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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2018年12月生活記録 12期生 福島愛未[2019年01月23日(Wed)]


新年、明けましておめでとうございます。



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(ついに日本に帰ってきました。久しぶりの関西空港!着陸時にはホロリと涙が出ました。)

こんにちは、12期生の福島です。
12月25日をもって無事に約2年間の留学生活を終えることができました。
最後のブログは2年間の総まとめで終えたいと思います。


2017年 Ohlone College


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(Ohlone Collegeの噴水。亀がたくさんいました。)


初めての海外生活!英語もアメリカ手話も全くできない状態でしたが、現地につけばなんとかなるだろう精神で行ってみれば、言葉も文化も食べ物も全く異なり毎日新しいことを学ぶ日々でした。二日目に一人で初めてバスに乗った時は、降り方がわからずよくわからない場所に行ってしまい、お腹を壊してトイレを探し回る羽目になりました。アメリカって日本みたいに公共トイレが少ないんだと衝撃を受けた日でもありました。Ohlone College(オーロニカレッジ)での生活がスタート!



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(トム先生のDeaf Community:ろうコミュニティのクラスで。)


手話がとても魅力的だったトム先生。
最初の3ヶ月は全くアメリカ手話が読み取れず、毎日10回、20回以上はその単語の意味なに?と聞いていました。それでも嫌な顔一つせず、根気よく教えてくれた先生方、友人達に感謝しています。

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(ろう関係のイベント情報が掲示されていました。)


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(低い本棚のおかげで隅々まで見渡せました。)


サンフランシスコにある図書館では、ろう者や難聴者のための本の貸し出しサービスを行なっていました。ここで、アメリカにきて初めてDeafSpace Design(デフスペース デザイン)について考えるようになりました。西海岸では、DeafSpace Designという概念はまだ浸透していませんでしたが、ろう者が使いやすいように空間の使い方を工夫がありました。


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(ホームステイ先から一番近いバス停でパシャり。)


できるだけ自転車での通学を心がけていました。大学が山の上にあるため、朝はヒィヒィ言いながら登り、帰りは渋滞にはまっているバスを横目にささーっと坂を降って家に帰るのが習慣でした。そのおかげもあって、Ohlone College在学時には、マイナス10キロも痩せました!やはりダイエットには運動が一番ですね。

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(当時は訳がわからないと嘆いていた授業の一面も、今見ると・・・あれ、わかる!英語力伸びました!)


苦手だった英語の勉強を頑張ろう!と思えたのも、このナンシー先生のおかげでした。わからない!と音をあげそうになる私に根気よく丁寧に教えてくださったナンシー先生に答えたい!とOhlone College在学時は朝の4時から夜中の12時まで必死に勉強していました。人生で一番勉強した時期でした。その甲斐があって、英語力はぐんぐん伸びました^^



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(冬休みが始まる前にパシャり。嬉しさが滲み出ていますね。)


クラスメイトのアメリカ手話は、秋学期が終わる頃にようやく少しずつ理解できるようになりました。指文字が多く、苦戦したのを覚えています。読み取れるようになる前は、クラス内で人前に立って発表したり、クラスメイトとのグループワークをすることが苦痛で仕方ありませんでしたが、毎日の積み重ねの成果が目に見えるようになった時は本当に嬉しかったです。



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(日本の友人に会えた嬉しさで自然に笑顔が溢れました。)


待ちに待った冬休み!日本から仲良しの友達が来てくれました。留学先のフリーモントはもちろん、サンフランシコやアリゾナ、ラスベガス、ロサンゼルスを楽しみました。友達が空港に向かうためのタクシーに乗った時は、アメリカに来て初めて泣いてしまいました。この時に友人とたくさん話せたことが春学期も頑張るエネルギーになったのだと思います。

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(ホースシューベントと呼ばれる場所で。怖い!)


本当にありがとう!

