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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2020年5月生活記録【第13期生 山田茉侑】[2020年06月08日(Mon)]
みなさまこんにちは。早いもので、この記事が留学生活最後の記事となりました。


卒業式花見(さくら)ボストン大学大学院を修了しました花見(さくら)卒業式
400 zoom graduate.jpg
(写真は、Zoom卒業式の様子)

卒業式は新型コロナウイルス の影響で延期になりました。そのため、専攻だけの小さなZoom卒業式になりました。
去年の12月、学期末試験が終わったあとに先生や友人たちと卒業式に再び笑顔で会おうと、約束をして別れたのを思い出していました。今学期は大学を離れて、学期丸ごと(3ヶ月間)を使っての教育実習があったため、同期全員があちこちの州に引っ越し、それぞれの地で教育実習をこなしていました。なので、まさか12月のお別れが実際にみんなで会える最後のお別れとなるとは思いませんでした。人生何があるかわかりませんね。そんなことを考えながら、Zoom越しの卒業式を眺めていました。


卒業式はTodd先生を中心に進められました。Todd先生のコメントの中に、おもしろいものがあったので、ぜひ共有したいとおもいます。

マラソンランナー、エリウド・キプチョゲ選手をご存知でしょうか。
今まで人類がマラソンで2時間を下回って走りきることは不可能だと言われていました。ところが、2019年10月13日、オーストリアのウィーンにて1時間59分40秒の記録をもってエリウド・キプチョゲ選手が世界記録を破ってゴールしました。
人類の限界をその記録をもって破ったことは、当然世界中で注目されました。

ただし、その記録は公式ではありません。非公式です。

なぜなら、写真を見てわかるように、このレースは数々の人工的な条件を加えてのチャレンジだったからです。

400 02-eliud-kipchoge-marathon-attempt-1012.jpg
(写真はエリウド・キプチョゲ選手が走っている様子。CNNの記事から引用https://www.cnn.co.jp/showbiz/35143908.html )

ナイキの厚底シューズを使い、7人が風除けとして選手の周りを囲みながら走り、先導車が2時間を下回る走りになるように常に選手の足下をライトで照射し、精密に計算された時間にドリンクの配給があり、とさまざまな人工的な計算が加えられていました。

でも、それでも2時間という人類の壁を突破したのです。
Todd先生は、人生それでいいんじゃないか、と言いました。

「ろうの子どもと親たちが笑顔でいてほしい。」そのために、わたしに何ができるだろうか。そんな想いを持って留学した3年間。いろんな方に支えてもらいました。一人じゃ到底思い浮かばない、いろんなアイデアや考え方に触れることができました。いろんな方との出会いがあり、背中を押してもらって、ここまで道を開くのを手伝ってもらいました。

エリウド・キプチョゲ選手が人類の限界を超えたように、みなさまの支えによって、この留学生活がわたしの大きな糧となり、これからの人生の豊かな土壌になると確信して言えます。
Zoom卒業式の後、3年間を思い出してホロリときました。

Todd先生は、エリウド・キプチョゲ選手の例を出して、ここで得られた縁を大切にこれからも上手く使っていってほしいと言いたかったのだとおもいます。
赤いガウンをまとって卒業式の場に立てなかったことはとても残念でしたが、とっても大切なことを思い出させてくれたかけがえのない卒業式となりました。


改めまして、3年間に及び、留学をあたたかく支えてくださった日本財団、日本ASL協会のみなさま、そして家族や友人、先生方に心からお礼を申し上げます。ここまで来ることができたのも、ひとえにみなさまのご尽力のおかげです。3年間、本当にありがとうございました。



これからですが、OPTを使ってアメリカのろう学校で教職をする予定でいます。
(まだ正式な辞令がおりていないため、詳細を書くことは控えたいとおもいます。)
O P T (Optional Practical Training)とは、1年間に限ってアメリカで合法的に働くことを許される制度です。学生ビザ(F-1)を使って留学し、学位を取得した人がOPTの対象になります。
日本へ本帰国をする前に、短い期間ですが今度は現場を通して、多くのことを学び、実践力をつけていきたいと思っております。
そのため、今後も何らかの形で情報や教材を共有できるようにしたいと思います。
そして、日本の早期教育と親支援の発展のために何ができるか、現場から考えて参りたいとおもいます。これからも引き続き、何卒よろしくお願いいたします。



◆教員免許状についての情報
参考までに、アメリカの学校で働く場合、日本と同じく教員免許状が必要です。ただ、日本とアメリカで少し取得のシステムが異なります。日本では教員免許状取得に必要な単位をとって大学を卒業したら免許が取れます。一方でアメリカでは、教員養成大学/大学院を卒業後、州の試験に合格してはじめて免許状が取れます。

州立のろう学校で働く場合、数年間は免許状の取得を待ってくれる場合もあります。私立のろう学校やチャータースクール(親の要望で建設された学校)は待ってくれないケースの方が多いと思います。

もしも、日本の教員免許状を持っていて、その上でOPTを使ってアメリカの学校で働くことを考えている場合…吉報です。
いくつかの州では日本で取得した教員免許状が使えます。
アメリカのろう学校で働くなら、特別支援学校教諭 聴覚障害領域の免許状が必要になります。将来アメリカのろう学校で働きたい方に参考になれば幸いです。



◆参加型手話絵本「ムロと🤟」
2020年4月生活記録にて、eBookの URLを貼りました。家庭や教育現場でぜひ遊んでいただけると嬉しいです。
ムロ ILY.png



それでは皆様また会う日までごきげんよう!
Posted by 山田 at 05:51 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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