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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2018年 生活記録 12期生 福島愛未[2018年11月08日(Thu)]
こんにちは、12期生の福島です。

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(紅葉にうっとりします。)


今月は今までの留学生活で一番DeafSpace Design(デフスペース デザイン )にどっぷりと関われた月でした。早速ご紹介します!

◆Starbucks Signing Store in USA (スターバックス 手話ストア)
近年日本のろう者の間で、マレーシアにあるスターバックスが手話でコミュニケーションが取れるらしいと話題になっていました。ここギャローデット大学の近くにあるHストリートと呼ばれる賑やかな通りにも、アメリカで初めてのスターバックス 手話ストアができました!
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オープン当日に行くと、店内は大変賑わっており、あちこちで手話が飛び交っていました。

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期間限定で置かれていた、アメリカ手話で「スターバックス」と描かれているマグカップはろうのアーティストによって作られたもので、オープン当日は大変な人気であっという間に売り切れてしまいました。


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このスターバックスで働いているスタッフはろう者だけではなく、手話ができる聴者もいます。手話のイラストが入っているエプロンをつけたスタッフはろう者で、このイラストがない場合は聴者のようです。面白い!

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オープン後日、インターンシップ先のデフスペースデザイン のオフィスで、このスターバックスの視察に行きました。多くのろう者・手話者が集まるこのスターバックスにどのような配慮がされているか調査をするためです。実際に、このスターバックスでは手話で注文したり、手話ができないお客さんのために指差しメニューや筆談ボードなどの配慮はありましたが、空間としての配慮が少し足りないのでは?という結果になりました。インテリアなどの配置が他のスターバックスと同様だからです。

ろう者だけでなく、多くの聴者も利用するこの場所にふさわしい空間デザインとは何か、デフスペースデザインとしての新しい課題です。私自身もこの課題に興味を持っているので、デフスペースデザイン のクラスで行われる最終プロジェクトのテーマとして、このスターバックスについて掘り下げようと考えています。

◆Yale University (イェール大学)

10月の頭に、デフスペースデザインのクラスで、かの有名なイェール大学の建築学生と共同授業が3日間行われました。イェール大学の建築学生は、ギャローデット大学に訪れるまでに、デフスペースデザイン のガイドラインを熟知し、デフスペースデザイン を取り入れた設計課題を行ってきました。その設計課題に対してギャローデット大学の学生がフィードバックを行うという流れでした。

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イェール大学の建築学生による、デフスペースデザインのコンセプトを取り入れた設計課題の発表が行われました。テーマは、大学生寮と図書館です。私が学生の時には考えられないほど、素晴らしい案が練り込まれた設計課題でしたが、なぜか腑に落ちません。デフスペースデザイン のクラスメイトと話し合ったところ、イェール大学の建築学生は、デフスペースデザインを理解していないのではないかという結果になりました。

その後、イェール大学の建築学生とギャローデット大学の学生と、手話のみでの交流を行ったり、ギャローデット大学のキャンパス内にあるデフスペースデザイン の建物を案内することによって、次第にデフスペースデザイン とは何かを実体験から掴むことができたようです。

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(この場所に問題がある理由についてイェール大学の建築学生と話し合っていました。どこに問題があると思いますか?)

この体験は私にとっても大きな意味がありました。実際に聴者と行動することによって、改めてろう者独特の行動や価値観について気付かされたからです。

例えば、イェール大学の建築学生とギャローデット大学の学生がペアになって、キャンパス内を散策する企画中、ギャローデット大学の学生が転んで怪我をしました。聞くところによると、話に夢中になって道の真ん中にある排水溝のくぼみに気づかずに引っかかり、転んだようです。それに対してイェール大学の建築学生は、排水溝から聞こえる音で溝があることを察知し、その場所を避けるようにして歩いたそうです。

道を歩くだけでもろう者と聴者とでは、方法が異なることを改めて目の当たりにすることができ、デフスペースデザインの重要性を再確認することができました。

また聴者にどのようにデフスペースデザイン を説明するか、本当の意味で理解してもらうためにはどのような工夫が必要かというヒントも得ることができました。


◆DeafSpace Design Workshop (デフスペースデザイン ワークショップ)
10月の間デフスペースデザイン のクラスでは、空間とコミュニティの関係性について学びました。新しい建物や都市計画を考える際、従来のコミュニティの意見をおそろかにすることが多い問題があります。例えば、ギャローデット大学の近くにあるHストリートと呼ばれる大通りは、再開発によってレストランやバーが増え、ホームレスが減り綺麗な通りになりました。しかし、元々その通りは黒人コミュニティによる交流の場所でした。再開発によって、賑やかで綺麗な通りになった反面、彼らの居場所を取り上げる形にもなりました。このような問題を防ぐためには、従来のコミュニティの意見を取り入れる必要があるということについて学びました。

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デフスペースデザインも同様で、コミュニティの意見を取り入れることが大切です。ろうコミュニティの意見に耳を傾けることの重要さは理解していましたが、実際にどのように取り入れるか想像できませんでした。しかし、デフスペースデザインのクラスで行われた、ギャローデット大学にある図書館のリノベーションに関するワークショップを開くという課題を通して、そのヒントを得ることができました。

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日本に帰国後、この方法を利用して日本のデフスペースデザインについて考えたいと思っています。



10月はデフスペースデザイン について毎日新しいことを学ぶことができ、刺激的な時間を過ごすことができました。気づけば留学生活はあと残り2ヶ月です。季節の変り目や忙しさで体調を崩すことが増えてきました。残りの留学生活を有意義に過ごすためにも、体調管理に気をつけたいと思います。

ではみなさん、また来月きらきら
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