2021年3月生活記録【第16期生 大西啓人】[2021年04月08日(Thu)]
手話動画は多忙のため、準備ができ次第、掲載します。
皆さんこんにちは。
今、コロナについて日本で第四波が来ているなどとニュースになっていますね。アメリカも感染者数は減ることなく、増え続けています。
実は私、4月2日にギャロデット大学の尽力のおかげでワクチン接種を受けることができました!これで少しは感染するリスクが減るといいですね…
アメリカではワクチン接種(2回接種する必要あり)を受けた場合、受けた者同士でマスクなどの予防対策なしに会うことをCDC(疾病管理予防センター)では認めると公表されましたがまだまだ心配です。まだ予防接種を受けていない方もいるので、常にマスク、消毒などの予防対策は継続するべきだと思っています。アメリカも日本もコロナウイルスによる影響が減ることを祈っています。
さて、今回は前回紹介した春学期の授業「様々な学習者のための家庭と学校、コミュニティの共同」で「学校と家庭における宿題の重要性」について授業を進める(ファシリテーション)という役割であるファシリテーターを経験したのでブログに書き留めていきたいと思います。
一般的な宿題といえば穴埋めプリント、漢字/計算ドリル、文法プリント、日記などがありますが、私も学生の時、上記のような宿題をやってきましたが、正直「楽しかった!」と感じたことはあまりありません。
なぜ楽しく感じないのか、宿題を最大限活かすためにはどうするべきか、様々な学習者が等しく効果をあげられる宿題とは何か、などクラス内で話し合いました。
ファシリテーターとして私は、以下のテーマを基に話し合いの場を設けました。
「宿題を課すことの意味を正しく理解させ、宿題を家族との会話にどのようにつなげるか?学ぶことができる機会を教師はどのようにひきだすか?放任主義、虐待など家族が宿題に対し非協力的、または父子、母子家庭のため仕事や家事に追われ協力することが難しい場合、教師や学校ができる対応は?」
【実際に使用したPPTページ】
グループに分け、20分間議論を重ね、様々な意見やそれぞれ学生の経験談など聞きました。その中で特に「学校のために学ぶこと、自分のために学ぶことがあり、それぞれ宿題の形が変わってくる。学校で学んだこと、内容理解ができているか確認するためなら、学校内でもできる」や「家族との時間は貴重な時間であり、家族とのコミュニケーションを活かせる宿題が望ましい」といった意見がありました。
また多国籍社会であるアメリカでは、家族が英語堪能者ではない場合、学校から出される宿題は英語なので、児童生徒の力になってあげることが難しいといった例もあるそうです。この場合は学校と家庭をきちんとつなぎ、連携がとれる相互関係を築くには家族がもつ言語にも考慮するべきとも言及していました。文化的尊重はもちろん、言語的尊重も必要であることを学べました。
アメリカのある学校が行った面白い宿題の例をあげます。
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語彙を学習するために従来使われてきたプリント形式(穴埋め、漢字や計算などの反復練習など)ではなく、「リンク言語」という方法で行う。
リンク言語とは何か?
出された語彙に対し、児童生徒がインターネットで調べ、学んだ様々な情報をまとめていく宿題であるが、
ある先生は調べた内容をまとめるだけではなく、写真を使用して、調べた内容に対して児童生徒の事前知識を活性化しながら家族の経験や知識を児童生徒に話し、多角的に物事を捉えることを目的とした学習方法で家族からの視点も取り入れられるようにした。
これによって児童生徒は家族と文化的かつ言語的つながりができ、新たな発見や別のトピックなどの新しい領域コンテンツへの構築や、より高度な言語を使いこなす術を身につけることができる。
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従来行われてきた宿題はどれもそれによりもたらされる効果に一定の成果があり、学習目的を果たすものであると推測されます。例えば社会において理不尽なことや大変なことが多くある中でどう解決するかどう対策していくかといったスキルを身につけるため、学校で学んだことを改めて復習することで頭への定着を図るため、カリキュラムに沿って期待される学習レベルに到達するための時間確保のためなど様々な目的があります。
このように従来の宿題には多くのメリットがあり効果が期待されますが、私は宿題の大前提として、“どれだけ楽しく学べるか”が重要だと思います。宿題だけではなく、学習においてもモチベーションの維持を保つには、「楽しさ(学習欲)」と「興味(知識欲)」です。
児童生徒によく見られるケースとしてモチベーションが低下しているからか、宿題を“早く終わらせる”ことに必死だったり、わかる問題でも適当に書いていたりしていませんか。
話し合いの経験や上記を踏まえて私の意見は、宿題とは学校と家庭をつなぐツールであり、家族と教師をつなぐこともできると思うのです。また家庭内でのコミュニケーションは非常に重要なので、より多く会話するためのきっかけとして“宿題”を利用することは教育方法として効果的なのではと思いました。実際に私自身も家族から学んだことは数え切れないほどあり、家族の経験や知識を聞くだけではなく、自分の経験を家族に話し、そこから意見を聞くことで知見を広げることもできました。こうした家族との会話は児童生徒の成長に必要不可欠で、学習促進できるような宿題に必要なことは「楽しさ」だと思います。家庭内の様々な会話が楽しい宿題となるなら、その効果はより大きなものとなるでしょう。宿題をきっかけに家族とのコミュニケーションを増やしていくことで家庭内においても更なる学びへつなげることが可能となるからです。
ただ、家族の負担やニーズもありますので、そこも考慮しなくてはなりません。
こうした議論のおかげで教師としてできることは何か改めて考え直すことができ、非常に良い機会でした。
最後にASLを用いてファシリテーターとして授業を進めるのは初体験であり、貴重な経験でした。ASLで言いたいことがうまく伝わりきれずもどかしさがありましたが、議論を重ねて私だけではなく、他学生にとっても有意義な時間を送ることができてよかったです。
大西
【参考】
CDCのワクチン接種者へのガイドライン
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/fully-vaccinated.html
Rivera, C. (2020). Book Review: Affirming Disability: Strengths-Based Portraits of Culturally Diverse Families by Sauer, J. S., & Rossetti, Z. Research and Practice for Persons with Severe Disabilities, 45(4), 291–293. https://doi.org/10.1177/1540796920960685




