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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2018年1月 留学生活記録 第11期生 <牧谷陽平>[2018年02月05日(Mon)]
前回の生活記録で、新春の挨拶をしていなかったのでここでさせていただきますね。




今年もよろしくお願いします


 
IMG_9228.JPG
<家の裏にある草原が雪原になったときのようす。これには癒されます>


 2018年になり、MSSEでの学期も最後になりました。最後の学期は教育実習と、卒業のまとめのクラスしかないのです。教育実習は,次のろう関係の体制が整っているところ(アメリカ国内, もしくは国民権を持っている国)のうちから2つ,それぞれ8週間以上の教育実習が必修となっています:
1. ろう学校
2. ろうのプログラムのある通常学級
3. 巡回教師 (ろう学校から通常の学級に, 専門性のある先生を派遣をしてサポートをする)
 一方で,私は4年間,ろう学校での経験があるため,2つの教育実習のうち1つが免除になりました。なので,春学期の半分はクラスがない,,,と言いたいところですが,この時間を有効に活用すると決めました。手話言語通訳学科のクラスをいくつかを聴講生として,教育実習が始まるまで,週9時間,手話言語通訳について学習すると決めました。

 
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<マイナス10度の世界。晴れていても風が強くて,1時間も外にいるのが大変です>



 今回はこのクラスの紹介をしますね。

INTP220 Discourse Analysis (対話分析)
対話分析のクラス。まずは一般的に “対話” とは何か,から始まりそれを分析するときに何が必要か,何が邪魔してくるのか,を学びました。初回のクラスでは先生が,
言語学は「美女と野獣」の野獣のように,見た目は恐ろしい,中身は美しい
対話は「グレムリン」のように,見た目はかわいいが,いったん扱い方を誤ると,中身が化け物になる
と例えたのが滑稽でした。また,先生の説明は例もたくさんあり,なかなか面白いです。

 
IMG_9450.JPG
<トロントの地下鉄はニューヨーク市の地下鉄と違ってきれいです>


INTP361 Interpreting: Elementary (手話言語通訳- 初等教育)
 このクラスは幼稚園から小学校までの通常学級における手話言語通訳者のことを学ぶクラスです。毎春学期に初等教育(幼小学校)と,中等教育(中高)通訳のクラスを交互に開講するクラスで,この春学期は初等教育の手話言語通訳のクラスが開講されていたので,それを学ぶことにしました。教育における手話言語通訳者は,ろうのための通訳ではなく,クラスのために手話言語通訳をするということです。ろうのために手話言語通訳をするというのが基本ですが,初等教育では子どもたちがろう以外の人は手話言語通訳者を見たことがないため,「あなたは誰?」となるので,手話言語通訳者は,自分の役割についてきちんとその場にいる人たちに理解を深めてもらうことが必要です。基本は手話言語通訳をするのが大事なのですが,この仕事をするのに必要なことは
• 手話言語通訳者は先生ではない。つまり成績をつけることは不可能
• 聞こえない人と聞こえる人とのコミュニケーションのアクセスを可能にする
• クラス,チームの一員をみんなに理解してもらう。つまり手話言語通訳者の仕事も考慮に入れたうえで,クラスの進め方も考えていく
などといったことです。これをみんなに理解してもらいながら,手話言語通訳の仕事をこなしていくのが大事になりますね。もっと視野を広げて言うと,手話言語通訳はろうのためではなく,聞こえる人も含めた,交流の場のための仕事だと言えますね。

 
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<年始にトロントへ行ったときの夕食。この日は50年ぶりの大寒波が直撃してマイナス20度に
なりました。鍋が暖かくておいしかったです>


INTP460 Issues in Interpreting (手話言語通訳の課題)
 このクラスは手話言語通訳の現状の課題を調査するクラスです。昨年春学期に調査のクラスを受けたのですが,先生が聞こえる人なのか,英語の色がかなり強く,しかも説明が専門的でなかなか理解できませんでした。この機会に少しでも調査とは何か,調査の方法を少しでも理解するために学習することに決めました。今回の最大の収穫は,Gallaudet 大学がある調査の本のアメリカ手話言語版を作っているということでした。英語で本を作ってばかりいては,ろうのためにはならなく,手話言語が英語と対等にならないということで,手話言語版のものを作ることも重要になってきます。日本もこれからは日本語だけでなく手話言語のものも作ることが必須になります。

2月は卒業のまとめや仕上げを終わらせて,3月には教育実習に行くので,万全な状態で教育実習ができるよう,準備してきます。
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