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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2017年10月生活記録 第11期生 <牧谷陽平>[2017年11月01日(Wed)]
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10月末はハロウィン。ルームメイトでカボチャの灯篭を作りました


10月は学期の真ん中でもあり、気温の上下も激しく、体調も崩れやすく気分も崩れやすい時期でした。今学期は6クラスとっているのですが、4クラスはMSSEのクラスで、残りの2つのクラスは、ろう教育に関する手話通訳のクラスを聴講生としてとっています。

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ある晴れた日。こう見えても気温は6度です


今学期のクラスは全て本格的なクラスなのでとても内容が濃く、ろう教育にはもってこいのクラスばかりです。

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除雪車がアパートの端っこにありました。もう雪がやってくることを知らせてくれました


MSSEのクラスは大きく分けて4つあります。
1. 指導法のクラス
2. 言語学のクラス
3. 調査などのクラス
4. 教育実習

今学期でMSSEのクラスはほとんど終わり、残すは春学期の教育実習だけになります。

MSSEは手話言語学をはじめ、手話での指導法、言語獲得・習得、読み書きの指導法と言語学に特化したクラスが4つはあります。

また、通常学級に通うろう生徒のこともろう教育の一部であるため、ろうの子どもたちが、聞こえる人たちと対等に学習できる環境も準備するのが教育者の責任です。そのため、どうしたら対等になれるか、を夏休みの間に考えた結果、手話通訳のクラスもとることにしました。

手話通訳のクラスを2つとっています。
K-12 通訳と、倫理のクラスです。

前者は幼稚園から高校における、手話通訳とはどんな位置付けなのか、またどのように手話通訳をしたらいいのか、のクラスです。技術の面はまだですが、ろう教育の歴史やアメリカの歴史、またいろいろな教育心理学者の理論などと、いろんな方面からろう教育における手話通訳を考えるクラスです。

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K-12通訳入門のクラスでの一場面。"Normal(普通)" とはどんなことか,を議論しました


クラスは音声で進められるため、手話通訳者を設置してもらいました。先生はかなりいい先生でいろんな視点から物事を考えていきます。時々話のスピードが速く、手話通訳者も怒涛の如く手をたくさん動かします。手話通訳者はいつも2人なのですが1人は口をたくさん動かすためときどきわからない時があります。もう1人の手話通訳者は親がろう(つまりCODA、コーダです)でしかもかなりの美人です。彼女は手話通訳学科の四年生で、四年生は実習でクラスの通訳を必修づけられているみたいです。彼女は第1言語が手話なため、通訳はとても分かりやすく、英語が不十分な私でも理解できるよう通訳してくれています。

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登校途中に見かけました。アメリカではゴミが落ちていてもみんなへっちゃらでそれを拾わないことが多いです。しかしこの写真については放っておけませんね。誘拐されてないことを心から祈ります


もう一方のクラスですが倫理のクラスです。このクラスは2組あるのですが、一方は聞こえる先生、もう一方はろうの先生で授業が行われます。手話通訳学科のボスと夏に話をして、後者のろうの先生をとることを勧められたので、ろうの先生のクラスをとることにしました。が、この先生, 指文字を多用するため、説明が分かりにくく、頑張っても分からなかったため、手話通訳者を依頼しました。

先生はろうでASLを使う、私もろうでASLを使う。しかし先生の手話は完璧なASLではない。英語寄りというか、手指英語ではなくて肝心なところを指文字でやるため、授業のポイントがつかみにくいんです。そのため、ろう手話通訳者を依頼しました。

先生自身は資格を認められたろう手話通訳者なのに、手話は分かりにくいという、、、
なんという皮肉なことが今起こっているとは、、、

このろう通訳をどう使うかというと、授業全てを通訳はしてもらわず、分からなかった箇所があったときにろう通訳者からもっと説明をしてもらうというやり方で進めています。それでも100%理解は不可能です。50%ぐらいしか理解できません。しかし、クラスの内容はとてもよく、手話通訳としての姿勢や、心構えだけでなく、いろんな理論を応用したり適用したりして、場面にあった適切な行動を咄嗟にとる方法を学んでいます。この考え方は正しいか間違いか、いいのか悪いのか、を常に考えながらみんなで議論しています。



例えば、手話通訳者とろう者が待ち合わせ場所から通訳の現場まで行く途中に、雨が降りました。ろう者は傘を持っていません。通訳者は傘を持っているため、傘をさしました。
このとき手話通訳者はろう者を傘の下に入れるべきか入れざるべきか?
というようなことです。

アメリカには2つの大きな手話通訳者に関する機構があり,それぞれで規約が異なっています。一方は傘を貸しても構わないという傍ら,そのもう一方は傘を貸してはいけないという反対の意見をもっています。

こういうことをどのような視野でとらえて,どのような理論に適用するかを議論して進めていきます。かなり難しい学習内容ですが,かなりいい複眼的思考を得るチャンスです。

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