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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2025年4月「オックスフォードリテラリーフェスティバル」金本小夜(19期生)[2025年05月08日(Thu)]
みなさんこんにちは。
5月に入りましたね。イギリスは今年は変なお天気で、先日史上最も暑い5月というニュースが流れたかと思いきや、その翌週は最低気温が一桁台に再び戻ったりと、お天気の変化が目まぐるしいです。
最近はTシャツの上にセーターを着て、ウィンドブレーカーと膝掛けと傘を持って図書館に行ったりするので、余計な荷物でリュックが重い…
ところで近頃いろんな図書館に通う中で思ったのですが、同じ石造りの建物でも、大英図書館みたいに空間を広く取っている図書館は寒いし、キングズカレッジの図書館のように小さな部屋がいっぱい入り組んでいる図書館は熱がこもって暑かったりと色々だなぁということに気がつきました。私が特に寒がりということもあるのですが、なかなか図書館ひとつに行くにも服装を考えなきゃいけないのが難しい今日この頃です…。

そういえば先月はオックスフォードで文学フェスティバルがあったので行ってきました。
その時はものすごく暑くて、ジャケットを着て行ったのを後悔するような快晴でしたが、おかげでオックスフォードの素敵な街並みを堪能できました。
ご存知の通り、オックスフォード大学は今でも世界の大学ランキングの上位に名前を連ねていますが、有名なのは学術レベルのみならず、その古い歴史で、創立は諸説はありますが1096年、英語圏では最も古い大学です。
今でも学生や教授陣が共にディナーを食べるハイテーブルという伝統や、『ハリー・ポッター』シリーズでお馴染みの寮制度といった、他のイギリスの大学ではなくなりつつある伝統を多く残してもいます。
また私が個人的に好きな『不思議の国のアリス』を書いたルイス・キャロルや、『指輪物語』を書いたJ .R .R.トールキン、『黄金の羅針盤』のシリーズを書いたフィリップ・プルマンなど、日本でもよく知られた文学者がたくさん卒業している大学でもあるんです。キャロルもトールキンも、オックスフォード大学でそれぞれ数学や古典を教えており、また『不思議の国のアリス』や『黄金の羅針盤』シリーズにはオックスフォードの土地そのものが舞台として使われたりするなど、作者たちが愛着を持っていた土地でもあります。
…話が逸れました。
さて、今回私が特に参加したかったのはフランシス・ハーディングという作家の講演でした。私が夏にある学会で扱おうと思っているDeeplight(2019)という本の作者でもあります。
彼女もまたオックスフォード大学出身の作家で、イギリスの民話や言い伝えをベースとした幻想的な作風で知られています。
トークの内容は主に彼女の最新作の宣伝で、どこからどういうふうにアイデアを得るか、イギリスの歴史が彼女の作品にどのように影響を与えているか、などの内容。
最後にサイン会もあり、色々喋れたのが最高の思い出になりました。Deeplightについて発表したい旨を伝えると、「当事者から見て聴覚障害者の描写は問題なかった?」と真剣な顔をして聞いてくれるなど、真摯に作品や読者に向き合われている様子が伺えて、ますますファンになってしまったり。
この後にもコーネリア・フンケやエマ・キャロルなど、人気の作家の講演が続いて、充実した1日となりました。

ちなみに今回活躍した文字起こしアプリは英語に特化したOtter.aiです。
やはり他のアプリに比べて断然精度がいいので重宝してますが、無料だと五時間しか文字起こししてくれないんですよね…
前にも書きましたがMicrosoftが出していたGroup Transcriptのサービスが終了してしまったのが悔やまれます。
相変わらず英語用文字起こしアプリ、探し中です。

今月はいつも通り論文の執筆もありますが、来月の学会に向けてそろそろ準備を始めなくてはいけないこともあり、ますます図書館にこもることになりそうです。
来月のブログ、何か面白いことが書けたらいいのですが…

写真はオックスフォードの植物園にいるチェシャ猫さんです(木の上)。IMG_3325.jpeg
Posted by 金本 at 19:26 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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