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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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2018年6月生活記録 12期生 福島愛未[2018年07月09日(Mon)]
こんにちは、12期生の福島です。

6月の半ば、SNSで大阪に大きな地震があったと知った時は、冷やっとしました。幸い、実家には被害がなく、家族や友人の安否が確認できた時はホッとしました。地震が発生して数日後、ようやくニュースで被害状況を把握した時は唖然としました。海外にいると、このような災害時に、すぐに家族や友人の安否が確認できず、もどかしい思いをしました。

地震で被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

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日陰にいてもポタポタと滴る汗と、むわ〜んとした湿気と共に、真っ青な海が目の前に。クラクラするほど真っ白な砂浜に反射する日差しが突き刺さるような暑さでした。

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ここは、アメリカの・・・ではなく、メキシコ🇲🇽です。夏休みのバケーションとして、メキシコを訪れました。友人の紹介でメキシコシティにあるIPPLIAPと呼ばれる聾学校を見学する機会がありました。

IMG_1348.HEIC


IPPLIAPは幼稚園から中学校までの生徒が、約50人ほど集まっています。ろうの先生も8人ほどおり、手話通訳者も2人いて、聞こえる保護者や来賓者のサポートを行うそうです。中学を卒業すると、近くにある通常の高校に進学しますが、手話通訳も派遣されるため情報保障の制度が整っているそうです。

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校長先生とろうの副校長先生と


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「NO Grito」=さけばない→手話を使おう

この聾学校は、私立の学校で、政府の支援ではなく様々なスポンサーの支援の下に運営されているため、この学校にしかない独特な工夫もあり、それは建物にも反映されていました。メキシコにはまだDeafSpace Designという言葉が浸透されていません。しかし、ろうの子供たちが使いやすいように設計された建物は、まさにDeafSpaceでした。

スクリーンショット 2018-07-08 午後5.11.27.png


日本にもDeafSpaceと呼ばれる建物はありませんが、ろう者が使いやすいように改修、設計された建物がいくつかあります。現在は、日本の建物に合った、DeafSpace のガイドラインがないため、それらをDeafSpaceと定義することが難しい状況です。これが日本の、今後の課題となってるのではないかと思っています。


IPPLIAPを見学後、ろうの先生方が、地元の美味しいタコスのお店に連れて行ってくれました。現地のろう者との交流を通して、メキシコ手話やタコスの正しい食べ方だけでなく、メキシコのろう教育の現状なども知ることができました。

スクリーンショット 2018-07-08 午後5.10.58.png


また別の日には、ろうの先生方に有名な観光地を案内してもらったり、他のろうメキシコ人達と交流、自宅にお邪魔する機会もありました。家の作り方が、アメリカとは異なり、面白い! もし自分が手話を使わない人生だったら、旅行先でここまで濃い経験をすることはあまりないのだろうと思い、改めて手話の魅力に気づかされました。



来月も、DeafSpaceに関する調査でアメリカの聾学校を見学する予定です。IPPLIAPとはどのような点が異なるのか、楽しみにしています。

スクリーンショット 2018-07-08 午後5.11.11.png

メキシコシティにあるビブリオテカ ヴァスコンセロス図書館。本棚が空中に浮いているような近未来的なデザインに圧倒されました。建築学生のみなさん、メキシコシティを訪れた際には、是非見学していください!また、この図書館には、メキシコ手話に関する部屋もあり、多くのろう者や手話学習者が訪れるそうです。



日本は梅雨が明け、本格的に蒸し暑くなったと聞いています。みなさんも体調にお気をつけて、また来月きらきら

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