• もっと見る
聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
« 2024年4月「2年目突入!」金本小夜(19期生) | Main | 鈴木18期生、田村18期生、大学院を修了 »
2006/4/28ブログ開設時からのアクセス数
UL5キャッシング
最新記事
カテゴリアーカイブ
リンク集
最新コメント
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index2_0.xml
2024年4月「学生プロジェクト」鈴木美彩(18期生) 生活記録[2024年05月08日(Wed)]
2024年4月 第18期生 鈴木美彩 生活記録
-学生プロジェクト-



 去年の4月から指導した学生主体のプロジェクトが1年の節目を迎えました。この取り組みはDeanna Gagne 先生が認知科学学会のある助成金に応募してみないかという学生への声かけから始まった企画です。認知科学は脳を研究する学問で、脳科学や心理学、そして我らが言語学もこの領域に含まれます。この助成金は認知科学の啓発を応援するもので、学生主体のプロジェクト向けの募集でした。言語学や教育、脳科学などさまざまな学生がGagne先生のもとに集まり、認知科学の啓発を推進するためにどのような企画が役立つか、自分たちはどうしたいかを話し合い、助成金に応募しました。
 
 私は同期の誘いでなんとなく説明の場に参加したのですが、そこで共同リーダーとしてチームを引っ張っていく立場になりました。当時、言語学を学ぶだけでなく実際の活動に応用していくこともやってみたいと考えていたので願ってもないチャンスでした。ボニーは同じ学年の言語学部の学生で、一番親しいクラスメイトでもあったので、それが後押しして「やります!」と言えたことを今でも覚えています。1年間本当にあっという間で、私たちの未熟な企画も会議を重ねるごとに現実味を帯びて、先日ついに実現できました。
私たちの目標は小学生から高校生くらいまでのろう難聴児を対象に認知科学の啓発を行い、科学者は誰にでもなれると知ってもらうことです。このプロジェクトを通して知ったのですが、現在子ども達のSTEM離れ、つまり理系の分野への興味の低下が顕著になっているという研究がいくつかあります。言語の壁があるろう難聴児にとってはより障壁があるということです。手話による認知科学の教材は少ないし、教育の場でも情報アクセスの面で数多くの課題が残っています。手話で学ぶろう難聴児は必然的に英語とASLのバイリンガル児になるので、彼らの脳は一般的な聴者の子供が英語で学ぶのとは違ってより活動的に働いています。それにもかかわらず、脳を研究する認知科学の分野に手が届きくいという皮肉な現実があります。だから、この助成金を使って認知科学の分野に興味を持ってもらおうと決めました。
 
 具体的には、ギャロデット大学を中心に近くのろう学校に訪問して認知科学に触れてもらうことと、啓発のために教育ビデオを作成することを目標としました。5月2日、実際にメリーランドろう学校コロンビアキャンパスに訪れて、一つのレッスンプランを行うことができました。子供達はとても興味津々で私たちの企画に参加してくれました。実際に子供達の輝く目を前に私はなんとも言えない達成感を覚えました。その余韻をそのままビデオ作成へのエネルギーにして、5月はずっと撮影に集中しています。このビデオも完成が目に見えてきてワクワクしています。卒業式は2日後で、これまでの2年間を想う気持ちもあるのですが、やはり今後のさらなる活動の可能性にはやる気持ちを抑えられずにいます。近々、ホームページも公開予定なので乞うご期待ください。
Posted by 鈴木 at 13:55 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
この記事のURL
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/1473