2009年5月 生活記録(1期生 池上 真)[2009年05月20日(Wed)]
Gallaudet大学において、5月14日に大学院生のみを対象とした卒業式(Hooding)が、15日に学部生を含む、全体の卒業式(Commencement)が行われた。14日に、ソーシャルワーク学部の教授に式服の垂れ布をかけてもらい、15日に、Gallaudet大学のダビラ学長より卒業証書を受け取った。Gallaudet大学のウェブサイトによりこの2日間の卒業式を見ることが出来るので、アメリカの、具体的には、Gallaudet大学の卒業式がどんな雰囲気で行われるのか興味のある方は、ぜひお時間のあるときに下記のアドレスをクリックしてご覧ください。
Graduate Awards and Hooding Ceremony Thursday, May 14, 2009
http://atweb.gallaudet.edu/videoevent/2009/hood2009/source.asp
(池上は1時間12分40秒に、高山君は1時間14分18秒に映っています。)
Gallaudet's 140th Commencement Exercise Friday, May 15, 2009
http://atweb.gallaudet.edu/videoevent/2009/Commencement2009/source.asp
(池上は2時間13分3秒に、高山君は2時間18分56秒に映っています。)
当日に卒業式を迎えるまでは、自分が卒業するという実感がまったくなかったが、実際に卒業式に出席して、今までお世話になったり、支えてくれた友人や教授、職員から、「Congratulation!」と祝辞を受けるたび、本当に卒業するのだと実感が湧いてきました。14日のHoodingのときは、自分の名前を呼ばれ、ステージに上がるため階段を登るときは、緊張で足がガクガクしました。15日の全体の卒業式のときも、ステージの裏で自分の順番を待っているときは緊張しましたが、今思えば、同時に興奮している自分もいたと思います。卒業証書を受けるため、自分の名前を呼ばれ、ダビラ学長のところに近づくとき、「この瞬間を大切にしなきゃ!」と思い、友人のいる方向に大きく手を振りながらステージを降りました。ELI/IIP時代を含め、Gallaudetで学んだ4年間の努力と苦労が報われたのだと強く感じた瞬間でもありました。
今思い返せば、第一言語ではない書記英語(レポートなど)とアメリカ手話(クラスにおけるディスカッション)で学業を修めることは大変でしたが、家族や友人の励まし、先生や職員の理解あるサポートのおかげで、こうして無事に卒業することが出来ました。その喜びと達成感は言葉では言い尽くせません。
留学当初は、アメリカで障がい者の権利を守るための法律を深く学びたいと思い、ロースクール入学という留学計画を立てましたが、英語の面でロースクールへの入学基準に達しなかったので、留学の計画を変更せざるを得ませんでした。たまたま、IIP時代にソーシャルワーク学部が開講している障がい者に関する法律のクラスを受講したことがきっかけで、ソーシャルワーク学部でもADA法(障害を持つアメリカ人法)などといった法律を学べることを知り、そのままGallaudet大学院に進学し、ソーシャルワークを専攻することを決めました。それまでは、ソーシャルワークというと、ケースマネジメントとかカウンセリングを勉強するというイメージがあり、法律とはまったく無縁の分野だと思っていたのです。しかし、実際は、ADA法だけでなく、1973年に成立されたリハビリテーション法(The Rehabilitation Act)や、障がいを持つ子供たちが無償で適当な公的教育を受けることが出来るようにするために1990年に成立された法律(Individual with Disabilities Education Act)についても学ぶことが出来、法律とソーシャルワークは密接につながっているということが分かりました。こうしてみると、ロースクールでなく、Gallaudet大学院においてソーシャルワークを専攻してよかったかもしれません。実際に、アメリカでは、ソーシャルワークの修士号(Master’s Social Work)と法務博士(Juris Doctor)の二つを持っている人もたくさん存在しています。
また、ソーシャルワークを勉強してよかったと思うことはこうして障がい者に関する法律を学べたからだけではありません。今までの生活記録や学期のレポートにおいて述べた通り、アメリカにおけるろう者・難聴者を取り巻く環境・社会と彼らに対する援助技術(ミクロレベルからマクロレベルまで)に関する知識を深めることが出来たことは僕の留学生活の最も大きな成果であり、今後、これまで学んだことをどのように活かしていけるか、実践できるかとても楽しみです。
