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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2009年11月生活記録 (4期生 川上恵)[2009年12月14日(Mon)]
11月に入り、秋から冬へ変わっていった。今月は気温の変化が激しいからか、キャンパス内でも風邪が流行った。お陰で私も風邪を引いてしまい、一週間殆ど寝込んでしまった。これから、本格的に冬が始まるが、寒さが苦手なわりに、雪を眺めるのが好きで、その日はいつかと、楽しみしているこの頃である。

(哲学のクラス)
   今、受けている哲学のクラスは、Critical Thinking(クリティカルシンキング)を中心に行っている。その理論を利用して、クラスごとに、テレビなどで話題になっているテーマから議論が始まる。なぜ賛成なのかなぜ反対なのか、筋の通った理由を説明できるように答えを出すことがCritical Thinkingの目的である。頭をフル回転しなければならないテーマが多いが、議論の度に自分の意見を出すだけでなく、他の意見を聞くことによって違った視点を得ることができるのがいいところである。又、レポートを作成するときもCritical Thinkingの理論を参考にすることができるので、大変役に立っている。

   その中で特に考えさせられたテーマを一つ取り上げたい。「今秋、ギャロデット大学は戦争で聴力を失った退役軍人を受け入れることに決まった。それに賛成か、反対か」。具体的には、米国の新復員兵援護法(G.I Bill)、つまり、復員兵援護法というと、戦争から帰還した軍人を国家が保障している法律であるが、その新法に「Yellow Ribbon(黄色いリボン)」というプログラムがあり、帰還した退役軍人が教育を受けられるように政府と大学が学費を折半しつつ、その退役軍人を包括的にサポートしていくことが目的になっているのだが、全米の半数の大学がそのプログラムを支援していることで、ギャロデット大学も今秋から、そのプログラムを受け入れることを発表したという内容である。

   このテーマが私にとって気になるのか、その理由として、私の地元である沖縄にとって、最近のニュースでもよく流れているように、軍人の問題は、地元のテレビや新聞では毎日というほど、基地問題やトラブルがトピックとして取り上げられる。沖縄の人達、また歴史的にも、関わり深い存在なのである。哲学のクラスでこのテーマが取り上げられた時、米国市民(クラスメート)側との、軍人に対する視点の違いを感じた。例えば、日本は米国基地の設置を受諾している国の一つであり、特に沖縄では米軍基地の問題は、身近なトピックとしてある。沖縄で、太平洋戦末期に起きた地上戦では、沢山の沖縄の民間人を含め、米軍、日本軍が亡くなられた。日本、とくに沖縄の人にとっては、その戦争の傷はまだ癒えていない。沖縄の人にとって米国基地はいまだに過去のものではなく、未だに現在の米国軍人による犯罪などをふくめて、現在進行形である問題である。軍人の中には貧困家庭出身がほとんどであり、その人達を戦争に送るよりも、教育を受けられるように支援した方がいいと私は思っている。しかし、米国市民にとって米軍人は国を守る仕事を果たしている英雄者として尊敬される。そして、イラクへ兵士を送るという日本と同じ手段を用いていることに疑問を感じる。哲学のクラスから出たテーマから少し、それた話になってしまったが、沖縄の駐留米軍人と基地問題から、米国軍人問題に対する意識の違いを改めて、感じた時でもあった。

(Life as a deaf Filipino Photographer)
   ミニ講演会では、フィリピンで活躍しているろう写真家、Alnoe Tabanera Paler氏のお話を聞く機会に恵まれた。Paler氏は、フィリピンでAbilympics National Gold Medal for Photographyを表彰されるなどプロ写真家として成功した経歴を持っている方である。パネラーには、参加者を惹きつけるほど魅力的な写真がいくつか並んでいた。Palarさんは温厚な雰囲気を持った方でフィリピン手話とアメリカ手話を交じりながら、写真家を目指したきっかけや苦労話をお話しされていた。参加者が彼の製作したビデオを見ている間、その様子を瞬時にカメラを収めるなど、チャンスを逃さずに次々と撮っていく姿勢がやはりプロだと印象に残った。

(International Education Week)
    米国では11月にInternational Education Week (国際教育週間)を実施している。この国際教育週間の目的は、米国務省と教育省が米国と諸外国の教育交流を推進するために支援する週間であり、今年は11月16日から20日まで全体の学校機関ではイベントが行われるそうだ。ギャロデット大学の場合は、外国へのインターシップと研修旅行の紹介があった。外国の紹介では、同じ日本財団の奨学金を受けているNamiraa Balijinnyam(ナミラ・バルジャニン)氏の講演が設置されることになった。彼女はモンゴルろう女性として初めて教育学の修士号を取得した方であり、モンゴルのろう教育状況や問題など一時間程にまとまる話をしていただいた。講演の後、モンゴルのろうコミュニティに興味を持った人達がBalijinnyam氏に質問する姿が見られた。最後にはエチオピア料理が配布され、インターナショナルな雰囲気で盛りあがった。

この講演は途上国が中心であり、今回はフィリピンとモンゴルのろう社会の現状を聞けることができた。両国でも共通的な問題を持っていることがはっきりとわかる。講演を通して国の一部の様子を知ることができるので、又他の国のろう社会の現況を聞ける機会があればぜひ参加したい。
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