CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
« 2017年2月生活記録 第9期生 瀧澤泉 | Main | 2017年2月生活記録 第10期生 辻功一 »
2006/4/28ブログ開設時からのアクセス数
UL5キャッシング
最新記事
カテゴリアーカイブ
リンク集
最新コメント
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index2_0.xml
2017年2月生活記録 第10期生 山本綾乃[2017年02月27日(Mon)]


今年のワシントンDCは驚くほど暖冬です。
雪が全く降らず、とても暖かく、桜が春を待ちきれんとばかりに顔を覗かせています。
unnamed.jpg
(先月の生活記録で少し触れたチューターでお世話になっている友達が、この写真を送ってくれました。プライベートでも仲良くなれて嬉しいです)

今月は二つの講義についてお話しします。
1、EDU 711: Literacy Applications in ASL/English Bilingual Classrooms K-12
これは留学生のために、教授からゆっくり丁寧な説明が受けられるよう設けられた特別な講義です。このスタイルの講義こそ、入学後すぐに欲しかったと思うほど、とても理解しやすいです。

 以下の図は、言語獲得の流れを説明しています。
Screenshot 2017-02-23 14.59.39.png

通常は英語(日本語)かアメリカ手話(日本手話)のどちらかの話し言語を先に学び、2年から5年後に学習言語を学びます。これはちょうど小学校就学時と重なりますね。その後、第二言語を学びます。第二言語の学習言語を身につけるには、更に最低7年から10年は必要となります。
理想的な言語獲得の流れは、青の矢印です。つまり生まれた直後から英語とアメリカ手話(日本語と日本手話)両方の話し言葉を同時に習得し始めれば、小学校就学時には学習言語も自然に身につけられ、同時に使い分けることができるようになるという意味です。

2、EDU 731: Home, School, and Community for Diverse Learners
スリランカ出身の男性が来訪され、自身のアメリカでの経験について話してくださいました。彼はろう者、奥さんや子ども二人も全員ろう者です。
01292017_Pancake_Breakfast_at_House_One_LJ_014.jpg
(学長と会談する家族:ギャロデット大学のホームページより)

彼はギャロデット大学の存在を知らないまま、とにかく英語の勉強が必要でアメリカへ。空港の職員から聞き初めて知ったとのこと。一年間家族と離れて暮らし、一緒に住めるようになるまでの大変な過程などを聞きました。現在彼の子どもたちはケンダル聾学校の小学部に楽しく通っていますが、子どもたちの希望があれば、いずれ自国スリランカへ帰国することも視野に入れているそうです。
課題の中に、事例研究というものがあります。これは様々な子どもたちの実例をもとに適切な対応方法を分析するものです。今までに宗教、文化、LGBTなどの課題を持った実例が出されました。日本にも外国人児童生徒が在籍しています。LGBTの子どもたちも密かに在籍していると思いますが、未だカミングアウトが難しい状況です。例えば、アメリカの高校には”GSA”というLGBTの生徒のためのクラブがあり、彼らのコミュニティを大切にしているそうです。彼らの実態把握やさまざまな課題への理解を深めることは、学校運営をしていく上で大切であることからこの講義はとても勉強になります。


○修論
IFSP(個別家族支援計画)会議に参加しました。この日はIFSPからIEPへ移行する話し合いでした。
まずIFSPとIEPの違いを簡単に説明します。法に基づいて行う基本的な考えは同じですが、IFSPは誕生後から3歳までの児童が対象で半年ごとに会議を開き、家族のニーズをどんどん取り入れます。一方IEPは3歳から高校卒業時までの期間において年一回開かれ、子供のニーズに着目し必要な能力を伸ばすことを目的としています。
当日集まったのは、担任の先生、学部の先生、言語聴覚士二人、両親で一時間ほど話し合いをしました。内容は IEPの説明、対象児の実態、家族の背景、補聴器、通学方法でした。
この会議には”みんなで共有する、見える学校”がそこにあり、効果的な教育を進めるいい機会となります。緊急用のテレビ電話やメール、連絡帳よりも具体的・現実的であり、改めて会議の必要性を実感しました。
 
○放課後プログラム
この活動にもすっかり慣れて来ました。
毎週火曜日は外部からスポーツインストラクターが来て、子供たちにサッカーやラクロス、野球等を指導してくれます。
IMG_1651.jpg
(遊んだり、おやつを食べたり、保護者のお迎えを待ったりする場所)
子どもたちの人気な遊びは何と言ってもUNO(ウノ)。これは世界共通の遊びなんですね!

現場は様々なハプニングが起きると言いますが、まさにその通り。
泣いたり、お漏らししたり、鼻血が出たり、力加減が調整できずお友達に迷惑をかけてしまったり。子どもへの迅速な対応はもちろん、スタッフ同士のコミニュニケーションも必要不可欠です。はじめはアメリカ人スタッフの素早いASLの読み取りに戸惑いましたが、だいぶ慣れて来ました。子どもたちの名前も覚え、たくさんのコミュニケーションをし、私自身も活動を楽しんでいます。
IMG_1739.jpg
(廊下には様々なスタッフのサインネーム付き顔写真と簡単な紹介の紙が貼られています)
この記事のURL
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/1042
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント