
2025年4月「ジャンバーでつながる大学生活 〜韓国ならではの文化〜」森本恵実(20期生)生活記録[2025年05月07日(Wed)]
みなさん、こんにちは。4月の生活記録を書きます。
最近の韓国は、昼間はポカポカ暖かく、朝晩はまだ肌寒いという、少し着る服に悩む季節です。でも、そんな寒暖差の中で春が少しずつ近づいているのを感じられます。

※大学構内の桜です。
韓国の大学生活で驚いた文化のひとつが『学科ジャンバー(학과 잠바)』略して『クァジャム(과잠)』です。学科ジャンバーとは、該当する大学に在籍している大学生のみ手に入れることができるジャンバーです。

※崇実大学 日語日文学科の学科ジャンバーです。
左腕には学番(入学年度)、右腕には大学のロゴが入っています。
現在ほとんどの学校が学科ジャンバーを作っていて、「学校の制服」とも呼ばれているほど浸透しています。おそらく一人一着は必ず持っているかと思います。
昔の韓国は大学進学率が低く、ソウルの大学に通う大学生は社会的地位が高かったため、その特徴を強調するために学校のバッチを留めていたことが「学科ジャンバー」の始まりだそうです。韓国の大学生が当たり前のように着ている「学科ジャンバー」には、実はけっこう深い意味があるのだと感じました。ジャンバーには自分の大学名や学科名が書かれていて、誰がどこに属しているかが一目でわかります。これは、同じ学科の仲間同士の「つながり」や「一体感」を高める役割を果たしています。
日本の大学では、学科ごとにこうした共通の服を作って着るという文化はほとんど見られません。そのため、最初は「なぜみんなおそろいのジャンバーを着ているのだろう?」と不思議に思いましたが、時間が経つにつれて、これは単なるファッションではなく「自分のアイデンティティを外に示す」文化だということに気づきました。

※左;崇実大学を代表するジャンバーのデザイン
※右;語学堂留学時代に通っていた高麗大学のジャンバー
(もはやこれらは学科ジャンバーではなく大学ジャンバーと言ってもいいかもしれません笑)
また、学科ジャンバーは授業の時だけでなく、サークル活動や試験期間中などにも活躍します。特に、学園祭や集まりでは、同じジャンバーを着ることで仲間意識が高まり、「一緒に頑張ろう」という雰囲気が自然と生まれるアイテムにもなっています。

※崇実大学のマスコットキャラクターも学科ジャンバーを着用しています。
このように、学科ジャンバーは単なる衣類ではなく、「集団に属していること」を大切にする韓国文化の一端を象徴しているように感じました。たった1枚のジャンバーからでも、韓国の大学文化の一端を垣間見ることができました。
以上です。