2024年8月「夏休み!」金本小夜(19期生)[2024年09月09日(Mon)]
更新が遅くなってしまいました!すみません!
もう九月になりましたね。日本もそろそろ暑さに陰りが見えてきた頃でしょうか。
イギリスはもうだいぶ寒い、と言ってもいいくらいで、今週は20℃を越す日が2日しかなく、シェアハウスも朝夜暖房がつくようになりました。町に出るとダウンのコートを着てる人もいて、もう冬支度を始めなくては、と頭の隅で考え始めています。
8月は、私個人は特に休む予定もなく、いつも通り読書と執筆のルーティンをこなしていたつもりでしたが、世間が夏休みだったので、日本から数人友達や知人が来たりして、いつもよりも外出の多い月となりました。
カンタベリーに行って大聖堂を巡礼したり(イギリス文学の父と言われるチョーサーの代表作は『カンタベリー物語』というのです)、ロンドン北東にある、日本でもお馴染みのウィリアム・モリスのギャラリーに行ったりして、イギリスらしいことをちょっとやりました(笑)
中でも楽しかったのはいくつか劇を見に行ったことで、シェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』、同じくシェイクスピアの『真夏の夜の夢』、そしてジブリの『千と千尋の神隠し』にも行きました!『千と千尋の神隠し』、全部日本人のキャストで、日本語での上演(英語字幕)だったのに場内がイギリス人で溢れかえっていてびっくりです。ジブリ、イギリスでも大人気ですね!
ですが私が今回ブログのメインとして特にご報告したいのは、グローブ座上演の『アントニーとクレオパトラ』の方です。これ、イギリスで現在活躍中のろうの舞台演出家(兼俳優)のCharlotte Arrowsmith という方が副演出家として名前が出ていたので気になっていたのですが、実際に舞台に行ってみると、なんとイギリス手話と口話英語のバイリンガルという演出だったのです。
物語はローマの軍人アントニーと、エジプトの女王クレオパトラの悲劇の恋物語なのですが、エジプト勢は全員手話を使い、ローマは全員口話という仕様。しかしエジプトに同情的なアントニーは口で話しながらもところどころ手話を織り交ぜたり、と面白い演出がなされていました。最終的に物語は戦争にもつれ込みますが、それも対話の失敗、口話と手話のコミュニケーションの失敗に終わったという解釈もできることを考えるととてもいい演出だったともいます。
舞台はところどころ完全に手話、または口話の場面がありましたが、全てのお客様に対応できるように三方向に字幕が設置され、その字幕も、喋る人によってフォントを変えたり、喋る人が舞台の上座、下座のどちらから登場するかで文字もその方向から現れたり、とろう者も聴者も楽しめるような色々な工夫がなされていました。
ろう者の間でも話題になっていた作品らしく、観客の中にも手話で会話している人たちもいたし、知人のろう者の家族もわざわざイギリスに観にくる予定だと聞きました。
デフシアターやデフアクターの存在は私も知っていましたが、バイリンガル劇に出会ったのは今回初めてです。日本でももうこういう試みはあるのでしょうか。
さて、次はもう10月。また色々ブログに書けるような経験を積めるよう、毎日の生活を頑張ろうと思います。
もう九月になりましたね。日本もそろそろ暑さに陰りが見えてきた頃でしょうか。
イギリスはもうだいぶ寒い、と言ってもいいくらいで、今週は20℃を越す日が2日しかなく、シェアハウスも朝夜暖房がつくようになりました。町に出るとダウンのコートを着てる人もいて、もう冬支度を始めなくては、と頭の隅で考え始めています。
8月は、私個人は特に休む予定もなく、いつも通り読書と執筆のルーティンをこなしていたつもりでしたが、世間が夏休みだったので、日本から数人友達や知人が来たりして、いつもよりも外出の多い月となりました。
カンタベリーに行って大聖堂を巡礼したり(イギリス文学の父と言われるチョーサーの代表作は『カンタベリー物語』というのです)、ロンドン北東にある、日本でもお馴染みのウィリアム・モリスのギャラリーに行ったりして、イギリスらしいことをちょっとやりました(笑)
中でも楽しかったのはいくつか劇を見に行ったことで、シェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』、同じくシェイクスピアの『真夏の夜の夢』、そしてジブリの『千と千尋の神隠し』にも行きました!『千と千尋の神隠し』、全部日本人のキャストで、日本語での上演(英語字幕)だったのに場内がイギリス人で溢れかえっていてびっくりです。ジブリ、イギリスでも大人気ですね!
ですが私が今回ブログのメインとして特にご報告したいのは、グローブ座上演の『アントニーとクレオパトラ』の方です。これ、イギリスで現在活躍中のろうの舞台演出家(兼俳優)のCharlotte Arrowsmith という方が副演出家として名前が出ていたので気になっていたのですが、実際に舞台に行ってみると、なんとイギリス手話と口話英語のバイリンガルという演出だったのです。
物語はローマの軍人アントニーと、エジプトの女王クレオパトラの悲劇の恋物語なのですが、エジプト勢は全員手話を使い、ローマは全員口話という仕様。しかしエジプトに同情的なアントニーは口で話しながらもところどころ手話を織り交ぜたり、と面白い演出がなされていました。最終的に物語は戦争にもつれ込みますが、それも対話の失敗、口話と手話のコミュニケーションの失敗に終わったという解釈もできることを考えるととてもいい演出だったともいます。
舞台はところどころ完全に手話、または口話の場面がありましたが、全てのお客様に対応できるように三方向に字幕が設置され、その字幕も、喋る人によってフォントを変えたり、喋る人が舞台の上座、下座のどちらから登場するかで文字もその方向から現れたり、とろう者も聴者も楽しめるような色々な工夫がなされていました。
ろう者の間でも話題になっていた作品らしく、観客の中にも手話で会話している人たちもいたし、知人のろう者の家族もわざわざイギリスに観にくる予定だと聞きました。
デフシアターやデフアクターの存在は私も知っていましたが、バイリンガル劇に出会ったのは今回初めてです。日本でももうこういう試みはあるのでしょうか。
さて、次はもう10月。また色々ブログに書けるような経験を積めるよう、毎日の生活を頑張ろうと思います。