
2020年8月生活記録【第16期生 皆川愛】[2020年09月08日(Tue)]
在住のワシントンDCでは、風が心地よく、秋の訪れを感じさせます。
今月はデフエコシステム “Deaf ecosystem”についてです。
9月4日にモッゼリア “MOZZERIA”の第二店舗がワシントンDC、
ギャロデット大学から徒歩10分ほどの場所にオープンしました。
全てのスタッフはアメリカ手話に堪能なろう者によって構成されています。
店内の様子はこちら(現在はオンラインでの事前オーダー制によるテイクアウトのみとなっています)
MOZZERIA店舗の様子
なお、これまではカリフォルニア州のサンフランシスコにのみ店舗を構えており、
先日ろうコミュニケーション “Communication for the Deaf(CSD)”という会社の助成もあって、第二店舗が設立されました。
これまでろうコミュニティには発掘されていない様々な優秀な人材や資源があります。
しかし、聴者マジョリティ社会ではアクセシビリティや雇用主のろうに対する姿勢や理解不足によってなかなか就労を継続できなかったり、
ろう者が起業しようにも、サポートが得られずに継続を断念したりするケースがたくさんありました。
そこで、メリーランド州政策ろう・難聴部門の取締役がデフエコシステム "Deaf ecosystem"を提唱しました。
(The Malyland governor's office of the deaf and hard of hearing, 2017)
モッゼリアの第二店舗の開業のためにろう者が運営するCSDが助成したように、
新規企業における助成をろうコミュニティの中で既にある資源が支援し合う仕組みを「デフエコシステム」といいます。
こうした持続可能な起業環境によって、安定した企業経営が確保され、ろう者の雇用を保障にもつながります。
さらに、ろう主導ビジネスがお互いの商品やアイデアを購買し、経営持続に貢献するシステムも見られます。
例えば、モッゼリアのパッケージのロゴは、デフアーティストのデビッド氏 “David Call”によって作成されたものです。
手話スタバでも店内の壁アートはデフアーティスのものを採用しておりました。
ろうのビール醸造所のバーの看板も同様にデフアーティストによるものです。
そして、これは経済的基盤を形成するだけでなく、ろう者によるサービス提供によって、
顧客も新たなコミュニケーション方法や文化を学び、
ろう者への理解を深めるという社会的影響力の増強にも繋がります。
例えば、手話スタバでは、商品が用意できると、電子掲示板に注文時のお名前が表示されます(写真は個人情報の観点からお名前をぼかしています)。
ろう者の雇用や、ろう者の視点のシステム構築のメリットに社会全体が気づくことで、
ほかの場面でもろう者の雇用を促進するという相乗効果が期待できます。
このように、経済的基盤、社会的基盤どちらにも相乗効果が期待できるというものです。
以下では、ワシントンDC付近にあるろう主導のビジネスを紹介します。
・MOZZERIA:ナポリピザのお店(サンフランシスコとワシントンDC)
https://mozzeria.com/
・Streetcar 82 Brewing:ビール醸造所とバー(メリーランド)
https://www.streetcar82brewing.com/
・Star Buck Signing Store:米国初の手話スタバ(ワシントンDC)
https://www.starbucks.com/store-locator/store/1009470/6th-h-625-h-street-washington-dc-200025094-us
パンデミック下で海外旅行はまだ厳しい情勢が続いておりますが、ワシントンDCを訪れる際の参考にしていただければと思います
今月はデフエコシステム “Deaf ecosystem”についてです。
9月4日にモッゼリア “MOZZERIA”の第二店舗がワシントンDC、
ギャロデット大学から徒歩10分ほどの場所にオープンしました。
全てのスタッフはアメリカ手話に堪能なろう者によって構成されています。
店内の様子はこちら(現在はオンラインでの事前オーダー制によるテイクアウトのみとなっています)

なお、これまではカリフォルニア州のサンフランシスコにのみ店舗を構えており、
先日ろうコミュニケーション “Communication for the Deaf(CSD)”という会社の助成もあって、第二店舗が設立されました。
これまでろうコミュニティには発掘されていない様々な優秀な人材や資源があります。
しかし、聴者マジョリティ社会ではアクセシビリティや雇用主のろうに対する姿勢や理解不足によってなかなか就労を継続できなかったり、
ろう者が起業しようにも、サポートが得られずに継続を断念したりするケースがたくさんありました。
そこで、メリーランド州政策ろう・難聴部門の取締役がデフエコシステム "Deaf ecosystem"を提唱しました。
(The Malyland governor's office of the deaf and hard of hearing, 2017)
モッゼリアの第二店舗の開業のためにろう者が運営するCSDが助成したように、
新規企業における助成をろうコミュニティの中で既にある資源が支援し合う仕組みを「デフエコシステム」といいます。
こうした持続可能な起業環境によって、安定した企業経営が確保され、ろう者の雇用を保障にもつながります。
さらに、ろう主導ビジネスがお互いの商品やアイデアを購買し、経営持続に貢献するシステムも見られます。
例えば、モッゼリアのパッケージのロゴは、デフアーティストのデビッド氏 “David Call”によって作成されたものです。
手話スタバでも店内の壁アートはデフアーティスのものを採用しておりました。
ろうのビール醸造所のバーの看板も同様にデフアーティストによるものです。
そして、これは経済的基盤を形成するだけでなく、ろう者によるサービス提供によって、
顧客も新たなコミュニケーション方法や文化を学び、
ろう者への理解を深めるという社会的影響力の増強にも繋がります。
例えば、手話スタバでは、商品が用意できると、電子掲示板に注文時のお名前が表示されます(写真は個人情報の観点からお名前をぼかしています)。
ろう者の雇用や、ろう者の視点のシステム構築のメリットに社会全体が気づくことで、
ほかの場面でもろう者の雇用を促進するという相乗効果が期待できます。
このように、経済的基盤、社会的基盤どちらにも相乗効果が期待できるというものです。
以下では、ワシントンDC付近にあるろう主導のビジネスを紹介します。
・MOZZERIA:ナポリピザのお店(サンフランシスコとワシントンDC)
https://mozzeria.com/
・Streetcar 82 Brewing:ビール醸造所とバー(メリーランド)
https://www.streetcar82brewing.com/
・Star Buck Signing Store:米国初の手話スタバ(ワシントンDC)
https://www.starbucks.com/store-locator/store/1009470/6th-h-625-h-street-washington-dc-200025094-us
パンデミック下で海外旅行はまだ厳しい情勢が続いておりますが、ワシントンDCを訪れる際の参考にしていただければと思います
