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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2022年8月生活記録【第18期生 田村誠志】[2022年09月03日(Sat)]
皆様、おはようございます。
8/24にて言語学M.A.のオリエンテーションを終え、次の週から本格的にクラスが始まりました。
現在9/4にて全てのクラスを一通り受け週末を過ごしております。

今回の記事は、大学院生活に入る前にどのような準備をしたのかをここに記してみようと思います。

実は私はギャロデット大学には一年前から在籍しておりEnglish Language Institute(ELT)プログラムを受けたのです。ELIとは英語、アメリカ手話を中心的に学ぶための教育機関でありたくさんの国際留学生などが在籍しておられ、自分も国際留学生として入学しました。

なぜELIに入学したのか?

私はこれまで日本国内で英語の学習をしていてもアメリカ手話を学ぶ環境がないに等しい場に居たため、アメリカ手話の知識はほぼ皆無でした。そのためアメリカ手話とより英語の力を向上するために入学しました。その時のコロナの状況は以前よりは改善されており、マスクをしながら対面授業をする事が可能であったため学ぶ環境としては少し良かったと思います。

ELIの授業では3つのクラスがあり、英語とアメリカ手話のクラス、そしてCross Cultural Comunication(CCC)に分かれており午前は英語を午後はアメリカ手話、CCCを学ぶスケジュールになっております。
英語のクラスを受ける前にPlacement testというものがあり自分の英語の力を測り、どのレベルのクラスに在籍するのかを決めることになっています。レベルは1~6まであり高いほど難しくなっていくのですがLevel6になるとそのクラスの小テスト、中間試験、期末試験はもちろん、ACT(Level6のみ)の試験を受けることになっています。それらが全て終わると成績の総合評価を照らし合わせ卒業できるかどうかということになっています。
アメリカ手話も同様にLevel1とLevel2のクラスに分かれており、私はBeginnerのLevel1に在籍することになりました。そこから基本的なアメリカ手話を学び宿題をビデオ動画撮影で提出するというものです。

CCCのクラスはELIの新入生が全てLevel関係なくそれぞれの文化を教えあったり、プレゼンテーションを行なったりするとても楽しい内容でした。国際留学生ならではの強みと言ってもいいでしょう。

私はPlacement testの結果、レベル6に配属され1学期 (1semester)…8月から5月まで約半年間でELIを卒業する事ができました。私の予想では1年間在籍すると思ってたんですが….
ELIを卒業後、私は残りの期間どうしようかと考えたところギャローデット大学でまだ学ぶ事がたくさんあると判断し、もう1semesterはInternational Special Student Program (ISSP)として在籍し、学部生と同じクラスを受けることにしました。

ISSPはELIと違いアメリカ手話を流暢に使い講義を行なっているため、半年ばかりで学んだ基本的なアメリカ手話の知識で苦戦していました…(苦笑)。課題の提出システムや教材の注文、ギャロデット大学のオンラインシステム、BlackBoardアプリを駆使して授業を取り組む、先生たちのアメリカ手話による各クラスの授業、どれもこれも大学院と共通していることなので基礎知識を今のうちに慣らしておいて良かったと思います。ちょうど言語学の基本知識のクラスも受講できたので、大学院に入る前に復習とそれぞれの専門用語のアメリカ手話を覚えることにも役立ちました。テストや宿題はそれぞれのクラスごとに異なりますが、このようなやり方で進めるのかなと経験を学ぶことも良かったと思います。2022年の春学期は5月に終わり、ギャロデット大学の卒業式を見た後日本に一時帰国し7月に再び渡米して大学院に入るための手続きや準備をさっさと終わらせて、夏休みの期間中、友人たちと楽しい時を過ごせました。

住んでいる場所について

当初、ELIに入学したときは大学の寮に住むことになり、たくさんの学生たちと身近に交流する事が簡単でとても楽しかったのですが、冬休みになると寮が完全閉鎖されるため、他の住む場所は日本しかないので毎回一時帰国するのも大変だと思い、off-campusでルームシェア生活をすることに決めました。12月の1semester終わりの3日前に引っ越しを完了してISSPの生活はその家で生活をしていましたが、もっといい環境で過ごせるお話をいただき今年の8月にVirginia州に引っ越すことにしました。VirginiaのBallston駅の近くに住んでいるのですが、大きなショッピングセンターから市民プール、公園の中にサイクリングロード、演劇のステージ、アスレチック、アジア料理のレストランの集合街、アイススケート場など楽しそうなところがあるので引っ越しできたのはラッキーだと思います。

大学院のクラスが始まって

大学院のオリエンテーションでは2年間を通してどのクラスを受講するのか分かりやすく説明してくれました。この1semesterでは
・Generative Grammar
・Cognitive Grammar
・Phonology
を受講することになっています。
Generative Grammarはノームチョムスキーという偉大な言語学者が考案した文法理論であり、一連の文法のルールをどのように解明するか研究を行っています。例えば英語では”I have a glass of water”(私はコップ一杯の水を飲む)の文では必ず「主語」+「動詞」+「名詞」とさらに品詞を明確に区分けして文法のルールを追求することを目的としています。
Cognitive Grammarは人々が見ている景色や現象を捉え、状況を文的に表現するのですが様々な捉え方が異なるため表現も大きく異なります。これは知覚経験や心理経験、概念の捉え方によって大きく変化をもたらします。この現象を明確に理解することを目的としています。
Phonologyは日本語で訳すと音韻論であり、音のイメージを想像してしまいますがアメリカ手話もこの分野に触れることができます。手話言語も言語の一部なので。アメリカ手話では音韻論は五つのカテゴリーに分けられておりHand shape/Movement/Location/Palm Orientation/Non Manual Signalsがあります。それらの一つが欠けてしまうとアメリカ手話としての言語は意味を成さないことになってしまうのです。この基本知識を知った上でHockett’s designeのセオリーを理解して離散性言語と生産性言語の定義を学ぶ事が目的となっております。

写真は2021年の8月に大学の寮(Carlin dorm)に入居した時の写真です。
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Posted by 田村 at 22:05 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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