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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2008年8月 生活記録(第2期生 高山 亨太)[2008年08月31日(Sun)]
新学期
 長い夏休みが終わり、ついに留学生活最後の最終学年が8月25日からスタートした。久々のワシントンD.Cということもあり、現地に到着した当初は時差呆けとの戦いであった。長距離の飛行機の経験は多いのだが、いくら工夫をしても、本当に時差呆けには弱いのだなとあきらめつつある。誰かこれだという時差呆け対策があれば、連絡して欲しいと思っている。

 ソーシャルワークに関する基礎科目が中心であった去年と違って、今学期は聴覚障害そのものやろう・難聴者の生活実態に焦点をあてた科目を中心に構成されている。科目としては、「ろう・難聴者個別援助技術演習(Practice with Deaf and Hard of Hearing Populations: Micro Intervention)」、「ろう・難聴者福祉政策援助演習(Practice with Deaf and Hard of Hearing Populations: Macro Intervention)」、「ろう・難聴者における人間発達と社会環境の問題(Issues in Human Behavior and the Social Environment: Deaf and Hard of Hearing Populations)」、「ろう・難聴者に関する調査実習(Research Practicum- Deaf and Hard of Hearing populations)」、「学校ソーシャルワーク演習(School Social Work Practice)」、「自由研究(Independent Study)」の6クラス、計18単位である。しかし、調査実習については、履修を免除されているが、今後の博士論文の参考にするために聴講生としての授業参加である。自由研究については、一人のクラスメイトとともに薬物依存が専門の教授の指導の下に、自分の興味のあるテーマについて自主研究をすすめるという内容である。今学期は、日本の聴覚障害に関わる社会福祉専門職への薬物依存などに関する資料を提供するための資料作成を中心に進めていく予定である。学期が始まったばかりなのでそれぞれの科目についての詳細については、9月の生活記録にて説明したいと思う。

東京学芸大学からの訪問
 東京学芸大学から教授と学生4名によるGallaudet University訪問を2日間に渡ってお手伝いさせていただく機会があった。当日は、主に日本手話・アメリカ手話間通訳を務めたが、通訳を専門的に勉強したこともないので,結果的に当然,役不足で、彼らに迷惑をかけたかもしれないが、ギャローデット大学滞在を少しでも楽しんでもらえたのであれば幸いである。メンタルヘルスセンターや障害学生支援室の専門職員との懇談は、自分にとっても大いに収穫があり、貴重な時間でもあった。さらにダヴィラ学長との面談も実現し、充実した一時を共有させていただくことが出来、私にとっての初めてのGallaudet University案内という重役を果たすことができたと思う。これもひとえにGallaudet Universityのインターナショナル部署のDr.Masonや日本人の友人などの協力のおかげである。ワシントンD.Cの観光などを通じて、彼らとの交流なかでGallaudet Universityの印象を聞くことができたり、私よりも若い二人のろうの学生との交流ができたことが自分にとって大きな励みとなった。またいずれ誰かを案内する機会があれば、もう少し上手に観光できたらと思っている。多くの日本人や専門家にGallaudet Universityやアメリカのろう社会について知ってもらえるように努力することも重要なことであると実感した2日間であった。
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