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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2007年11月 生活記録(第2期生 高山 亨太)[2007年12月14日(Fri)]
始めに
 11月は、多くの各種レポートや最終レポートがあり、とてもゆっくり自分の時間を楽しむような暇はなかった。インターンシップでも、4つのケースを任されるようになり、一段と忙しかった。忙しさがピークを迎えた頃に、Thanksgivingというアメリカでも重要な祝日があり、多くの大学や教育機関は1週間ほど休みに入る。去年の11月は、ボストンに出かけるなど、余裕があったが、今年はそうはいかずにワシントンD.Cに残って、最終レポートをこなしながら、有意義な休みを過ごした。

最終レポート
 ほとんどのクラスで、最終レポートとそのプレゼンテーションが課せられ、資料検索のために図書館に通ったり、英文のチェックを受けるためにチューターセンター(学習補助)に通ったりする日々であり、生半可な物ではなかったが、Thanksgivingの休みを有意義に過ごしたりして、なんとか最終レポートとプレゼンテーションをこなすことができた。

インターンシップ
 11月に入る頃から、4つの家族のケースを担当するようになった。4つのケースはデフファミリーのケースか、両親が聴者ではあるが、ろうの子どもを抱えているケースのどちらかであった。なお、2つのケースは、虐待などの事由で裁判所が介入している。また裁判所が介入していない残りの2つのケースは、依然としてHigh-risk(危険が高い)の状況となっており、継続的な支援が必要な状況となっている。Gallaudet UniversityのMSWを卒業した手話のできるソーシャルワーカーによる指導の下、様々な聴覚障害専門メンタルヘルスサービス機関や、その他のサービス機関に連絡したり、Client(利用者)とともに訪問したりするなどのアメリカでの専門的なソーシャルワークの流れや方法論を学ぶことができるなど貴重な経験をした。また実際の実践を通じて、9月10月を通じて行われた、トレーニングプログラムの重要性が身をもってわかるようになった。特に虐待の疑いのある初対面のClientにアメリカやワシントンD.Cの虐待・保護放棄防止に関する法律や条例を説明する時には、基本的な知識やトレーニングを積んでいないと説明が難しい。他に聴覚障害専門のメンタルヘルスサービス機関を訪問し、聴覚障害専門のメンタルヘルスサービスについて説明を受けたり、会議を持ったりすることで、聴覚障害専門のメンタルヘルスサービスの重要性を肌に直に触れることができた。このインターンシッで、もっとも大変だったことは、裁判所の判定に関わっているため、両者の状況などをまとめた観察レポートを自己責任の下(最後にサインもする)にて提出しなければならず、自分で下書きを書き、指導者にチェックしてもらいながらレポートを裁判所が定めた期限までに提出しなければならないことであった。また裁判所に手話通訳を同伴しながら参加できたことも大きな経験となっている。なお、担当したケースの1つをクラスの最終レポートとプレゼンテーションで発表する必要があったが、Clientと指導者の了承を得て、家族状況、サービス歴、現在の問題などをまとめ、最後にソーシャルワークのTheory(理論)を応用し、現在の課題や状況を分析し、さらに課題などをまとめる作業を通じて、さらにClientの状況や強みを知ることができた。インターンシップでは、特に精神障害を抱えるろうのClientの支援に強い興味を持って取り組んできたので、次学期でも引き続き、多くのことを学んで行けたらと思っている。

Thanksgiving
 1週間ほどの休みは、ほとんど宿題で追われてしまい、遠くまで出かけることはなかったが、友人と過ごしたり、Gallaudet Universityの職員の家で開催されたホームパーティーに出かけたりと有意義に過ごすことができた。
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