
2017年10月 生活記録 【第12期生 西 雄也[2017年11月06日(Mon)]
11月になり、ワシントンDCでは、段々と冷え込み、日本の秋並みの寒さです。しかし、気温の変化が日ごとに暑くなったり寒くなったりと不安定な状態なので、体調を崩す者をちらほらと見かけます。なので、体調を崩さぬように気をつけたいと思ったものです。
そして、これまでDCに住んでからの二ヶ月間は新たな環境で不慣れなこともあり、休みの日もほとんど出かけることがなく、勉強のために部屋の中にこもる事が多い日々でした。しかし最近、ようやく様々なことに慣れてきたので、自分の時間作りができるようになってきたというところです。
◆EDU785 (Field Experience and Seminar(フィールド体験とセミナー))の授業の一環として
ケンダルろう学校へ見学に行ってきました。早期教育から高等部まであり、ケンダルろう学校ではバイリンガル教育を中心に授業が進められています。つまりほとんど手話(ASL)で授業が進められています。少し驚いたことはクラスの中にスペイン語の通訳者がクラスの中に在籍していることでした。メキシコ(母語はスペイン語)からの移民(生徒)も結構在学しているためスペイン語の通訳者が在籍しているのです。まさにこれもバイリンガル教育の一例だと感じたものです。

↑ケンダルろう学校(下の写真は幼稚部が授業を行う場です。)
次にメリーランドろう学校へも見学に行ってきました。
メリーランドろう学校でもバイリンガル教育を中心に行われています。
↑メリーランドろう学校
そして、私は美術の授業に興味があったのでそれぞれのろう学校の美術クラスを見学させていただきました。カリフォルニアろう学校もですが、ケンダルろう学校やメリーランドろう学校も幼稚部からデフアートを授業のカリキュラムに取り入れて教えている状況でした。
↑ケンダルろう学校で展示していた生徒の共同作品。
これまで見学してきた、アメリカの聾学校では、ほとんどバイリンガル教育を中心に進められており、第一に手話、第二に書き言葉(英語)という方法で進められています。口話は選択形式で受けるというシステムのようです。そして、授業は『SEE(Signing Exact English)』(日本でいうと日本語対応手話)ではなく、主にアメリカ手話で進められています。よって、聴者の教員もアメリカ手話が流暢な方をよく見かけます。
◆ろう教育における「ろう文化」
アメリカに来てから一年以上が経ち、ろう教育を学ぶ上で、「ろう文化とは何か」について学ぶ場(大学)が結構ある印象を受けています(全ての大学のろう教育のカリキュラムにあるとは言えませんが)。つまり、去年在籍していたオーロニ大学や現在在学中のギャロデッド大学でも、ろう者の社会的背景(ろう者がこれまで聴者から受けてきた、また受けている抑圧)についての例を書籍や講義から学び、ろう文化とは何か?そして、本当の「平等」とは何かについて議論したりします。アメリカでは様々な国からの移民者や研究者、ろう当事者によって、ろう者は同じアメリカ人であっても聴者とは民族性、文化的に違い、移民者の例からそれぞれコミュニティが違うので、人々は違うことを認識、尊重していく必要があることをはっきりと示しています。更に、人々はそのような視野を広げ、社会問題も含め認識する必要があるということを様々な書籍や講義を通して学んでいます。
◆ハロウィーン
ハロウィーンの時、一日中仮装をし、仮装のまま街を歩いたり、ハロウィーンパーティに参加しました。ホーム(ハロウィーン)パーティに参加するのは初めてのことなので刺激的でした。
↑ハロウィーンパーティを行なった場所。
たくさんの子供達も集まっており、賑やかでした。