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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2023年4月「言語学の木」鈴木美彩(18期生) 生活記録[2023年05月08日(Mon)]
2023年4月 第18期生 鈴木美彩 生活記録
言語学の木


↓動画はコチラから↓
https://youtu.be/RLAEepqTsPQ


 春学期もようやく終わりホッとしています。秋学期に引き続き春学期も合わせて約1年間、言語学について学びを深め、言語学というものがどういうものなのか自分の中であまりしっかりとしたイメージが形成できていなかったのですが、現在は言語学の学びとはなにかを理解できていると自信を持って言えるようになりました。日本手話の研究への意欲も大きくなりました。この夏はDCに残って夏のコースを受講予定です。他の学生が帰省などでいないのでキャンパスは静かです。
この一年間、音韻論、認知言語学、生成言語学の3つの軸をもとに言語学を学んできました。音韻論と認知言語学はちょっとずつ興味深いものやその歴史について紹介してきましたが、生成言語学についてはその名前だけの紹介に留まっています。ちょっとお話するのもためらってしまうような難しいところもあったので、ちょうど1年間の学びを終えた今なら、要点をおさえた良い説明ができるのではないかと思い、今回のテーマにした次第です。
話すのが難しいというのは内容的に難しいということではなく、まず、音韻論や認知言語学の授業とは違って、音声言語と手話言語の両方に応用しながら学ぶのではなく、秋学期は音声言語に集中して生成言語学を学び、この春学期に手話言語における生成言語学を学ぶというやり方でした。なので私にとっては、手話と音声の両方から見た生成言語学を整理するいい機会でもあります。また、生成言語学は数学のような特徴を持っていて、公式を知らないと答えが解けないような部分もあります。だから順序を持って説明したかったというのが理由です。生成言語学の特徴や魅力を簡単にお伝えできればと思います。
 生成言語学において最も重要な理論が「普遍文法」で言語が異なっていても深層構造においては共通しているというのがこの普遍文法の理論です。音声や手話で発話されたものはそれぞれ表面だけを見れば文法や語順などはそれぞれ異なります。しかし、その表面構造を分析していくと深層構造が見えてきます。その深層構造には様々な言語の間で共通するものがあるということです。分析するために使うのが「樹形図(ツリー)」です。ツリーは木のことですが、授業では必ずと行っていいほど毎回ホワイトボードにこのツリーを書きまくりました。秋も春もこの授業だけ必ずホワイトボードに囲まれた部屋が割り当てられていました。もちろん課題でもツリーを大量に作成しました。Googleのジャムボードというリアルタイムで自由帳のようなページを共有できるアプリを使ったグループ学習もやりました。このツリーだけを見ても意味不明ですが、ポイントは表層構造から深層構造を見るためにこのツリーが使われるということです。
このツリーのおかげで表層構造では全く異なる構造を持つ言語動詞に深層構造においては同じ機能が見られることを発見できます。例えば、主語が抜けがちな日本語でも、深層構造では主語の機能を果たすパーツがみられ、それは英語の深層構造でも同じ場所に位置しています。また、語順においても日本語はSOVなのに対し英語はSVOで、なぜ違うのか、副詞や否定詞の位置が鍵となり、その相互作用からその言語の語順を説明することができます。音声言語に関する生成言語学の知識を一通り学んだところで、秋学期の最後には、見たことのないような他の外国語を見てその構造を見極めるという課題が出されました。非常に難しかったですが、公式から問題を解いていく数学のような面白さがありました。
 そして、この春学期は手話のツリーの書き方を学びました。しかし最初の授業で先生が放った言葉は「手話のツリーはめちゃくちゃだから覚悟を」でした。さらに、多くのツリーに囲まれた教室はどんどん木が生えて森と化すから迷子にならないようになんて冗談も出ました。本当に手話のツリーは難しいです。その理由の一つが、音韻論と同じように歴史が長い音声言語に比べて手話言語はその歴史が短いことです。秋学期の授業では音声言語の生成文法の研究の歴史に沿って学んだので、途中でこのツリーの書き方では応用が効かないので別の方法でやりますと、いろいろな書き方を歴史に沿って学びました。一部の学生がせっかく学んだ方法をリセットして学ぶ直すくらいなら最初から一番新しいツリーの書き方を学んだほうが良いとごもっともな不満を言っていましたが、現在のツリーの書き方ががどのように作られてきたのか知るためにこの変遷をたどる必要があったというわけです。それに比べたら手話言語への応用はまだそれほど歴史が長くありません。だから未踏の地も多く、まだ開拓しはじめたばかりであるとも言えます。もう一つの理由としてはモダリティの違いです。音声と手話という違う音韻構造で発話されているので、名詞や形容詞、動詞などカテゴリーに分けるのが比較的容易な音声言語と比べて、手話のうちどの音韻をどうカテゴリー化するかは非常に難しい問題です。例えば、音声言語の所有格は必ず名詞と一緒になるなど日本語と英語で同じような構造が見られます。しかし、手話言語は現実世界の空間と指差しの方向が一致するので音声言語にはない情報が所有格そのものに含まれるのです。これはどうツリーの中に入れていくのか、多くの議論があります。他には疑問文の例があります。ツリーを書く際に、疑問詞をどこに置くかという問題がありますが、文の最初に来る言語もあれば、最後に来る言語もあります。平文と比べてどう移動させるかでその構造を見るのですが、手話はNMsによって様々なバリエーションの疑問文を作ることができます。なので、そのバリエーションは眉上げの問題なのか、うなずきなのかなど研究者によって様々な見方があります。特にアメリカ手話は頭と最後に繰り返し疑問詞が出ることも少なくありません。だから、それは1つの文章なのか、最後の疑問詞は独立した文章とみなすことができるのか、議論は尽きません。
ここまでで、簡潔に、、簡潔ではないかもしれませんが、生成言語学とは何かをまとめてみました。この学問の魅力はやはり、数学的な部分です。様々な言語にツリーを応用するとき、これまで培った知識を持って説明するのですが、授業において、他の人のツリーは違う構造になることがあり、お互いの意見を主張し合うのが面白い部分です。議論の練習にもなり、新しい見方を学ぶこともできます。違う言語の共通点を見出し、新たなる言語の構造を予測・分析することにも役立ちます。
この一年間、3つの軸をもとに学びを重ねてきましたが、本当にそれぞれ全く異なるフレームワークを持っているので、同時に学びを進めることで自分の言語学的な視点も幅広いものになりました。
Posted by 鈴木 at 12:46 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2023年4月生活記録【第18期生 田村誠志】[2023年05月07日(Sun)]
皆様、おはようございます。こんにちは。こんばんは。

