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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2024年4月「2年目突入!」金本小夜(19期生)[2024年05月08日(Wed)]
こんにちは。
5月に入りましたね。イギリスはまだ4月の末までは雹は降るし最低気温は5℃だし、ヒーターはガンガンつけっぱなし、春とは思えない寒さが続いていましたが、5月に入ってようやく最高気温も15℃を越すようになり、コートを手放すことができました!

先月個人的に一番大きかった出来事は、リーズ大学に障害文学の第一人者であるローズマリー・ガーランド・トムソンが来て、講演をされたことでした。
障害文学という分野はまだ日が浅く、2000年頃からようやく認識され始めた学問なのですが、彼女の代表作『Extraordinary bodies』 は1997年に出版されており、トムソンはいわばこの分野の走りのような存在なのです。この本を完全に理解した!と言えるほどにはまだ読み込めていませんが、彼女の後に出てきたデイヴィッド・ミッチェルとシャロン・スナイダー(障害は物語を輔弼するのに使われる傾向にある、というNarrative Prosthesisという理論で知られている研究者)、レナード・デイヴィス(障害の定義は「普通」(Normal)の定義によって左右されることを説明した『Enforcing Normalcy』という本の著者)などの研究者の著書に出てくる障害文学の理論はトムソンの本で大抵基本的な輪郭がすでに描かれており、そんな人の講演を聞けるのはとても貴重な体験でした。
会場は終始フランクな雰囲気で、「近年のクリップという言葉についてはどう思うか」、「文学における障害理論は今後どのように発展すると思うか」などといった質問が後から後から出て、時間が足りないほどでした!

それから先月はケンブリッジ大学で児童文学と障害というテーマの学会が開かれていました。私は発表こそしなかったものの、二日間可能な限りの発表を視聴しました。みんな色々な切り口から発表していて、とても興味深かったです。面白いなと思ったのは、障害文学と一口にいっても、必ずしも社会学における障害学とは同義ではなく、理論を使う必要もないため、障害が文学作品の中でどのような役割を担っているかといった文学的な読みから、障害を持つ児童のためにはどのような児童書が理想的かといった大変プラクティカルな内容のもの、そしてもちろん障害学の理論を多用したものなど、発表の幅がずいぶん広く、自分の研究を今後どの方向に進めるかを考える上でもずいぶん参考になりました。

あと実は先週、前の投稿でも書いたTransferの口頭試問がありました(ちなみにイギリス英語ではvivaって言います)。私、面談とか面接とかいうものが全部苦手で、聞き漏らした(厳密には字幕を追ってるので読み逃した)部分もいくつかあり、結構なパニック状態でが、何とかなりました。ドキュメントの再提出はくらってしまいましたが!

先月は色々学ぶことの多い月でした。
気がつけばイギリスに来て一年が過ぎたのだな、と今ブログを書きながらしみじみしていました。
今月もまた頑張ります!
Posted by 金本 at 01:07 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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