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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2025年2月「病院のことあれこれ」金本小夜(19期生)[2025年03月08日(Sat)]
みなさんこんにちは。日本にいる母から最近3月なのに雪が降った、という写真を見て驚愕しておりましたが、皆様が住んでいる地域は大丈夫でしょうか?
イギリスは先週からずいぶんポカポカ晴れていて、花は咲くし、鳥やリスがあちこちに現れるし、外への誘惑を断ち切るのがなかなか辛い日が続いております…。
最近の指導教官とのミーティングではそれを見透かされたか、「お天気の誘惑に負けないようにね」と最後に釘を刺されました(笑)

2月は病院のあれこれがとても忙しかったので、今回はそれについて書こうかなと思います。

2月初旬の頃、実は歯の詰め物が取れまして。
仕方なく歯医者に行くことにしたんです。
前にも書いたかもしれませんが、イギリスはNHSという国民健康保険のようなものがあり、日本の健康保険よりやや高額ですが、その代わり診察代は無料、そして私などにとってはありがたいことに補聴器(と電池)も無料支給の対象です。
しかし例外があり、歯医者と眼科は私立病院ほどとはいかないものの、少しばかりお金を取られます。
少なくとも歯医者の場合、NHSのプライスバンドが1から3まであり、例えば一般的な歯科検診や、取れた歯の詰め物を詰め直したりみたいな小さな治療はバンド1の26.8ポンド、やや広範囲の歯の詰め物をする治療や、親知らずを抜いたりする、やや時間と手間のかかる治療はバンド2の73.5ポンド、ブリッジとかクラウンとか、入れ歯とか、やや大掛かりな治療はバンド3の319.1ポンド、と決まっていて、受診する時に自分のNHS番号を伝えてこの値段で治療してもらう仕組みです。
でもこのNHSの料金ってほぼ毎年変わる上に(値上がりする一方ですが)、歯医者さんはプライベートで訪れる人が多いせいもあってか、歯医者さん側がいまいち仕組みを理解していないこともあるようなのです…。
私がお願いしたのは取れた詰め物の詰め直し。バンド1か2だろう…と思って治療をしてもらった後、請求されたのはなんと101ポンド。あれ?と思って一瞬抗議するも、口頭での喧嘩は難しかったので、一度支払い、後から自分が住む地区のNHSのヘルスサービスセンターに連絡。
日本もそうですが、基本的に仕事の多いお役者は電話で話したがります…が、そこで聴覚障害者です、と強く言うことでメールで問い合わせに応じてくれました。値段とNHSの仕組みを説明してもらい、今一度病院に問い合わせて、NHSがこの値段はおかしいって言ってた!と連絡すると、なんと。バンド1との差額分が返金されました…。
イギリスの友達に話すと、「あー、そういうことあるよねー」というさして珍しくもなさそうな反応を返されたので、まぁまぁよくあることのよう。
とにかく根気強く、理詰めで、自分の権利を主張することの大事さを改めて感じたアクシデントでした。

そして2月はもう一つ、補聴器の電池の底がつきそうだったので病院からもらう必要がありました。
NHSのシステムでは、まずGP(General Practitioner)という自分の近所にある総合診療をしてくれるクリニックに行き、そこから必要な専門医へと紹介してもらうのが基本です。専門医は、補聴器関連だとAudiology、聴覚科になります。もし内耳炎などになった際にかかる耳鼻咽喉科は別にあります。
ところが私が今住むロンドンの地区では、GPが聴覚障害を扱わないとかで、いわゆる補聴器外来を扱うクリニックに行かなくてはいけなかったのです。この辺、もちろんイギリスNHSの公式 ホームページなどには書いていない地域限定の話…。引っ越してGPに行ってから初めて習うことです。
最初にGPに行った時にそこら辺の説明を理解していなかった私は、最近になってようやくシステムを理解し、補聴器外来を扱うクリニックに予約。1ヶ月待って、やっとクリニックに行って電池をもらうことができました!
そしてこれから3ヶ月半待って、大きな病院で聴力検査などをしてもらう予定です… 先の長い話…
(ちなみに緊急で病院にかからなくてはいけない時(盲腸とか、突然の高熱とか)には、緊急外来があります。ご安心ください。)
今回行ったクリニックは近隣のボランティアが補聴器のケアなどをしてくれていて、話好きなおばちゃんから電池が長持ちする裏技とか、どれくらいの頻度でチューブを変えるべきかとか、いろんなことが習えました。(しかし補聴器の修理をしながら聞いてるので半分は聞き逃しています… それを全く気にせず話し続けるおばちゃん… おばちゃんが一般的に話好きというのは世界共通のようです…)


今回の写真は私が気分を盛り上げに通っている近所の公園に咲くお花です。
ロンドンという大都会の街中でも、自然が豊かなのはイギリスのいいところだなと思います。
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Posted by 金本 at 20:33 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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