
2017年2月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2017年03月05日(Sun)]
渡米してから半年以上があっという間に経過し早いものです。ここフリーモントでは2月も終わりに近づいた頃には、ピンク色の花があちこちで咲きわたっているなど春の気配を味わうことができています。

クラス
◆英語クラス
英語クラスは三つ履修しており、そのうちの一つがメインストリームクラスです、メインストリームクラスは手話通訳者を介しての授業であり、手話通訳者は2名います。手話通訳者との相性が良いのか、わかりやすく表現して頂いています。例えば指文字を用いている時、知らない語彙がよく出てくる時読み取れない時があり、聞き返すとサポートしてくれるので助かっています。このクラスは今学期が始まった時はボキャブラリーの意味を深く理解する事を行い、現在は長文の構造を分析する取り組みを行っています。
ろう者クラスreadingではManzanarという本を用いており、昔、日本からアメリカへ移民し、第二次世界大戦中に日系アメリカ人がManzanarという収容所に強制的に抑留されその生活がどんなものであったかという話です。
Writingクラスでは自分でテーマを決め、インターネットを用いての引用方法やルールを学びながらエッセイを書き上げていくことを中心に取り組んでいます。
◆Deaf educationとEquity
今学期Deaf Educationクラスを取得しているのですが、印象に残った話がありました。それはEquity(公平)についての話です。ADA法やろう教育の権利には、Equityによって平等さが作られるという話であり、なぜADA法があるのか。ADA法という法律に守られることによってろう者の生活が良くなってきているといいます。しかし、ADA法が十分ではないことも踏まえての話でした。
すなわち、社会的にろう者から見て平等な状態ではなく、手話通訳者が付いたり、電話リレーサービスなど、ろう者に取って必要な配慮を法的に作ることで、平等に近づけるということです。またろう教育においてはろう学校の先生は手話ができることを前提に働くことが条件づけられています。アメリカの州によってばらつきがあるのですが、フリーモントろう学校では、教員の多くがろうの教員です。聴の教員も手話ができ、デフコミュニティが成り立っており、特にフリーモントろう学校はアメリカの中ではデフコミュニティが強いそうです。
社会的にフェアでなければならないEquityから、Equality(平等)と特権、そして差別についてより考えさせられました。

↑ろう教育クラスの様子
その他、自分の経験を含め、ろう教育におけるプラス面とマイナス面、社会的おける一般的な問題とニーズ、政府にどう働きかけるかをエッセイにまとめ、クラスで発表しました。結果、良い評価を頂くことができました。
イベント
◆ニューイヤーズランチ
2月の半ば頃、多くのアジア人ろう者が集まり、レストランでランチをとりながらの交流会を行いました。初めに2月に「新年の」と聞くとしっくりこなかったのですが中国や台湾などでは2月ごろに旧正月を迎えるそうです。参加し、多くの参加者がアジア人でしたが、アジアに限らず様々な国と方々が参加し、食事をとりながら交流会を楽しむことができました。

◆Black History(黒人の歴史)
アメリカの黒人ろう当事者が受けた差別から、社会的なバリアをどう打ち破っていくかの講演がオーロニ大学の学内で開催されたので参加してきました。5名の黒人ろう者が発表しており、それぞれがこれまで受けた扱いや差別、その時どうしたかの内容と想いについて発表しており、酷い内容もありましたが、学べた事もたくさんありました。

春学期が始まってからは、秋学期より更に多くの課題があり、少し戸惑うこともあり、時間と緊張感に追われながらの日々でした。今後課題を一つずつクリアしながら、自分自身のコンディションにも気をつけながら過ごしていきたいと思います。