最後になりますが、日本ASL協会を始め、日本財団の関係者の皆さまには大変お世話になりました。皆さまの温かいサポートがあったからこそ、ここまで辿り着くことができました。本当にありがとうございました。これからも今までと同様に皆さまと長い、いや、一生のお付き合いをさせていただければうれしいです。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。
Graduate Awards and Hooding Ceremony Thursday, May 14, 2009
http://atweb.gallaudet.edu/videoevent/2009/hood2009/source.asp
(池上は1時間12分40秒に、高山君は1時間14分18秒に映っています。)
Gallaudet's 140th Commencement Exercise Friday, May 15, 2009
http://atweb.gallaudet.edu/videoevent/2009/Commencement2009/source.asp
(池上は2時間13分3秒に、高山君は2時間18分56秒に映っています。)
当日に卒業式を迎えるまでは、自分が卒業するという実感がまったくなかったが、実際に卒業式に出席して、今までお世話になったり、支えてくれた友人や教授、職員から、「Congratulation!」と祝辞を受けるたび、本当に卒業するのだと実感が湧いてきました。14日のHoodingのときは、自分の名前を呼ばれ、ステージに上がるため階段を登るときは、緊張で足がガクガクしました。15日の全体の卒業式のときも、ステージの裏で自分の順番を待っているときは緊張しましたが、今思えば、同時に興奮している自分もいたと思います。卒業証書を受けるため、自分の名前を呼ばれ、ダビラ学長のところに近づくとき、「この瞬間を大切にしなきゃ!」と思い、友人のいる方向に大きく手を振りながらステージを降りました。ELI/IIP時代を含め、Gallaudetで学んだ4年間の努力と苦労が報われたのだと強く感じた瞬間でもありました。
今思い返せば、第一言語ではない書記英語(レポートなど)とアメリカ手話(クラスにおけるディスカッション)で学業を修めることは大変でしたが、家族や友人の励まし、先生や職員の理解あるサポートのおかげで、こうして無事に卒業することが出来ました。その喜びと達成感は言葉では言い尽くせません。
留学当初は、アメリカで障がい者の権利を守るための法律を深く学びたいと思い、ロースクール入学という留学計画を立てましたが、英語の面でロースクールへの入学基準に達しなかったので、留学の計画を変更せざるを得ませんでした。たまたま、IIP時代にソーシャルワーク学部が開講している障がい者に関する法律のクラスを受講したことがきっかけで、ソーシャルワーク学部でもADA法(障害を持つアメリカ人法)などといった法律を学べることを知り、そのままGallaudet大学院に進学し、ソーシャルワークを専攻することを決めました。それまでは、ソーシャルワークというと、ケースマネジメントとかカウンセリングを勉強するというイメージがあり、法律とはまったく無縁の分野だと思っていたのです。しかし、実際は、ADA法だけでなく、1973年に成立されたリハビリテーション法(The Rehabilitation Act)や、障がいを持つ子供たちが無償で適当な公的教育を受けることが出来るようにするために1990年に成立された法律(Individual with Disabilities Education Act)についても学ぶことが出来、法律とソーシャルワークは密接につながっているということが分かりました。こうしてみると、ロースクールでなく、Gallaudet大学院においてソーシャルワークを専攻してよかったかもしれません。実際に、アメリカでは、ソーシャルワークの修士号(Master’s Social Work)と法務博士(Juris Doctor)の二つを持っている人もたくさん存在しています。
また、ソーシャルワークを勉強してよかったと思うことはこうして障がい者に関する法律を学べたからだけではありません。今までの生活記録や学期のレポートにおいて述べた通り、アメリカにおけるろう者・難聴者を取り巻く環境・社会と彼らに対する援助技術(ミクロレベルからマクロレベルまで)に関する知識を深めることが出来たことは僕の留学生活の最も大きな成果であり、今後、これまで学んだことをどのように活かしていけるか、実践できるかとても楽しみです。
最後になりますが、日本ASL協会を始め、日本財団の関係者の皆さまには大変お世話になりました。皆さまの温かいサポートがあったからこそ、ここまで辿り着くことができました。本当にありがとうございました。これからも今までと同様に皆さまと長い、いや、一生のお付き合いをさせていただければうれしいです。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。




