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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2020年2月生活記録【第13期生 山田茉侑】[2020年03月08日(Sun)]
みなさまこんにちは。
アメリカでも、コロナウィルスの流行でボストン大学やあちこちの聾学校が休校になっています。前月から実習でお世話になっているテキサス州立聾学校はまだ休校の話が出ていません。ただ春休みが明けた後はどうなるかわかりません。わたしのクラス(幼稚部)では毎日誰かが風邪で休んでいます。出来る限り手洗い消毒の時間をとり、口周りや鼻を触らないよう指導しています。

今月は、わたしのクラスで発見した、役立ちそうな“テクノロジーを活用した教育”をいくつか紹介したいと思います。

1)インスタグラム
先生が、日々子どもたちの写真やビデオを撮っているのです。毎日そんなに写真を撮ってどうするのかなと思っていたら、「クラス限定のInstagramがあるのよ。」なるほど!これはいいアイデアだと思いました。
子どもたちの創作活動中の写真や、「何をしているのか、何を習ったのか」を子どもたち自身が説明したA S Lビデオを、毎日放課後に幼稚部クラスのアカウントからインスタグラムにアップロードしています。インスタグラムを通して、保護者は子どもが学校で何をしているのかを知ることができます。

2)iPad、keynote
教室には4つiPadがあり、英語や算数、そのほかのクラスで大活躍してくれます。例えば、絵本の読み聞かせのあとに、物語の「起・承・転・結」をiPadのkeynoteを使ってビデオに撮るアクティビティなどに使えます。ただ普通にカメラを開いて動画を撮るような方法だと、5歳児の子どもたちはiPadで遊びはじめます。なのであらかじめ3つしか動画を撮れない、というような「限定」をkeynote上で作るといいと思います。

以下の写真の左端にある3つの動画をクリックすると、その場で動画を撮れてそのまま簡単に埋め込めるようにしています。

keynote.png

手続き:
Keynoteに写真を貼り付け、その写真をクリックしたあとに上部にあるフォーマット欄の一番した「詳細」の中にある「メディアプレースホルダーとして定義」をクリックすると、写真の中にこのような写真の枠が出てきます(赤い丸で囲んだところ)。

Screen Shot 2020-03-07 at 4.54.03 PM.png

iPad上でそれをクリックすると、簡単にビデオ撮影ができ、勝手に指定した写真の中にアップロードできるようにしています。この方法だと、子どもたちもあといくつ何の
動画を撮ればいいのか見てわかりやすいので、モチベーションアップにもつながります。



この方法を応用してある授業の総締めでは、恐竜図鑑を作るアクティビティ(3日間 計30分)をしました。

1日目:好きな恐竜を選んで色を塗り、恐竜の名前を描く。説明したい部位にシールを貼る。
放課後、macを使って子どもたちが描いた恐竜のイラストをkeynoteにアップロードし、その写真を「インスタントアルファ」で背景を透明にしました。(インスタントアルファの詳しい使い方: http://www.keynote-study.com/apple-lesson_3-5.html
そして、先ほど説明したビデオ埋め込みの方法を使って、子どもたちが自らkeynote上でA S Lのビデオを撮り、それを直にキーノートに埋め込めるようにしました。

Screen Shot 2020-03-07 at 5.38.04 PM.png

2日目:今まで習った恐竜の体の各部位をA S Lで説明し、ビデオを撮る。
子どもたちが自らkeynote上でA S Lのビデオ撮り、それを直にキーノートに埋め込みます。

Screen Shot 2020-03-07 at 9.43.02 PM.png

3日目:撮影したA S Lビデオを参考にしながら英文を書き、それを各ビデオの下に埋め込む。
まずは授業中に子どもたちが英文をパーッと書きます。放課後にその紙を撮影してmacを使ってkeynoteにアップロードし、「インスタントアルファ」の上にある「マスクを編集」を使って文ごとにトリミングし、各ビデオの下に各文を置きました。

子どもたちも、自分の絵がkeynoteにある、嬉しい!図鑑みたいにいっぱい説明したい、いっぱい書きたい!と楽しく取り組んでいました。ビデオを使った授業作りの参考になれば幸いです。


3)朝の会の歌
先生オリジナルの朝の会の手話歌をビデオに撮ったものを毎朝流しており、みんなで真似して歌っていました。前週ボストン大学の先生が見学に来て、アドバイスでちょっと手を加え、ワーキングメモリーを強化させるような歌に変えました。
例えば、日本手話でいうと二拍子で手の形手(パー)(パー)を共通して使った手話を「頭周り/口周り/胴体/腕/空間」の順番で流していきます。「オープンマインド/本当?/わかる/プロ/CL: スムーズに進む」 それをスピードアップさせたり、スピードダウンさせたり、順番を逆にした手話歌のビデオを何回も何回も流し、リズムに合わせて太鼓を鳴らすことで、聴者が電話番号を瞬間的に覚えられるように、5つの手話を通して子どもたちのワーキングメモリーを鍛えられるのです。



詳しくは2018年12月のわたしの生活記録をご覧ください。


長かった実習も終わりに近づいています。毎日無我夢中で夢にまで実習が出てきてうなされる日々が終わるのかと思うと嬉しいような、大好きな子どもたちや先生たちとお別れするのかと思うと悲しいような、複雑な気持ちです。逃げたいと思ったことは数えきれません。でも、アメリカで教育現場に立ち、いろんな感情と戦いながら子どもたちと向き合えたことは一生の宝物になるのだろうな、と今からしみじみと感じています。

みなさまも体調に気をつけてください。
それでは来月にまたお会いしましょう。
Posted by 山田 at 12:44 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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