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(人生で初めての事故、骨折、松葉杖生活。)


冬休みも終わりに差し掛かる頃、交通事故にあい、足の小指を骨折してしまいました。しっかりと直すためには手術をしてボルトを入れる必要があると言われた時は、本当に絶望しましたが日本に帰るよりもここで手術を受けて勉強を頑張りたいと決めました。その気持ちを汲み取ってくれた母が駆けつけてくれ、人生で初めての手術を乗り越えることができました。

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(子供の頃はギプスをするのがかっこいいと思っていましたが、実際は大変!)


手術後も3ヶ月ほど松葉杖生活が続き、毎日タクシーでの通勤でした。また春学期は聴者のクラスにも挑戦しており、クラス内にろう者は一人だけという環境で毎日英語との戦いでした。その生活でさらに追い討ちをかけたのは、聴者クラスとろうクラスが山の上と下に別れており、そのような状態の中エレベーターが稼働せず、松葉づえで階段を登らないといけないことでした苦笑。それでも乗り越えることができたのは、懸命に支えてくれた友人達のおかげでした。クラスが違っても移動のお手伝いをしてくれたり、代わりに昼ごはんや夜ご飯を作ってくれ、買い物や洗濯までしてくれていました。一生頭が上がりません。

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(カリフォルニアで有名なワインの聖地、ナパ)


泣きたくなるような時は、友人が色々なところに連れて行ってくれました。そのおかげで無事に春学期を終えることができました。

が、夏休みの始まりに今度は盲腸に!!!!あせあせ(飛び散る汗)
またまたアメリカで手術を受けました、とほほ。

たくさんのハプニングで心が疲れてしまい、それに伴って足の状態も悪く、半年間休学することに。
久しぶりに日本に帰国して家に帰るとホッとしました。

2018年 Gallaudet University
(ギャロデット大学)


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(ワシントンDCの冬は曇りが多く、この日もどんよりしていましたが心はワクワク。)


2018年1月、念願のGallaudet Universityに!半年間のリハビリを終え、足も心も準備万端です!

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(SAND BOX:サンドボックスと呼ばれる部屋で。)



この部屋でDeafSpace Design (デフスペース デザイン)の基礎をみっちり学びました。Ohlone Collegeの時と異なり、ここGallaudet Universityの先生方や学生達の手話が早く、最初の1ヶ月ほどは慣れるのに必死で家に帰るとすぐに寝てしまう生活が続きました。



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(国会議事堂の前で。)


Galladuet Univerisityで学んだのは、DeafSpace Designだけではありません。ほぼ毎日のようにキャンパス内のどこかで「Deaf (ろう)」について考えるイベントがありました。また常に手話を重視する環境にいたので、自然とろう者としてのアイデンティティが強まり、手話の言語権利について考える機会も増えました。

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(Holi:ホーリーと呼ばれるイベントで色付きの粉を投げ合いました。)


また様々な国から学生が集まるこの大学では、各国の文化を学ぶことができるイベントも頻繁に開催されていました。この日は、インドの文化を学びました!




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(本場のタコス!美味しい!メキシコはコーラの消費量が世界一です!)


夏休みの間に訪れたメキシコ!初めての南米にワクワクしました。実際に行ってみると、インターネットで書かれていたような危険な場所ではなく、見知らぬおっちゃんがテキーラの飲み方を教えてくれたり、美味しいタコスやサボテンを紹介してくれる人がいたりと親切でとても話しやすい人達が集まる国でした。また、メキシコの首都であるメキシコシティを訪れた際には、現地の聾学校も見学しました。


(IPPLIAPと呼ばれる私立の聾学校で。)



メキシコでも、DeafSpace Designという概念はないのにも関わらず、建物にはろう生徒が学びやすいような工夫が多くありました。この時、日本にも隠れたDeafSpace Designのアイデアがあるのではないかと思いつきました。




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(忙しい時にも関わらず案内してくださったスタッフの皆さんと。)



