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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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7月の生活記録/池上真(一期生)[2006年08月30日(Wed)]
□まず初めに

 夏休みもあと残すところ約3週間となり、多くのサマースクールやサマープログラムもいよいよ最終日を迎えた。同時に、新入生を対象としたオリエンテーションの準備で一部の在学生がキャンパスに戻り、賑やかになってきた。個人的には、閑散としたキャンパスも悪くはなく、現役の若い学生が戻るにつれ、何だか今までの静けさが恋しくなり、残り少ない夏休みを惜しみ始めるようになった。
 7月に入ると、連日のように、日差しの強い日が続いたが、湿度はそれほど高くなく、日本に比べ、空気がカラッとしているため、過ごし易かった。

□キャンパスライフでの仕事

 「リードアメリカ(Lead America)」に続き、7月は、北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカから、10代のろうのスポーツ選手が集い、バスケットボール、陸上などの種目において、「パンアメリカ(Pan America)」という競技大会が開かれた。業務の内容は、今までの生活記録に触れた通りである。パンアメリカが終了してからは、各寮の各部屋から、ブランケットと枕を一斉に回収し、ブランケットはきれいに畳んでリネン室の棚に重ね、枕は大きなゴミ袋に入れて整理した。一方、一般の訪問客からの依頼は少なく、リネン室での仕事が落ち着いているときは、オフィスでの仕事もやらせていただいた。寮に住んでいる在学生のファイルを整理したり、コンピューターに情報をインプットしたりした。

□サマースクール(LSAT準備)
 
 今月も、前月と同様に、LSATにおいて出題される問題の特徴とそれらの解き方を学んだ。その間に、日ごろの学習の成果を試す実力診断テストも行われた。試験中の時間管理だけでなく、自分の得意分野と不得意分野を認識することができ、また、試験当日までの勉強方法をイメージできた。
 前月の生活記録に、LSATの問題の特徴を述べたが、LSATには、読解[Reading Comprehension]26〜28問、論理的ゲーム[Logic Game]22〜24問、論理的解釈[Logical Reasoning]24〜28問といった種類の問題が出題される。さらに、読解問題は、自然科学[Natural Science]、社会科学[Social Science]、人文科学[Humanities]、法律[Law]といったジャンルに分かれ、それぞれのジャンルから1つずつ出題される。また、論理的ゲームは、配列[Sequencing]、組み合わせ[Matching]、選択[Selection]、配分[Distribution]、混合[Hybrid]といったタイプの中から4つの大きな問題が出題される。論理的解釈問題のトピックも、読解問題と同様に、さまざまなジャンルから選択され、質問形式も10のタイプ(想定[Assumption]、議論の方式[Method of Argument]、矛盾[Paradox]など)に分かれる。クラスにおいては、レッスン向けの本(Lesson Book)を使用し、以上に述べた一つ一つのタイプの例題を解きながら、それぞれの合理的な解答方法を学び、そして、クラスのない間は、ホームワークの本(Mastery Book)を使用して、クラスにおいて学んだことを応用しながら、問題演習を行っている。
 クラスが終わりに近づくにつれて、問題の難易度が高くなって来ているが、あともう少しでクラスが終わるので、気を引き締めていきたいと思っている。

□夏休み満喫

 キャンパスライフでの仕事とサマースクール(LSATの準備)で一日が埋まってしまうほどの忙しさであるが、まったく息抜きの時間がないわけではない。同僚の友人やサマースクールで勉強しに来ている学生と一緒にレストランに行ったり、日帰りでDCからバスで3時間のところにあるフィラデルフィアに観光しに行ったりした。アメリカ合衆国誕生の地として知られるフィラデルフィアでは、インディペンデンス国立歴史公園に足を運び、独立宣言をするときに高らかに打ち鳴らされ、以来アメリカ国民にとって自由の象徴として奉げられてきたリバティベル(自由の鐘)を見てきた。また、フィラデルフィアのビジネスの中心であるセンターシティにも寄り、全米で最も高い石造建築物とされる市庁舎(City Hall)も見てきた。その市庁舎の頂上には、ウィリアム・ペン像が立ち、外壁には250もの彫刻が施されていて、魅力的な建物だった。

□終わりに

 冒頭にも述べた通り、最近、キャンパスの雰囲気が秋学期への準備へと変わりつつある。新入生がオリエンテーションのために次々とギャロデットにやって来ている。また新たなドラマが始まる予感がする。学生が溢れ返るようになっても、自分を見失わずに、頑張っていきたい。
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