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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2008年11月 生活記録 (第4期生 福永梢)[2008年12月08日(Mon)]
 『カリフォルニアは温かいので、秋・夏服くらいで1年間過ごせるでしょう』。
アメリカに行く前にネットでいろいろ情報を集めたのだが、おそらくこの人は寒さに強かったのだろう。「嘘つきーっ」と半べそになりながら、重ね着に工面する毎日である。オレンジも甘味が減って、酸味が増してきた。

■English
  あいかわらず「自然な英語表現」に苦労しているが、最近コツを1つ見つけた。個人主義が強いアメリカのことだから「I do/be 〜」が多いだろうと思っていたら、そうでもないのだ。「It is 〜 for (人) to do」、「Doing is 〜」「One of 〜 is …」という表現が案外と多い。この他に少ししたニュアンスや口語英語について新しく知ることもあり、言語は本当におもしろいなとつくづく思う。自然な英語表現力を磨くために、英語の先生から英語の本を読むことを勧められた。・・・まったく続かない。正直言って、私はめんどくさがりやで活字が苦手なのだ。本を読むとお金がもらえる企画にも参加してみたが、私の中のゲーム機にはコインを入れる口がなかったようだ。そこで大好きな映画を見る方法に変えてみたところ、ばっちり。フォーマルな英語からは多少ずれるが、アメリカンセンスや口語表現も同時に学べる上に、前からDVDを集めたかったのでちょうどいい。自分に合った勉強方法を見つけられて、よかった。

■ASL
  上達したとほめられることが増えてきた。ASLを知らない聴こえる友達には英語を話し、ASLを勉強中の聴こえる友達には英語を話しながらのASL、ろうの友達にはASL、などと使い分けて、異なるコミュニケーション方法を同時に鍛えている。私が将来やりたいことには柔軟なコミュニケーション技術が求められるので、聴こえる人も聴こえない/聴こえにくい人も多いオーロニ大学のこの学習環境にはとても助けられている。

■Open House
  Open Houseとは、学校の一般公開企画である。今回は地元のろう学校を見学した。ところで、私は子どもの教科学習だけでなく、快適に過ごせる環境づくりにも興味がある。そんな私にとって、教室内のスペースづくり、壁に貼られた教材の色づかい、教室の配置の仕方などすべてが大変興味深かった。法律で学校内の写真を撮れないことになっていることをとても惜しく思った。

■Pizza Night
  ASLサークル主催企画で、ピザ店でピザを食べながら、ASLを勉強中の聴こえる人、ろう者と交流した。なかなか楽しかったが、聴こえる人とろう者でグループに分かれて固まっており、妙でもあった。何人かの聴こえる人から「自分はASLが下手だから、ろう者に声をかけていいのか不安だ」と聞き、サークル会長に「聴こえる人がつたないASLでも話してみる気になれるよう、工夫しないか」と提案したのだが、「聴こえる人の責任、積極的に関わろうとしてこなければこっちも相手しない」と言われた。自己責任が強いアメリカ文化だからかもしれないが、少しもったいない気もした。

■DEAFinance
  DEAFinanceとは、ろう者でダンスが好きな人がクラブに集まって、一緒に踊る企画である。音楽が大好きなので参加してきた。日本と違って、アメリカでは「クラブ」が身近なものである。また、アメリカの音楽はビートが強く定期的なものが多い。そのため、音は聴こえなくても振動でビートを感じてダンスを楽しむろう者はかなり多い。中には聴こえる人よりもうまい人もいて、びっくりした。私はカラオケかライブ派でダンスには縁がなかったのだが、いい運動にもなるしろう者にとっての音楽も垣間見れるし、なかなか楽しそうだ。

■余談
  11月は、これからの自分の立ち位置について改めて考える月であった。いろいろな出来事が重なり、自分のアイデンティティとろう者との関係について不安になっていた。そんなとき、ある本と自分と同じ心理職を志す先輩ろう者と出会い、共通の視点をもっている「仲間」の存在に少しホッとした。私は「mixed(雑種)」のままでいろいろなことを見ていこう、「あなたはあなたのままでいいんだよ」といろいろな立場に対して言える人になろうと心に誓った。背中を押されすぎないように、今はコツコツと地盤を固めていこうと思う。
この記事のURL
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/243
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コメント
> 村石太マン さん

検索にてここまで辿りついて下さって、ありがとうございます。

手話は世界共通ではありません。
同じ視覚的な言語という意味で共通点はありますが、
読み書きに使う言語と同じように国によって違いがあります。

私はダンスがかなり苦手なので、
嫌いではないとのこと羨ましく思います。

本ブログにはいろいろな情報がつまっています。
今後ともどうぞご気軽にお越し下さい。
Posted by:福永 梢  at 2010年07月26日(Mon) 12:18

クラブ ダンスを楽しむで 検索しました。手話というのは 世界共通ではないのでしょうか? 私も ダンスは 嫌いではないです。
Posted by:村石太マン  at 2010年06月28日(Mon) 23:46