2017年12月生活記録 【第13期生 山田茉侑】[2018年01月07日(Sun)]
新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
12月のビッグイベントといえば、学期末試験です。
それまで、中間試験があれば、中間試験までの範囲は学期末試験に含まれないイメージがありました。しかし、中間試験があったにもかかわらず、ドドンと9月から学んで来たこと全てが範囲に含まれました。なので、ヒィヒィ言いながら、毎晩友達と遅くまでスタバにこもっておりました。
家に帰ると

一晩中暖房であったかい家と、いろんな色のネオンがきらめくクリスマスツリーが「お帰りなさい」と迎えてくれます。奥の煙突のところには、子どもたちが目を輝かせながら吊るした大きな靴下が見えます。とても心温まる家です。
ADAプロジェクトについて
10月の生活記録で、デフカルチャークラスのホームワークに「ADAプロジェクト」なるものがあると触れたかと思います。今回はADAプロジェクトで取り組んだことについて報告したいと思います。ADAプロジェクトとは、企業や政府がADA法を理解しているかどうか、内実を調査するホームワークです。ADA法の詳細については、今月の橋本さんのブログを参照くださればと思います。
わたしは、旅行が大好きで、よくあちこちに行きます。その時に、手話通訳付きのツアー会社があれば、と思うことがあります。なので、今回はアメリカのツアー会社数社の合理的配慮に対する理解の内実を調査しました。今回は、アンテロープ・キャニオンと自然公園ヨセミテのツアー会社に焦点を当てました。全てのやり取りは、メールで行いました。
まず、「ろう」であること、ツアーを利用したいこと、ASL通訳の派遣をお願いしたいことを、最初のメールで伝えました。
結果

具体的な話にまで進むことができたC社と、他の合理的配慮の提案をしてくださったF社以外の対応は、ADA法に抵触します。担任の先生と話し合って気づきましたが、B社は通訳派遣のコスト面を考えて、政府が提供しているろう者ガイドを紹介することで遠回りにツアー参加を断っているのでは、という見方もできます。E社は、メールの返答をしないことで、関わりを持たないようにしているのでは、という見方もできます。
また、ASL通訳派遣の難しさは、土地の周辺環境や企業の規模によるのだと改めて感じました。アンテロープ・キャニオンは、僻地にあるため、周辺地域に手話通訳の派遣を行なっているところはなく、遠地から派遣をお願いすることになるそうです。その距離、車で数時間…。2時間の通訳のために、往復何時間もかけて通訳を派遣することになるため、ASL通訳の派遣は現実的な話として難しくなります。なので、他の合理的配慮を模索することになるかと思います。また、C社のような大企業を除く個人企業は、費用の面でASL通訳の派遣に前向きではありません。こちらは、英語をネイティブのように読めないという事情もありますので、お互いに気持ちよくサービスを利用するためにどう折り合いをつけるか、永遠の課題です。
アメリカのADA法は素晴らしいです。しかし法律の認知度と理解度はまだまだ社会に普及していません。ASL通訳の派遣が可能かどうかはさておき、上図からも分かるように、各社の対応は温度差があります。これは多様な人を前にして、どのような合理的配慮を提供出来るかを1度でも考え検討したことがあるかないかの差になると思います。当事者であるろう者が、積極的にサービスを利用し声をあげ、合理的配慮について社会が考える機会を積極的に作る事が大切になる、と先生はこのADAプロジェクトで伝えたかったのだと思います。
ちなみに、ADA法は、アメリカにいるろう者全てに適応されます。各国からの観光客も含まれます。つまり、ショッピングをすることでお金を使う、ならば観光者や留学生でもADA法の対象者になります。ぜひアメリカの内実を知るためにも、どこかでADA法を活用してみていただければと思います。
補足
じつは、アメリカのNational parkは政府の管轄下のため、無料の手話ガイドを政府が提供しております。ヨセミテもその例に漏れないそうです。詳しくは以下のサイトを参照くださればと思います。
(Yosemite Deaf Services :
https://www.nps.gov/yose/planyourvisit/deafservices.htm)
一方、アンテロープ・キャニオンはネイティブアメリカンが管轄する土地のため、National Parkではありません。そのため、政府の無料ガイドの提供はありません。




