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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2023年2月生活記録【第18期生 田村誠志】[2023年03月08日(Wed)]
皆様、おはようございます、こんにちわ、こんばんわ。

2月になりました。まだ肌寒い日々が続き空気が乾燥して風邪など引きやすい季節になってきたかもしれません。こちらの冬は仙台と同じぐらいの寒さだと聞いた事がありますが本当はどうなんでしょうかね。

2月に入り、春学期のクラスの難しさも忙しさも増えてきました。たくさんの予習、復習、宿題、ボランティア活動などたくさんのToDoリストが埋め尽くされてしまっています。それでもちゃんと時間をコントロールして頑張っていきます。
今回の記事で少し軽く紹介しようと思っているのはGenerative Linguistics IIです。秋学期では英語と一部だけの外国の言語をX-bar Treeという生成言語の解析の基礎練習をたくさんしました。なのでこの春学期はより応用されたコンセプトを使い、様々な自然な手話言語の文法をX-bar Treeをベースに解析を行います。まずすべての話言語は一貫している文法の基本的な語順が存在しています。日本語だとSOV(私は学校へ行く)、英語だとSVO(I go to the school)となりますね。
しかし手話言語では、どのような文法語順で構造されているのでしょうか。ASLで考えてみましょう。I GO SCHOOL (SVO)/GO SCHOOL I (VOS)/SCHOOL I GO (OSV)/I SCHOOL GO (SOV)
このようにたくさんの語順が存在します。これらをX-barによるTree生成が出来るのです。一見Tree生成言語はシンプルなように見えるかもしれませんが、すべての言語に適用できる汎用さを考慮すると、かなりの複雑な定義や論理的思考が必要になってきます。この手話言語によるX-bar Treeの定義の考案はかなり長い歴史があり、その中でも日本人の言語学者である松岡和美さまも手話言語について研究なさっておりました。私たちは彼女のメソッドも取り入れて様々な国の手話言語によるX-bar Tree生成文法の練習を行なっております。

ちょっとした生活の変化でございますが、前大学で理学士号を取得した経験もあり2月から学部生の統計学としての家庭教師のお仕事も始めました。統計学などの専門的な用語の英単語は初めて見るものばかりなので新鮮ですが、正直日本語よりも英語の方がよりシンプルに理解しやすいんではないかと思っています。ここではたくさんの文化も混じっているため外国の文化のイベントもたくさん行われています。これも留学のいい経験ですね。二月は主なアジアの国が祝う旧正月のイベントが多く私と同じく同期の18期生の鈴木さんと一緒に、GWADA(Greater Washington Asian Deaf Association )とギャローデットのAPIA(Asian Pacific Islander Association at Gallaudet University)の共催である旧正月を祝いました。どちらもDEAFコミュニティであり、主にアジア人が多く、アジア文化を学びたい人たちも参加しています。こうした聾者の集まりがあるのはとてもいいですね。約二百人も参加されて、チケットも完売になったほどだそうです。ラッキーでした...。

これから春になりつつあり、三月も中間試験が近づいています。私の場合は中間試験は一つだけですがそれでもとても難しいクラスなので頑張って乗り越えていきたいと思います。本当に病気になりやすい季節ですので皆さんもお気をつけてください。

とてもすごい迫力の獅子舞でした。
IMG_2377.jpg

みんなで集合写真!
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Posted by 田村 at 05:29 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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