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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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2018年6月生活記録 第10期生 辻功一[2018年07月08日(Sun)]

你好、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

僕は今、中国の成都にいます。
ここ、成都では毎日ほぼ曇り、時々雨も降ります。成都は古くから曇天の地域として有名で、古典にもそのように表現されているそうです。
人々はフレンドリーでエネルギッシュです。毎日、夕刻になると公園や歩道のいたるところに人々が集まり、どっぷり日が暮れるまで(盆踊りのように)踊ります。

ところで、ここではスーパーやコンビニ、屋台、タクシーなどあらゆる支払いはすべてスマホで済ませることができるんです。僕なんかはもはや現金を持ち歩かず、あちこちでスマホでパパっと支払ってます。

中国企業アリババの支付宝(Alipay)もしくは同じく中国企業テンセントの微信支付(WeChatPay)のアプリを使うことによってスマホ決済ができるという仕組みですが、日本と違って急速に広まり定着した理由には、導入が簡単というところにあります。
QRコード決済方式(バーコードをカメラで読み取る)のため、専用のカードリーダーなどの機器導入も必須ではなく、また加盟店手数料なども原則不要です。

日本の電子決済では、一般的に売り手が3%〜5%程度の手数料を負担しなければならず、例えば1000円の商品を電子決済で売った場合は50円の手数料を運営企業に引かれ、実質の実入りは950円になります。これはギリギリの利益で経営している小規模飲食店などにとっては、結構重い負担になるんですね。
それが日本でなかなか電子決済が広まらない理由のひとつですが、中国ではこの問題がないので前述のように屋台まで電子決済が広まっているのです。

アリババやテンセントがどのように利益をあげているのかについては、他にゆずるとして、これには13億人という巨大な市場があるというのも一つのポイントです。

そんなスマホ先進国の中国ですが、中国人はあまり「歩きスマホ」しないんですよね。店などを覗くと、店員さんはお客さんお構いなしに寝転がってスマホいじくりまわしてるのに、何故だろうと思って観察していると、ひとつ気づいたことが。
ここ成都では車ファーストです。とにかく自動車が一番エライ。次にモーターバイク、自転車と続き、にわかには信じがたいのですが歩行者は轢かれても文句を言えないような雰囲気があります。それで、歩行者は常に周囲に気を配らないと成都の街は歩けないです。だから「歩きスマホ」なんてやってられないということなんだと。

201806.jpg
<バイクは自動車の次にエライからスマホながら運転、しかも逆走OK!?>

さて、成都に来てからすぐChinese Economy(中国経済)の講義が始まり、5週間みっちり講義を受けました。
中国こと「中華人民共和国」は中国共産党により統治されており、共産主義というと多くの皆さんは、なんとなく旧ソ連や北朝鮮など共産主義国家をイメージすると思います。しかし中国は、共産主義の実現のためにはまず発達した資本が必要であるというマルクス主義を基本的に踏襲しているので、現在は資本主義と共存しています。
そこがこれまでの北朝鮮と違うんですね。金正恩党委員長はまた違う考えを持っているかも知れませんが。

まあ、あまり政治的思想をここで説明するのもどうかなと思いますが、経済というものは常に政治思想と深くリンクしているのですね。
それで、このクラスでは歴史と政治思想を紐解きながら中国経済の移り変わりを勉強しました。

夏学期後半も成都にとどまり、Modern Chinese History(現代中国の歴史)を受けます。


以上です。
日本ASL協会から3,350km離れた西南民族大学からの報告でした。
ありがとうございました。
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