2009年1月 生活記録(第2期生 高山 亨太)[2009年01月31日(Sat)]
はじめに
遅ればせながらも、明けましておめでとうございます。経済的に不安が残りますが、今年も皆様にとって実り多き一年となりますよう。残り少なくなった留学生活を後悔なく全うできるよう、最後の課題である留学生活の目的の1つであるアメリカでのろう・難聴者に関わる社会福祉専門職の状況に関する量的調査を進めていきたいと思っています。今年もよろしくお願いいたします。
SouthWest Collegiate Institute for the Deaf (SWCID)
日本でのお正月明けに一度、ワシントンDCに戻り、書類手続きや教授との面談などを済ませて、11日にテキサス州ビッグスプリング市(Bid Spring)にあるSouthWest Collegiate Institute for the Deaf (SWCID)に無事に到着した。アメリカではろう・難聴者のための大学、もしくは多くが在籍する大学として、Gallaudet UniversityやNTID/RITやCalifornia State University, Northledgeなどが知られている。最近は、日本ASL協会と協定を締結したOhlone Collegeというコミュニティカレッジが知られるようになった。そのような状況にあって日本ではまだ馴染みがないと思うが、SWCIDはHoward Collegeというテキサス州のコミュニティカレッジの管理下にある世界で唯一のろう・難聴者のためのコミュニティカレッジとして知られている。学生は、手話通訳を学ぶ聴者の学生を含めて、約110人ほどのろう・難聴学生が在籍している。SWCIDのプログラムは、日本で言えば歯科技工士養成課程や、コンピューター、ビジネス実務、グラフィクアート、建築、溶接、整備士、ろう教員のアシスタント、手話通訳者養成課程といった職業訓練の課程があり、さらに大学進学を希望する学生のために一般教養の課程もある。一般教養課程は、Haward Collegeの他のキャンパスに行って、手話通訳サービスを受けながらクラスを取得することが可能となっている。
SWCIDの学長はろう者(Howard College全体としては副学長となる)であり、さらに事実的にSWCIDの副学長であるDean自身もろう者である。教授自身も半数以上がろう・難聴者であり、事実的にろう・難聴者のためのコミュニティカレッジであり、NTID/RITのコミュニティカレッジ版だと思えばいいだろう。
クラス予定
今学期は、インターンシップに集中するため、基本的に対面講義は受講しないが、必修である2つのオンライン講義を受講する予定となっている。講義名は、Advanced Practice Seminar(3単位)と、もう1つは、Advanced Field Practicum with Deaf and Hard of Hearing Populations(6単位)である。
Advanced Practice Seminarでは、これまでに学んだ内容や現在のインターンシップでの経験を活かして、毎週、様々なテーマについて総括的に議論するカリキュラムが組まれている。それぞれの学生は与えられた1つのテーマについていくつかの理論や質問をまとめ、その上で自分の担当する週を責任もって議論をリードし、意見を深める中でそれぞれの知見や経験をまとめることが求められている。聴講する学生は、少なくとも1回は質問に対して回答や意見を投稿することが求められている。最終レポートは、ろう・難聴者の社会福祉に関わる1つのケースや状況について、これまで自分が学んできた理論や知識、経験をもとに小論文形式で書くという内容となっている。
Advanced Field Practicum with Deaf and Hard of Hearing Populationsは、インターンシップを含め、インターンシップに関する記録や毎週のオンラインでの議論に参加することが求められている。日本の社会福祉専門職教育のプログラムとして、実習中にプロセスレコード(クライエントとの対話分析)というものを書くことが義務付けられているはずだが、ここアメリカでもプロセスレコードを書くことが求められていて、これがまた大変ではある。
オバマ大統領の就任式
皆さんもご存知のように、1月20日にオバマ大統領の就任式があった。SWCIDの診断センターの全職員(全職員と言っても、私を入れて4人しかいないが。)とともに仕事を休憩?して、オバマの就任式を生放送で見た。ワシントンDCで、生のスピーチを聞くことはできなかったが、テレビでも十分オバマ大統領の熱意や考えが十分伝わるスピーチに感動した。初めての黒人系大統領と言うことで注目されているが、彼のスピーチのうまさや人格も多くの人々の心を引き寄せる要因になっているのだと改めて思う。オバマ大統領がどのように日本政府と関わっていくにか興味を持っており、今後に注目・期待したいと思った約2時間の生放送だった。