夏休みの終わりに、ミネソタ州にあるMinnesota State Academy for the Deaf (ミネソタ州立ろう学校)にも訪れ、この時完成したばかりのDeafSpace Designを取り入れた新しい寮の見学にも行きました。この見学を通して学んだのは、DeafSpace Designを取り入れる際には現地の教員、スタッフ、生徒達、コミュニティの意見を尊重し、何度も話し合って一緒に作り上げていくことが大切だということでした。

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(歴史を感じる一枚。)


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さらにミネソタ州立聾学校の近くにある、CharlesThompson Memorial Hall と呼ばれるDeaf culb (ろうクラブ)にも見学に行きました。この建物は、アメリカで初めてのろう建築家、Olof Hanson (オラフ ハンソン)によって建てられた建物で、1916年に完成した建物にも関わらず、建物内にはDeafSpace Designのような工夫があちこちに散らばっていました。このような工夫が1910年代には考えられていたのだと思うと鳥肌が立つほど感動したのを覚えています。




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ニューヨークで行われたWorld Deaf Architecture (世界ろう建築家) Conference では、米国各地から建築の仕事に関わるろう者が集まり情報交換や、企業が提供する新しい建築技術の情報を手話通訳を通して学ぶなど非常に有意義な時間を過ごすことができました。同じ仕事を持つろう者同士の情報共有は重要です。これまでろう建築家と交流する機会がほとんどなかったため、貴重な経験になりました。

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長かったはずの夏休みもあっと言う間に終わり、ついに最終学期を迎えました。最終学期は自分と専門と少し異なる分野のクラスも取っていたため、朝早くから学校に行って予習、復習の繰り返しでした。この場所はDeafSpace Designの一部で私のお気に入りの勉強場所でした^^

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(イエール大学の学生達と合同クラス。)


念願のDeafSpace Designのクラスで特にお気に入りだった講義です。イエール大学の学生がこのキャンパスを訪れ、3日間DeafSpace Designを学びました。この講義を通して、DeafSpace Designを全く知らない聞こえる人にどのようにDeaf Culture (ろう文化)やDeafSpace Designを教えるかを学びました。また、聞こえる人たちの行動特性を改めて目のあたりにすることができ、ろう者の行動特性と比較することもできました。さらに、イエール大学の学生たちによる建築作品が素晴らしく、良い刺激も受けました。

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(DeafSpace Designの建物内にある廊下にも、個人のちょっとした工夫が見られました。面白い!)



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(インターンシップ先の上司達とベルギーのインターンシップ生と。)


秋からは大学内にある、Office of campus Design and Planning (キャンパスのデザインと計画のオフィス)と呼ばれるDeafSpace Designのオフィスでインターンシップも経験しました。ベルギーから来た同じインターンシップ生とほぼ毎日のようにこのオフィスで、DeafSpace Designについて学びました。これまでDeafSpace Designのコンセプトは理解していても実際にどのように仕事に結びつくのか想像できなかったため、このインターンシップは貴重な経験となりました。


同じ建築を学ぶ、ろうの女性と会うのは初めてで、しかも他の国の学生!
毎日お互いの国の建築について語り合うのはとても楽しかったです。どのようなスキルを身につければ良いのかなどの情報交換は本当に勉強になりました。また二人ともDeafSpace Designを学んでいることから、自国でDeafSpace Designをどのように生かすかなど相談し合う機会もあり、今後の活動になるヒントも得ることができました。彼女に出会えたのはとても幸運でした。本当にありがとう!

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(Gallaudet Universityの学長と)


<最後に>


約2年にわたる留学生活を無事に終えることができたのは、日本財団の皆様をはじめとする留学事業関係者の皆様、先輩方、友人達、そして家族のおかげです。本当にありがとうございました。

留学生活は終わりましたが、日本でDeafSpace Designを広めるのはこれからです。今年4月から大学院で日本に合ったDeafSpace Designを模索していく予定です。

これからも応援よろしくお願いします。

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(久しぶりの地元大阪で。)


12期生 福島愛未


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