CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
« 2020年12月生活記録【第16期生 皆川愛】 | Main | 透明マスクのお礼 »
2006/4/28ブログ開設時からのアクセス数
UL5キャッシング
最新記事
カテゴリアーカイブ
リンク集
最新コメント
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index2_0.xml
2020年12月生活記録【第16期生 大西啓人】[2021年01月08日(Fri)]
2020年12月生活記録


※手話内容はブログ記事と同様です。
※日本語字幕はついていません。

山場だった秋学期の最終試験を無事終えて、今は1ヶ月の冬期休暇を満喫しています。コロナのこともあり、満足に旅行など外出はできないので、映画鑑賞をしたり友達とZoomで話し合ったりなどをして、過ごしています。クリスマスには他学部の教授や友人、学生の友達などが家に集まりホームパーティー。他にも年末では同居している2人と一緒に2020年を振り返る良い時間となりました。年末年始を家族以外、また日本以外で過ごすのはこれが初めてなので不思議な感覚でした。

さて今月は「英語教育」について少し考えたいと思います。この冬季休暇にろう児童生徒はどのように英語を学ぶのか英語に対して苦手意識を持たないようにするにはどうするべきか、など考える機会がありました。
まずに自分が学生時代にどのように学習したのかについて、述べておきます。

・発音をカタカナで書き、スペルや意味を覚える
・単語は繰り返し書くことで増やす
・文法やニュアンスは日本語や日本語対応手話で理解する。

私はこうして英語を学習しましたが、日本語が苦手な児童生徒は英語を理解するのに時間がかかるでしょう。ろう児童生徒にとって自然言語である“日本手話”が必要だと、様々な論文を通して改めて強く感じました。今の日本には日本手話で英語を学習できる環境が必要なのです。私の意見は以下のようになります。

英語語彙はASL指文字(Fingerspelling)から学ぶ

Photo Jan 06, 18 24 08.jpg
聴者は英語を声で話し、自分から発した声を自分で聞くことで脳への定着を図ることができます。ろう児童生徒は声を聞くことができず脳への定着ができません。多く見られるのは英単語を繰り返し書くことです。そこで私はろう児童生徒に必要なのはASL指文字だと考えます。自分の表した指文字を目で見ることによって、英単語を視覚的に脳に定着することができます。最初に指文字の形や動きを覚え、指文字から書記英語にします。こうした過程はアメリカのろう教育で一般的です。


文法やニュアンスは日本手話で理解する

Photo Jan 07, 16 27 10.jpg
文法やニュアンスなど複雑な内容を日本語で理解するにはろう児童生徒にとって難しく、日本手話で理解することに大きな意義があると考えます。例えば現在進行形なら「~中」と表現したり、ニュアンスの違いを非手指標識(Non-Manual Signal)で使い分けたりなどで視覚的に分かりやすく説明します。また日本語力の違いによって英語の理解が左右されることに違和感を覚えます。すべてのろう児童生徒が理解できる日本手話で英語を学習することで、日本語による理解困難を防ぐことができます。

簡単なASLを学ぶ時間を設ける

Photo Jan 06, 18 30 39.jpg
ASLを学び、用いることは話すこと、聞くことを通して異文化理解や言語活動に関心を持ち、学習への動機付けができることに意味をもちます。自己紹介や簡単な会話文をASLを用いてコミュニケーションすることで外国語に慣れ親しみ、学習意欲の向上に効果的だと思います。またALT(外国語指導助手)をろう者またはASLを用いることができる人を招いて、担当教師が介することなく直接会話できる経験もろう児童生徒の学習に必要です。私の経験では、ALTが英語を話し、担当教師による通訳(英語→日本語)でコミュニケーションをしました。しかしこれは本当に異文化理解や言語活動を学べるのでしょうか?



ろう児童生徒も英語を楽しく学習し、正しく理解して欲しいのです。日本での一般的な英語教育はろう児童生徒に適するものではなく、ろう者に適した学びが必要だと学びました。ろう児童生徒は視覚的に理解する能力が優れているのでそれを活用するべきだとも感じました。ただ適した教育を提供するには教師が正しくろう文化や手話を理解し高度な手話表現やASLを使いこなす技術が必要なため、簡単ではありません。私はろう児童生徒のための英語学習ができる環境作りを日本で実現できるように多くのことを学びたいです。


16期生 大西
Posted by 大西 at 00:32 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
この記事のURL
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/1306