遅ればせながらも、明けましておめでとうございます。経済的に不安が残りますが、今年も皆様にとって実り多き一年となりますよう。残り少なくなった留学生活を後悔なく全うできるよう、最後の課題である留学生活の目的の1つであるアメリカでのろう・難聴者に関わる社会福祉専門職の状況に関する量的調査を進めていきたいと思っています。今年もよろしくお願いいたします。
SouthWest Collegiate Institute for the Deaf (SWCID)
日本でのお正月明けに一度、ワシントンDCに戻り、書類手続きや教授との面談などを済ませて、11日にテキサス州ビッグスプリング市(Bid Spring)にあるSouthWest Collegiate Institute for the Deaf (SWCID)に無事に到着した。アメリカではろう・難聴者のための大学、もしくは多くが在籍する大学として、Gallaudet UniversityやNTID/RITやCalifornia State University, Northledgeなどが知られている。最近は、日本ASL協会と協定を締結したOhlone Collegeというコミュニティカレッジが知られるようになった。そのような状況にあって日本ではまだ馴染みがないと思うが、SWCIDはHoward Collegeというテキサス州のコミュニティカレッジの管理下にある世界で唯一のろう・難聴者のためのコミュニティカレッジとして知られている。学生は、手話通訳を学ぶ聴者の学生を含めて、約110人ほどのろう・難聴学生が在籍している。SWCIDのプログラムは、日本で言えば歯科技工士養成課程や、コンピューター、ビジネス実務、グラフィクアート、建築、溶接、整備士、ろう教員のアシスタント、手話通訳者養成課程といった職業訓練の課程があり、さらに大学進学を希望する学生のために一般教養の課程もある。一般教養課程は、Haward Collegeの他のキャンパスに行って、手話通訳サービスを受けながらクラスを取得することが可能となっている。
SWCIDの学長はろう者(Howard College全体としては副学長となる)であり、さらに事実的にSWCIDの副学長であるDean自身もろう者である。教授自身も半数以上がろう・難聴者であり、事実的にろう・難聴者のためのコミュニティカレッジであり、NTID/RITのコミュニティカレッジ版だと思えばいいだろう。
クラス予定
今学期は、インターンシップに集中するため、基本的に対面講義は受講しないが、必修である2つのオンライン講義を受講する予定となっている。講義名は、Advanced Practice Seminar(3単位)と、もう1つは、Advanced Field Practicum with Deaf and Hard of Hearing Populations(6単位)である。
Advanced Practice Seminarでは、これまでに学んだ内容や現在のインターンシップでの経験を活かして、毎週、様々なテーマについて総括的に議論するカリキュラムが組まれている。それぞれの学生は与えられた1つのテーマについていくつかの理論や質問をまとめ、その上で自分の担当する週を責任もって議論をリードし、意見を深める中でそれぞれの知見や経験をまとめることが求められている。聴講する学生は、少なくとも1回は質問に対して回答や意見を投稿することが求められている。最終レポートは、ろう・難聴者の社会福祉に関わる1つのケースや状況について、これまで自分が学んできた理論や知識、経験をもとに小論文形式で書くという内容となっている。
Advanced Field Practicum with Deaf and Hard of Hearing Populationsは、インターンシップを含め、インターンシップに関する記録や毎週のオンラインでの議論に参加することが求められている。日本の社会福祉専門職教育のプログラムとして、実習中にプロセスレコード(クライエントとの対話分析)というものを書くことが義務付けられているはずだが、ここアメリカでもプロセスレコードを書くことが求められていて、これがまた大変ではある。
オバマ大統領の就任式
皆さんもご存知のように、1月20日にオバマ大統領の就任式があった。SWCIDの診断センターの全職員(全職員と言っても、私を入れて4人しかいないが。)とともに仕事を休憩?して、オバマの就任式を生放送で見た。ワシントンDCで、生のスピーチを聞くことはできなかったが、テレビでも十分オバマ大統領の熱意や考えが十分伝わるスピーチに感動した。初めての黒人系大統領と言うことで注目されているが、彼のスピーチのうまさや人格も多くの人々の心を引き寄せる要因になっているのだと改めて思う。オバマ大統領がどのように日本政府と関わっていくにか興味を持っており、今後に注目・期待したいと思った約2時間の生放送だった。