
2018年7月生活記録 12期生 福島愛未[2018年08月07日(Tue)]
こんにちは、12期生の福島です。
ドーン、ドーン!パラパラパラっと懐かしい振動を感じながら、夏が来たことを実感しました。夏といえば、花火です。花火と言えば、日本!ですが、ここワシントンDCでも、独立記念日の夜は各地で花火が上がります。DCの象徴でもあるナショナルモールでも、記念塔を背景に、うっとりするような花火を見ることができました。

さて、今月は、全力で夏休みを満喫しました。プライベートでは、花火大会、キャンプ、ワールドカップの応援などなど。またDeafSpace Design関連では、NYで行われたろう建築家会議やミネソタ州にある聾学校の見学に行って来ました。
︎
︎
ろう建築家会議
アメリカには、World Deaf Architecture というろうの建築家が集まる団体があります。以前から興味があったのですが、一年に一度行われるシンポジウムが、昨年は留学先から遠く断念していました。が、今年はNYで行われると知り、留学先からバスで4時間!これは行くしかない!ということで行って来ました。

この会議を通して、ろう建築家のみに特化した団体の意義を知りました。団体に入る、一番のメリットは情報を得ることができること、だと思います。この会議では主に3つの講演がありました。一つ目は、World Deaf Architecureについて。二つ目は、DeafSpace Designについて。三つ目は、建築関係者であれば今後必ず必要になる最新技術であるBIMの会社、直々の講演でした。

特に手話通訳を通して行われたBIMについての講演は、一般のろう建築家にはなかなか得ることのできない貴重な機会だと思います。
またこれらの講演だけではなく、休憩時間に、ろう建築家同士で行われる情報交換は、ろう建築家にとって、喉から手が出るほど貴重な情報を得ることができるのではないかと思います。
日本にも、ろう建築家のための団体があるそうです。帰国したらすぐに見学に行きたいです。
︎
︎
Minnesota state academy for the Deaf
現在、DeafSpaceは、米国内にいくつかあります。今回は、夏休みを利用して、ギャロー以外のDeafSpaceを見学する機会を、得ることができました。春学期にDeafSpaceを教えてくださった先生の母校、Minnesota state academy for the Deaf(MSAD)が、DeafSpaceを取り入れた新しい寮を建設中で、この夏に完成すると聞き、早速行って来ました。

MSADに着くと、肝心の新しい寮の工事が予定より長引いているため終わっておらず、安全第一のため、建物内は見学できないと言われてしまいましたが、多くの先生方の協力と、校長先生の理解の下、特別に見学することができました。建物内の至るところにDeafSpaceのアイデアがあり、とても興奮しました。

建築家だけではなく、聾学校の先生やろう者のアイデアも取り入れており、一目で、ろう者が過ごすことを第一に考えられているとわかる素晴らしい寮でした。

また、この聾学校は、5月の生活記録で紹介したアメリカで初めてのろう建築家、Olof Hansonが卒業した学校です。そのため、この聾学校がある街には、彼が設計した家が今も残っています。泊まらせてくださったホストマザーの紹介で、Olof Hansonについてリサーチをしていた方に街を案内していただくことができ、彼が設計した家をめぐることができました。

さらにミネソタ州の中心地であるミネアポリス にも、Olof Hansonが設計したDeaf Clubがあると聞き、その場所にも見学に行きました。

Charles Thompson Hall と呼ばれるその建物は、Charles Thompsonというお金持ちの息子であるろう者の寄付によって1916年に建てられ、ろう者が交流する場として現在も使用されています。米国内には、様々な場所にDeaf Clubがあるのですが、建物に入るためにはお金を払う必要があります。そのお金を基にしてClubが運営されるのですが、このCharles Thompson Hall は唯一、無料で入場することができます。建物内には、バーや食堂、遊び場、劇場などがあります。

1916年といえば、電気がない時代です。そのため、建物内でも手話が見える明るさを保てるよう外部の光を取り入れる工夫が、いたるところにありました。
特に面白いと思ったのは、劇場の舞台です。舞台の中にも天窓があり、そこから光を取り入れることで、舞台を明るく照らすことができます。照明がない時代、ろう者が集まる場所ならではの工夫です。DeafSpace Designの原点とも言える場所ではないでしょうか。この建物から多くのことを学ぶことができました。

︎
︎
7月末には、ホストファミリーに、この夏にオープンしたばかりのろう者が経営するビールバーに連れて行ってもらいました。内部と外部が、オープンになっており、ろう者が集まっても話しやすい設計になっていました。夜の11時頃になると照明がパチパチとついたり消えたりしたので、ん?と思っていると閉店の合図でした。照明を使って合図をするのはろう文化の一つですね。そのため、照明のスイッチが、レジのすぐ横にあり、スタッフが使いやすい場所に設置されていることに気づきました。これもDeafSpaceの一つです。
4種類の手作りビールが飲める、このバーは、ろう者も聴者も交流しながらビールが飲める素敵な場所でした。メリーランド州にありますが、ギャローからも近いので、ワシントンDCを訪れる際には是非このビールバーにも行ってみてください。

