いい運動になった(整理整頓はおそらくこれからもあまりしないと思う)。新しい部屋は8畳くらいで広い。洗濯機がなかったり多少古かったりするが、付き合いやすいルームメイトなので、全く気にならない。やはり快適な暮らしには、快適な人間関係が必須条件である。
 冒頭で述べたように、アメリカの夏休みはとても長い。一応学内アルバイトに応募したが、気ままならぬご時世、見つかるかどうかはわからない。計画を立てて、有意義に過ごしたいものである。

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