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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2月生活記録 【第2期生 谷口】[2008年03月15日(Sat)]
非常に冷たい風が身に凍みる季節となり、インターンシップのために毎朝5時半には起床し、まだ朝明けしていない夜空の中を歩き、ギャロデット大学に通学して1ヶ月以上経つ。ワシントンDCの緯度は日本の東北地方に一致し、東北地方に住んだ経験の全くない私にとって2度とこのような経験はしたくないというほどの辛さだった。おかげで喉を痛め、風邪を3回もひいてしまったのである。

■IIP■

インターンシップ
英語教育指導を見ていく中で、解決できるとは到底思えないほど1番大変な問題は、生徒たちそれぞれ違った言語を持っており、概念も当然異なる。その上、生徒たちのほとんどはアメリカで生活してから1年しか経っていなく、ASLも簡単な会話程度しか習得していない。そのような環境の中で、be動詞と一般動詞を教えていくかということが先生にとって一番辛い試練だと思っている。絵を使ったり色々な方法を使用して指導して、その時は生徒たちは「分かった!!」と嬉しそうに答えてくれるが、次の日にまた復習すると忘れてしまうのである。それは理解していないということになる。今のところは読書を通して使い方を指導するという方法を行っている。

ENG 103S
毎回、初めにボキャブラリーのテキストブックを使用して意味の確認をした上でテストを受け、次に文法の訓練、そして最後に「PERSEPOLIS」という本について議論し合うことになっている。特に生徒たちの関心を最も引き寄せたものはイラン革命についてである。実際にイラン革命を目の前で見ながら育ってきたイラン人の講演もクラス内で催され、生の経験談が聞けて大変良かった。その講師によると、そういう環境で育ったイラン人の子供たちは子供でさえ特に政治に非常に関心を持っており、それに関する話を子供同士で議論するという。

EDU 311
最初に、言語とコミュニケーションとは何か、それらの違いは何なのかという議論から始め、言語は生まれつき備わっているものなのかという非常に熱い討論までに発展していった。教育学では、言語は先天的なものであると定義されているが、少し矛盾していることがある。インドのある村でオオカミに育てられた人間の子供が10歳くらいになって以後無事に保護され、徹底的に教育を受けた結果、死亡されたという残念な結果に終わったという有名な実話がある。言語の臨界期があるが、もし言語が先天的であるならば、臨界期とは関係なく言語は発達するはずなのである。そういう討論がなされたが、結果としてうまくまとめられなかった。こういうテーマだと終わりなき議論になるのは無論のことである。

EDU 605
今学期の講義は評価方法についてである。成績を出すために生徒たちはテストなどを受ける必要があるが、評価は大きく分けて2つの種類がある。1つ目は形成的評価で、生徒の学習進度を継続的に評価する方法であり、もう一方が総括的評価でテストなどで確認する評価である。どうやって正当に評価するかという議論を毎回行っている。

■ELISO■
毎週火曜日の夜6時に委員会の会議があるが、あいにく他の講義と重なっているために今学期はその会議に出席することは出来なくなった。しかし、陰ながら企画の担当として色々と企画を練っていきたいと思っている。

■抱負■
また、来月の春休みに友達とドライブでフロリダを周遊する予定である。今年最後のアメリカなので、ディズニーランドの有名なオーランドや魅力的なビーチのあるマイアミなどを観光してみたかったからである。今回が最後のアメリカの旅になるだろう。
Posted by 谷口恵美(第2期) at 11:22 | 奨学生生活記録 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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