またこの秋には、手話でコミュニケーションを取るスターバックスが、ギャローの近くにオープンするそうです。このお店にも、DeafSpaceがあるとニュースに出ていたので、オープンしたらまたこの生活記録で報告したいと思います。
日本は40度を超えるほど暑い夏だそうですね。水分補給を忘れずに、この夏を乗り切りましょう。では皆さん、また来月
ドーン、ドーン!パラパラパラっと懐かしい振動を感じながら、夏が来たことを実感しました。夏といえば、花火です。花火と言えば、日本!ですが、ここワシントンDCでも、独立記念日の夜は各地で花火が上がります。DCの象徴でもあるナショナルモールでも、記念塔を背景に、うっとりするような花火を見ることができました。

さて、今月は、全力で夏休みを満喫しました。プライベートでは、花火大会、キャンプ、ワールドカップの応援などなど。またDeafSpace Design関連では、NYで行われたろう建築家会議やミネソタ州にある聾学校の見学に行って来ました。


ろう建築家会議
アメリカには、World Deaf Architecture というろうの建築家が集まる団体があります。以前から興味があったのですが、一年に一度行われるシンポジウムが、昨年は留学先から遠く断念していました。が、今年はNYで行われると知り、留学先からバスで4時間!これは行くしかない!ということで行って来ました。

この会議を通して、ろう建築家のみに特化した団体の意義を知りました。団体に入る、一番のメリットは情報を得ることができること、だと思います。この会議では主に3つの講演がありました。一つ目は、World Deaf Architecureについて。二つ目は、DeafSpace Designについて。三つ目は、建築関係者であれば今後必ず必要になる最新技術であるBIMの会社、直々の講演でした。

特に手話通訳を通して行われたBIMについての講演は、一般のろう建築家にはなかなか得ることのできない貴重な機会だと思います。
またこれらの講演だけではなく、休憩時間に、ろう建築家同士で行われる情報交換は、ろう建築家にとって、喉から手が出るほど貴重な情報を得ることができるのではないかと思います。
日本にも、ろう建築家のための団体があるそうです。帰国したらすぐに見学に行きたいです。


Minnesota state academy for the Deaf
現在、DeafSpaceは、米国内にいくつかあります。今回は、夏休みを利用して、ギャロー以外のDeafSpaceを見学する機会を、得ることができました。春学期にDeafSpaceを教えてくださった先生の母校、Minnesota state academy for the Deaf(MSAD)が、DeafSpaceを取り入れた新しい寮を建設中で、この夏に完成すると聞き、早速行って来ました。

MSADに着くと、肝心の新しい寮の工事が予定より長引いているため終わっておらず、安全第一のため、建物内は見学できないと言われてしまいましたが、多くの先生方の協力と、校長先生の理解の下、特別に見学することができました。建物内の至るところにDeafSpaceのアイデアがあり、とても興奮しました。

建築家だけではなく、聾学校の先生やろう者のアイデアも取り入れており、一目で、ろう者が過ごすことを第一に考えられているとわかる素晴らしい寮でした。

また、この聾学校は、5月の生活記録で紹介したアメリカで初めてのろう建築家、Olof Hansonが卒業した学校です。そのため、この聾学校がある街には、彼が設計した家が今も残っています。泊まらせてくださったホストマザーの紹介で、Olof Hansonについてリサーチをしていた方に街を案内していただくことができ、彼が設計した家をめぐることができました。

さらにミネソタ州の中心地であるミネアポリス にも、Olof Hansonが設計したDeaf Clubがあると聞き、その場所にも見学に行きました。

Charles Thompson Hall と呼ばれるその建物は、Charles Thompsonというお金持ちの息子であるろう者の寄付によって1916年に建てられ、ろう者が交流する場として現在も使用されています。米国内には、様々な場所にDeaf Clubがあるのですが、建物に入るためにはお金を払う必要があります。そのお金を基にしてClubが運営されるのですが、このCharles Thompson Hall は唯一、無料で入場することができます。建物内には、バーや食堂、遊び場、劇場などがあります。

1916年といえば、電気がない時代です。そのため、建物内でも手話が見える明るさを保てるよう外部の光を取り入れる工夫が、いたるところにありました。
特に面白いと思ったのは、劇場の舞台です。舞台の中にも天窓があり、そこから光を取り入れることで、舞台を明るく照らすことができます。照明がない時代、ろう者が集まる場所ならではの工夫です。DeafSpace Designの原点とも言える場所ではないでしょうか。この建物から多くのことを学ぶことができました。



7月末には、ホストファミリーに、この夏にオープンしたばかりのろう者が経営するビールバーに連れて行ってもらいました。内部と外部が、オープンになっており、ろう者が集まっても話しやすい設計になっていました。夜の11時頃になると照明がパチパチとついたり消えたりしたので、ん?と思っていると閉店の合図でした。照明を使って合図をするのはろう文化の一つですね。そのため、照明のスイッチが、レジのすぐ横にあり、スタッフが使いやすい場所に設置されていることに気づきました。これもDeafSpaceの一つです。
4種類の手作りビールが飲める、このバーは、ろう者も聴者も交流しながらビールが飲める素敵な場所でした。メリーランド州にありますが、ギャローからも近いので、ワシントンDCを訪れる際には是非このビールバーにも行ってみてください。

またこの秋には、手話でコミュニケーションを取るスターバックスが、ギャローの近くにオープンするそうです。このお店にも、DeafSpaceがあるとニュースに出ていたので、オープンしたらまたこの生活記録で報告したいと思います。
日本は40度を超えるほど暑い夏だそうですね。水分補給を忘れずに、この夏を乗り切りましょう。では皆さん、また来月
