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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2020年12月生活記録 【第13期生 山田茉侑】[2020年01月08日(Wed)]
新年あけましておめでとうございます。
今年も何卒よろしくお願いいたします。

今月は、Boston Children’s Hospital (ボストン小児病院)にある、Deaf and Hard of Hearing Program (ろう難聴プログラム)のスタッフにインタビューに伺いました。このインタビューを通して、どんな親支援をしたいのかヒントを得ることができました。とても印象に残ったので、ぜひ共有させていただきたいと思います。

このプログラムは、新生児がろう・難聴だと確定診断を受けた後の保護者に、様々な専門家がそれぞれの視点から介入していくプログラムです。

・音声言語病理士 3名
・言語聴覚士 1名
・心理学士 3名
・アウトリーチ担当(ろう者) 1名

アウトリーチ…情報を提供し、保護者たちを次の支援に繋げること。

現在は、このチームで新生児聴覚スクリーニングの1-3-6ルールのうち、6ヶ月よりも以前の時期にいる保護者を対象に支援しているそうです。アウトリーチ担当はろう者が担っていますが、このチームは全員手話ができます。

1-3-6ルール…生まれてから1ヶ月以内に新生児聴覚スクリーニングを行い、3ヶ月以内に確定診断を実施し、6ヶ月以内にEarly Intervention(早期介入:サービスの提供)へ繋げることを目標にしたアメリカの指標。

アメリカでは、早期介入で家庭訪問、ASLクラス、手話メンターなど様々なサービスを提供しています。ただ、いざろうの子どもを育てようにも、保護者は“なぜ”そのようなサービスがあるのかを知りません。保護者の大半が、生まれて初めて出会ったろう者が自分の子どもだからです。なので、そのような保護者が出産後6ヶ月目までに、どんなサービスを受けるかを決められるようにボストン小児病院のろう難聴プログラムが支援しているのです。

手話メンター…ろう者が、家庭に伺って保護者に手話指導をすること。

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このインタビューを通して、全体的に「発達」という言葉が印象に残りました。音声言語病理士や言語聴覚士といえば聴こえをサポートする、というイメージが強いかもしれません。しかし、このチームでは聴こえないからこその子どもの「脳の認知・発達」に焦点を当てていました。このろう難聴プログラムでは、ろうの子どもたちの言語と全面的な育ちを検査し、現状を把握した上で子どもの発達をサポートしています。「脳の認知・発達の専門家」によるチーム、という言葉がしっくりきます。

保護者には、手話で乳幼児がどのように発達するかを説明し、その育ちの過程は入れる言語は異なっても、聞こえる子どもと全く同じだということを念頭に入れてお話ししているそうです。そして、6ヶ月後には保護者がどんなサービスが必要なのかを選べるように支援し、子どもの言語(手話)を保障しているそうです。

そのこともあり、ギャロデット大学で教鞭をとっていた先生が数年前にこの病院のろう難聴プログラムでA S L発達の専門家として働いていたそうです。言語聴覚士ならぬ、言語視覚士ですね。


これは、マサチューセッツ州で確定診断を受けた保護者が受け取るパンフレットです。

パãƒ3フレット.jpg

中には、ろう難聴に関する様々な情報が入っています。パンフレットを開けると、真っ先に名刺が目に入ります。その名詞は、マサチューセッツ州の親支援の窓口とも言えるかもしれません。
他の病院で確定診断を受けた保護者も、そこに連絡をすることでコーディネーターと繋がることができます。


今月からテキサス州で実習が始まります。翌月にまた報告したいと思います。
それではまた翌月にお会いしましょう。
Posted by 山田 at 11:12 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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