2016年10月生活記録 第11期生【牧谷 陽平】[2016年11月14日(Mon)]
10月の中頃には紅葉の季節になりました
10月に入るや否や,急に課題も増え,さらには中間テスト (Midterm) の時期になり,自分とは何か,自分自身と向き合う1か月になりました。多分,今学期で10月が一番大変ではないかと思います。(11月はまた課題の量が減るので大丈夫… と祈りたいですね)
MSSEの1年目のクラスメイトたち。今年度の 1st grade の人たちは一致団結しています
それはさておき,10月の報告です。今回は Linguistics of ASL and English のクラスの説明を重心にしていきます (今学期はこのクラス以外は授業の内容が理解しにくい内容のため,生活記録に書くことはあまりしないだろう)。
写真左に映っているのはコックさ・・・じゃなくて先生です。
このクラスがいちばんのお気に入りなのですが,宿題の量がほかのクラスに比べて極めて多いです
このクラスがいちばんのお気に入りなのですが,宿題の量がほかのクラスに比べて極めて多いです
1. 言語とコミュニケーションシステムの違い
言語は現在のことだけでなく,過去や未来のことについて議論できる (英語,日本語,日本手話,アメリカ手話など)
コミュニケーションシステムは,現在のことしか話せない (モールス信号,手旗信号など)
2. 手話の5つのパラメータ
手話は
[1] 手の動き
[2] 手の形
[3] 手のひらの向き
[4] 手の位置
[5] 顔や肩,体の動き
の5つからなっていて,1つが変わると手話の単語も変わります。たとえば
[1] “考える” と “靴” (靴は香川県の手話です。人差し指だけ立てて,人差し指をこめかみにこすりつける手話です)
[2] “井” と “田”
[3] “モノ” と “子ども” (両手をパーの形にして,動きは同じだが,手のひらの向きが上向きと下向き)
[4] “幼稚” と “桜”
[5] “本当” の手話で,眉を上げる→疑問,眉を下げてうなずく→本当です,という回答
3. Battison の手話のタイプ
Battison という手話の研究者が,手話の表現を6つに分類したもの
Type 0 – 片手,体の他のどこにも接しないもの
Type X– 片手,体の他のどこかに接するもの
Type 1 – 両手,両手とも同じ形であるもの (同じ動きのものと,反対の動きのもの)
Type 2 – 両手,両手とも同じ形だが主になる手が動き,もう一方の手は固定
Type 3 – 両手,両手で手の形が異なるもの
Type C – 2つの手話を組み合わせて1つの手話になるもの
日本手話の例:
Type 0 – アシタ,ミル
Type X– ホントウ,ウソ,オナカガヘル
Type 1 – (同じ動きのもの) イマ,モラウ,(反対の動きのもの) オキナワ,シバラク
Type 2 – インサツ,ユウセン (優先)
Type 3 – シマ,ナゼ
Type C – ドクショ,タンジョウビ
もう一つのクラス,歴史のクラスではクラスの内容とは別に,各自で歴史のことを独自でリサーチ(調査)し,それをまとめたレポートを提出する内容です。アメリカのろうの歴史をやるといっても,ピンとこないし,何から始めたらいいのかわからなかったところ,クラスメイトと教授が,「日本のろう教育の歴史を調べてみてはどう?私たちも知りたい」と言ってきたので,それをテーマにレポートを作成することに決めました。
この歴史のクラスでロチェスターろう学校を訪問した時の写真。かなり古い歴史でした
◆今回のひとこと◆
ロチェスターはカナダのトロントより南にあるのですが,気温がトロントより低く,雪も10月末に降り積もりました。これは南北という位置関係ではなく,北極圏から吹いてくる寒流が,ロチェスターの真北にあるオンタリオ湖に影響されて,雪雲になったのですね。オンタリオ湖は “湖” とはいえ, “海” のような役割を果たすとは・・・。