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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2017年4月生活記録 第10期生 山本綾乃[2017年04月28日(Fri)]

Never give up!

今月は、バイリンガル教育の講義の内容をお話させて頂きます。
担当教授は、アメリカのろう教育の中で有名な Laurene Simms 教授です。彼女もろう者です。
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今まで思っていたバイリンガル教育とは、私の勉強不足ということもあり、
日本語と日本手話を両方同時に使った授業を行うことというように解釈していましたが、実際の概念は全く違うものでした。

バイリンガル教育の理論は、以下の表の通りになります。
Screenshot 2017-04-28 09.25.30.png

まず、一つの言語(Language Separation)とは、一回の授業の初めから最後まで日本語だけ、または日本手話だけというように、一つの言語使用に集中するという理論です。この時注意したいのは、日本手話だけの授業の中で、パワーポイントに英単語を入れてしまうと、二つの言語を使ったPCUという方法となってしまい、この概念は成り立ちません。

二つの言語を使った理論は4つあります。
1. Preview, View, Peview、これはそれぞれ一つの言語を交互に使います。例えば、Rreviewは日本手話、Viewは日本語、Peviewは日本手話というように、明らかに変換します。
2. PCUとは目的がある限り、日本語と日本手話を同時に使うことができるということです。
3. 翻訳には2種類あります。まず、日本語の文章と手話が対応していること、そして日本語の文章とは関係なく、手話言語で自由に想像を膨らませて表現する方法です。
4. 言語翻訳とは、質問と答えが違う言語であるということです。例えば、質問が日本語、答えは日本手話となります。日本手話が彼らの自然言語である場合、それを活用して深く掘り下げて説明できるよう配慮した理論です。

以上の指導法のツールをバランスよく指導案に取り入れて授業を行うことが大切だと学びました。実際に自分でも8つの指導案を作り、2回ミニ模擬授業を行いました。手話だけの授業を作ることは、なかなか簡単なものではありませんでした。

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(ろう教育のバイブル書。バイリンガル教育の情報がぎっしり詰まっています)

日本語と日本手話は異なる文法で成り立っています。そのため、二つの言語を同時に学ぶと混乱してしまいます。特に日本語と日本手話両方とも概念の基礎が成り立っていない児童生徒の場合、まさに聴者が英語とスペイン語を同時に学んでいるのと同じ感覚となってしまいますね。
理想の言語獲得の流れは、早期教育の中で、積極的に手話でのコミュニケーションを図り、子どもの言葉や概念の基礎を楽しみながら作ることです。それが、第二言語の読み書き日本語の円滑な獲得につながります。

ほとんどのろう学校現場では、おそらく視覚的なパワーポイントを通して、PCU(日本語と日本(語対応)手話が同時に使われた授業)が行われているだろうと思います。"日本語が中心として使われている日本社会の中で、手話だけだと聴者とともに生活することが難しい。日本語も同時に使うと、二つの言語を同時に獲得できる、まさに一石二鳥だ" と思われるかもしれません。しかし、それは彼らの言語獲得の機会の近道どころか遠回りになり、逆効果となってしまいます。

バイリンガル教育はとても奥深い理論がたくさんあります。
教員は児童生徒の言語レベルを把握し、彼らに合った方法で教室設定していく必要があります。教員も概念の理解、指導案への応用に慣れるまで大変だと思いますが、児童生徒のより正確な言語獲得のためには、この方法が効果的だそうです。


ケンダルろう学校放課後ブログラムの活動
現在は、ヨガやローラースケートなども新たにプログラムに加わりました。毎週定期的に、外部から専門の先生が来校、指導されています。聴者の先生の場合、外部の手話通訳者がつくという素晴らしいシステムに感動しました。
日本のろう学校の土曜クラブやフリースクールなどにも、こういった専門性のあるろう者や聴者をお招きし、様々な世界に触れる機会をもっと増やしたいと思いました。教室内にも新しいゲームが増え、スタッフである私自身も、子どもたちとともに様々な活動に刺激をもらっています。

あと二週間足らずで、卒業式を迎えることとなりました。
課題やプレゼンテーションがまだたくさんありますが、最後まで諦めずに頑張ります。
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