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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2018年12月生活記録 【第13期生 山田茉侑】[2019年01月08日(Tue)]
みなさま、新年あけましておめでとうございます。
今年も何卒よろしくお願いいたします。

MASS state house.jpg

写真は、ボストンにあるコモン公園のイルミネーションです。奥にライトアップされたマサチューセッツ州の議事堂が見えます。


今回のクリスマスは、友人の家にお邪魔してきました。日本ではクリスマスは恋人との時間のイメージがありますが、アメリカでは大切な家族との時間として存在するそうです。

そこでカルチャーショックを受けました。
アメリカのプレゼント事情ですが、一人一人が家族全員にプレゼントを用意するという文化があるため、ツリーの下には数え切れないほどのプレゼントが転がっていました。友達による裏話ですが、クリスマスが迫ってくると、家族全員分へのプレゼントを考えないといけないため、ストレスになることもあるそうです。


さて、今回は9月生活記録の続き「ASLの音韻分析が英語獲得に役立つ!?」に触れたいと思います。覚えていますでしょうか。

report on sep.png


結局この話題について、今学期に深く扱われることはありませんでした。ただ、その答えの一つに、どうやらワーキングメモリーが関係しているようです。

ワーキングメモリーは、リズム遊びなどで鍛えられます。
聴者は、子どもの時から様々な音楽やリズム遊びに触れているため、約7つの数字などを一気に覚えることができます。例えば、電話番号などを短期ですが一瞬で記憶することができますね。
しかし、ろう者の場合はワーキングメモリーが十分育っていないこともあります。それは、ワーキングメモリーを育てるリズム遊びが、音によるものであるため、聴者のように楽しむことができないということが理由としてあげられます。書き言葉を獲得するには、言語獲得の土台の一つであるワーキングメモリーを無視することはできませんね。

アメリカの0-5歳児クラスでは、よくASLのリズム遊びをしているのを見かけました。
ただし、ここで見かけるリズム遊びは、歌に手話を合わせたものではなく、ASLの音韻を工夫して使ったものです。手話を構成する音韻は、ボストン大学では全部で5種類 (手の形、位置、手の動き、向き、NMM (Non-Manual-Markers))あると習っております。

ASL song.png

写真は、色と動物を合わせた歌です。
CSD (California school for the Deaf)やTLC (The Learning Center for the Deaf)の0-3歳児クラスで使われているものです。
2拍子からなり、同じ手の形同士の手話を組み合わせた仕様になっております。(GREEN GREEN BIRD は全て手の形(G)で表せ、ORANGE ORANGE BISONは全て手の形(O)で、YELLOW YELLOW WHALE は全て手の形(Y)で表せる手話です。)


一方、TLCの3-6歳児クラスではASL音韻の一つである「位置」と、なにか動物の特徴を使ったリズム遊びをしているのをよく見かけました。
ちなみに、ASL音韻の「位置」は全部で5種類 (赤, オレンジ, 黄, 緑, 青部分)あります。

phoneme place.jpg

位置  (赤/ オレンジ/ 黄/ 緑/ 青部分=頭部/ 口周り/ 胴体部分/ 腕/ 空間)

例えば、この音韻「位置」を使って、わたしのクラスでは「アザラシ」のリズム遊びを考えました。
「アザラシ」といえば、「ツルツルした頭」で 「ひげ」のある 「毛に覆われた」動物で 特徴的な「足ひれ」をもち 「前ヒレで前進」する生き物ですよね。ASLで表すと・・・


ツルツルした頭/ ひげ/ 毛に覆われた体/ 足ひれ/ 前進している様子

このリズム遊びは、アザラシの特徴をASLの音韻「位置」5種類全てを使って考えあげたものです。TLCの5歳児クラスでは、子どもたちが自主的にこのようなリズム遊びを楽しそうにしているのをよく見かけました。

このようなリズム遊びを繰り返していくうちに、ろうの子どものワーキングメモリーは鍛えられ、約5つの数字などを短期間暗記できるようになるそうです。
そして、様々なASLの音韻を使ったリズム遊びに幼い頃から触れることで、それがのちに小中学部のASL音韻分析活動に繋がるそうです。その活動では、実際にろう児童生徒がASL単語を音韻レベルに分析し、また構築していきます。
春学期に、そのことについてもう少し詳しく学べたらと思っております。

それでは、翌月にまたお会いしましょう。
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