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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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2009年9月生活記録(3期生 岡田)[2009年10月20日(Tue)]
9月末から大学院の2年目が始まった。順調に行けば、アメリカ留学最後の年になるので、充実した日々になるように努めていきたいと思っている。授業も論文やインターンなどに入り、通常のクラスも今後は、高等教育に関する予算管理や、ポリシー、リスクマネジメントなど、より実践的なものになっていく。今学期もいつもどおり3クラス履修することになった。

■ Law in Higher Education

法律が違うので日本の大学に直接適用することはできないが、高等教育に関する代表的な判例を取り上げながら、リスクマネジメントという観点から、大学管理職のとるべきアクションや、学生と大学の間で問題が起こった際に考えなければいけないことを学ぶクラスである。最終的には、裁判で負けないためにはどうすべきか、という点に行き着くが、問題の予防策としてのリスクマネジメントの考え方や、規則(policy)を制定する際に留意すべきことも学んでいて、プログラムの運営を行う際に役立つと感じている。

たとえば、日本の場合、障害学生支援にボランティアの学生がかかわることもあるが、その活動中には怪我をしてしまうなど様々なリスクがある。そうした場面を想定したときに、リスクマネジメントのセオリーに当てはめると、在職中に自分の行ってきたことがどう意味を持つのか、またほかに取れる方策は何があるのか、といったことに気づくことができ、有意義なクラスである。

■ Master's Project

修士論文を書くためのクラスである。夏にリサーチメソッドを履修し、いろいろ論文に取り掛かっている。論文については日米の違いがかなり現れている気がする。私が卒業した大学院では、修士論文が占めるウェイトが大きかった。単位数も多かったし、学生も教授も通常のクラスはそれほど重視している雰囲気はなく、その代わり論文に力を注いでいた気がする。

アメリカの場合、論文があるといっても、他のクラスは通常通りに進められ、評価も甘くなるということはない。論文だけに集中するわけにはいかないのである。ただ、その反面、それほど多く書くことは求められていない。むしろ、リサーチメソッドに沿って、淡々と?書くことが重視されているように思う。適切な方法を使ってサンプリングをすることや、リサーチクエスチョンをきちんと設定することにかなり比重が置かれていると感じる。また、進め方もクラス全体で、いつまでに1章を終わらせるといったように、タイムラインが設定され、学生それぞれが黙々と研究し、書いていくというよりは、教授に引っ張られていく感覚である。

日本で論文を書いたときと比べて、かなり勝手が違うので、いまだに戸惑っているが、書きたいテーマははっきりしているので、少しでも満足できるものを書き上げたいと思っている。

■ Internship in Student Services

それぞれの専門に合った場所で最低150時間のインターンを行う。実は予定していた大学から直前になって受け入れることができないとの連絡があり、いまだに場所が決まっていない。受け入れができない理由は大学同士のやり取りがあって、定かではないが、ひとつには多忙とのことであった。日本の大学ではあまりシビアに感じないかもしれないが、昨今の経済悪化で、カリフォルニアの大学では大幅な予算削減が行われている。

高等教育が「公」となっているアメリカでは、政府の財政悪化がシビアに響く。それは大学も高校も例外ではない。予算3割削減はざらにあるし、レイオフもかなりあったようだ。春学期のクラスの課題として、Ohlone Collegeの理事会(Board meeting)を見学に行った際も、解雇が予定されている職員が陳情や抗議を行っていた。

レイオフが行われると当然仕事は他に割り振られるので、残った職員の仕事が増える。私のプログラムのインターンシップはAdministratorのポジションに関係ある必要があるが、このような状況では、ただでさえ忙しい管理職の元で学ぶことはさらに難しくなるわけである。現在2つの大学と交渉中であり、どちらかが受け入れてもらえることを願っている。
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