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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2023年2月生活記録【第18期生 田村誠志】[2024年03月06日(Wed)]
皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
学業や研究活動をしながら2月を迎えつつ、忙しい日々がまだまだ続いています。卒業までゆったりとしたペースで行こうと思っていましたが...。
2月の活動では、ビジネス部門とともに新しい研究プロジェクトを立ち上げ、プロジェクトリーダー担当しております。研究内容はより学術的なビジネス英単語によるASLの辞書作成であり、ギャロデット大学のビジネス学部で使われている専門用語のASL、実際にASLニュースで使われている専門用語、一線で活躍されている聾者の個人営業、ビジネス用語の知識を有している手話通訳者にご協力いただいております。
なぜこのプロジェクトを立ち上げたのかと言いますと、現在ギャロデット大学はろう児、ろう学生のための手話言語による教育発展向上のためのプロジェクトが多く取り上げられています。その中でも重要なのは教育者や手話通訳者と、学生たちの手話言語によるコミュニケーションです。
実際、とても複雑な専門知識(数学や医学、工学や化学、言語学や英文法)の単語や説明ではそのまま指文字やテキストブック、文章などで説明することが顕著に見られます。数学の積分や微分、三次関数、極値などの説明を文章で読んでも内容が分からず、概念がなかなか理解しにくいでしょう。ですから教育者たちはろう学生たちに、難解な説明や概念を視覚言語による象徴的な説明をするようにしています。その過程で聾者の学生は新たな知識と概念が育むにつれて、専門知識による象徴的な概念が生まれ、彼らのコミュニケーションの中で新たな手話言語が創造されることがあります。この瞬間がろうコミュニティの中で生まれる新たな言語発達の兆しの一瞬として私は感動しますね。

しかし、ろうコミュニティにおける学術的な専門知識の範囲においてまだ十分に行き届いていません。その例としてギャロデット大学のビジネス部門では、ASLのビジネス専門用語による手話単語動画も存在していますが、辞書としては情報が不十分であるためさらなる教育発展のために、前学期のフィールドメソッドで培った経験をもとにビジネス用語の100単語によるデータコレクション作業から手話言語音韻論分析まで取り組み、論文作成まで目指しています。

長くなりましたが、これが新しいプロジェクトの一つになります。現在抱えているプロジェクトは合計で6つぐらいですね...。その上クラスも3つありますので宿題や中間試験も同時並行しつつこなしていますが、体調管理はできるだけ気をつけるように頑張ります。

写真はBusiness ASL Dictionaryのプロジェクトリーダーに就任された時の写真です。
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Posted by 田村 at 01:14 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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