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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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2010年3月生活記録 (第4期生 福永 梢)[2010年04月04日(Sun)]
 日本ではそろそろ花粉対策グッズが出回るころであろうか。妙に目がしょぼしょぼするのは・・いやあまさかなあと思っていたら、実家から写真が送られてきた。写っていた花はスギではなく、梅だった。今ごろ母が植えた花がポップコーンのように咲き、父はまた凝った梅干しを作っているだろう。ここワシントンDCでは桜が咲いた。


↑実家の梅


主役は誰か:言語とコミュニケーション

  ろう心理学はあいかわらず学びどころ盛りだくさんだ。今月は、クラーク・センター(*註)副長エドワード・ボッソ(Edward Bosso)氏による講演が特に印象的だった。近年、ろう学校へ通わず、人工内耳をつけたり対応手話を使ったりするろう・難聴の子どもが増えている。この現実に対し、ボッソ氏はこう力説なさった。「教育の場はどこでもよい。言語はなんでもよい。大切なのは、どの言語でもよいから、しっかりしたコミュニケーションができる言語を確立していることである。それさえあれば学ぶことができる。そのために必要な資源を提供することが私たちの役目だ」。資源提供のためにボッソ氏は、Strategy Plan(攻略プラン)を打ち立てた。目的達成のためにしなければならないこと、段取りを描いたものである。簡単なようでいざ具現しようとすると難しく、何度も議論を繰り返したという。だが一番難しいのは人の心を動かすことで、謙虚な姿勢と地味な作業を重ねるしかないとおっしゃった。自分の分野でStrategy Planを固めつつある私にとって、ボッソ氏の講演は心強かった。


Three Cups of Tea(三杯の紅茶)

  多文化教育の授業で、グループに分かれて本を読み討論する機会があった。私のグループは「Three Cups of Tea」という本を読んだ。パキスタン、インド、バングラディシュを拠点に山奥に学校を建てるボランティア活動をしているアメリカ人の話である。このお話には4種の差別が登場する。人種(南アジア人)、性別(女性への教育)、宗教(イスラム教)、経済(貧困中の貧困)である。また、ニーズはまわりが決めるものではないこと、数字に表れるものだけがかしこさではないことなど、異なる文化をもつ人への姿勢について多くの学びを与えてくれる。特に、自己発展力の大切さについて考えさせられた。例えば、ここで暮らせと故郷を追い出された難民たちが見たものは、干からびた土地であった。「何が必要か」と主人公に聞かれ、頭領は「灌漑だ」と答えた。「今」の喉の渇きを満たすことだけでなく「これから」を生きることに目を向けたこの答えは、先ほどのボッソ氏の信念とつながる。自分のためではなく子どものために取り組む大人たちを見本に、私もがんばろうと思う。


春休み

 ほとんどの学生がすでに春休み気分だというのに、私にはまだ授業があった。一足遅れの春休みの前半は雨降りで冷えていた。空気がすがすがしく晴れた後半遠出するつもりだったがタイミングがなかなか合わず、あっという間に終わってしまった。街並みにキャミソール、サングラスをちらほら見かけ、私も薄手の長そでになり冬から春へと移るのをゆっくり味わった1週間であった。


↑桜だと思って近付いたら、木蓮でした。
木蓮も桜に負けじとあちこち咲いています。


__________________
【註】クラーク・センター(Clearc Center):正式名The Laurent Clerc National Deaf Education Center at Gallaudet University。生後から21歳までのろう・難聴児に対する教育の改善と発展を目標としている。子どものニーズを満たすために、親や専門家への情報提供をはじめ、トレーニングや技術面での支援も行っている。大学附属小中学校の管轄権もここに当たる。
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