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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2017年5月生活記録 第10期生 山本綾乃[2017年05月30日(Tue)]

青ハート黄ハートギャロデット大学大学院修了青ハート黄ハート

5月12日、ギャロデット大学の卒業式がありました。

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(学長とともに:日本財団とASL協会のマークのついたサッシュを首にかけて)

5月上旬は、卒論プロジェクト発表や卒業生自ら企画を立てた卒業パーティの準備など慌ただしい日々が続き、卒業したと実感できたのは、ビデオを落ち着いて見たり、みんなから暖かいお祝いの言葉を頂いたりした後でした。

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(卒業生主催の卒業パーティ:みんなありがとう!)

(卒業式のビデオには、二回顔を出してもらえました。卒業生みんなの誇らしげな表情、代表学生の真剣なスピーチ、学長の挨拶など、一つ一つに感動しました)

ここで、ろう児・者とかかわる皆さんと共有したい言葉があります。これはろう教育学部の教授、L先生が自ら考案した言葉です。

“We know many things that a deaf learner does NOT know, but
we don’t know many things that a deaf learner DOES know”
私たちは、ろう学習者が知らないことを多く知っている。しかし、私たちは、彼らが知っている多くのことを知らない。

ろう児・者には、できないことや知らないことが多いでしょうか。答えはNoです。彼らにもできること、知っていることはたくさんあります。
全ての領域にも共通して言えますが、彼らのすでに知っている知識や経験から、本質的な内容へつなげることが大切だと学びました。個別教育計画などから、彼らの基礎的な背景を知り、豊かなコミュニケーションを通して、実態把握をすることが必要なのだと思います。
実際に自分がケンダルろう学校の子どもたちとかかわった時、当初話を聞くことが難しい子だなと思っていたのに、ある日突然私に興味を持ってくれ、たくさん質問してくれました。一つずつ答えると、へえそうなんだと会話がしっかり成り立っていて驚きました。子どもなりのタイミングを大切に、彼らのできることに目を向けて、力を伸ばしていきたいです。

3年間の留学生活は、とても濃い日々でした。学問だけでなく、生きる力も身につけることができました。石の上にも三年という諺があるように、何事にも辛抱強く続けていれば、真の力につながるのだと体感しました。 

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(ろう教育学部の仲間たちとともに)

今年の夏は、残りの課題を全て終えることが目標です。本帰国日まで引き続き頑張ります。
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