日本の気候はいかがでしょうか、どんどん暖かくなってきているのでしょうか。
こちらDCでは、4月はまだまだ寒暖化の差が激しい気候が続いています。突然、今日はとても暑く、肌が焼ける日差しがしばらく続いたかと思うと、翌日には急激に気温が下がり、防寒着で寒さを凌ぐように着込む日もあります。どうやらDCに過ごしている人たちにはいつものことだと慣れているようであり、必ず天気予報をチェックしているらしいです。私はそこまでチェックしないのでたまに洋服選びを失敗して通学することがあります。

ギャロデット大学の学生たちは、4月末と5月頭に最終プレゼンテーションや期末試験があり私も二つの最終プレゼンテーションとレポート提出に向けて一心不乱に取り組んでいました。特に私が受講しているPhonology UのELAN (EUDICO Linguistic Annotator)と呼ばれるソフトウェアのレポート作成については力を入れていました。ELANとは発話、または映像データによる転記作業を行うためのソフトウェアであり、言語学での専門では会話分析、声や手話の調音器官を識別する際に重宝とされているツールの一つです。ELANの開発元はドイツのマックスプランク協会の研究所の一つ、オランダのナイメーヘンにあるラトバウト大学の研究機関である「マックスプランク心理言語学研究所」だと学んだ時は、世界中の言語学者の知識の粋を集めていると感銘を受けました。
このPhonology Uクラスにはもう一つ興味深い内容を紹介してくれました。それはASL SignBankと呼ばれる手話単語を収集しデータベース化するためのオンラインリソースの一つです。手話単語の辞書の機能だけでなく、同じ単語であるが異なる音素を識別した手話表現のメタデータが収録されています。先ほど紹介したELANによる音韻特徴を考慮した識別を注釈する際に、ASL SignBankのデータベースから引用することが可能です。このASL SignBankはギャロデット大学から言語学部門教授として活躍されているJulie Hochgesang氏らが開発したと知り、JSLのSignBankも設立することはできるのだろうかと研究意欲を掻き立てられました。他にも注釈する際にRobert E. Johnson, Scott K. Liddell (2010, 2011a, 2011b,2012)による手の形、手の動き、手の位置といった解剖学の専門知識を有用しておりますが、こちらの内容はいずれ別の機会にお話ししたいと思います。

PhonologyUを受講する目的はPhonology Tで学んだ知識をもとに、ASLの音韻構造を調査することであり実技も兼ねて手話の表記法を訓練することです。その訓練を通してレポートを提出するのですが膨大な量であるため事細かに英語で説明するのはとても苦戦しましたが提出期限まで完成したので友人たちと大いに喜びました。

ギャロデットはもうすぐ夏休みに入りますので、体を休めながらゆっくりと自分のペースで勉学に努めます。日本ではゴールデンウィークの時期ですが、その期間でも皆様はお体に気をつけて過ごしてください。

下の写真は現在私が住んでいる家の窓から見える景色です。ヴァージニア州は自然が豊かであり春の訪れが感じられますね。

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Posted by 田村 at 05:03 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
はじめまして。[2023年05月04日(Thu)]
はじめまして。
第19期生の金本小夜と申します。
これからイギリスのリーズ大学で聾文学における日英の比較、というテーマで文学の博士号取得を目指します。
よろしくお願いします。

今回は自己紹介も兼ねて、なぜ博士課程に進学したのかについてお話ししたいと思います。

私の専攻は英文学で、もともと文学を志したのはファンタジーが大好きだったからでした。
日本の大学で書いた修士論文は『ホビットの冒険』についてです(おすすめ!)

ですが大学を修了後、社会に出て働く中で、もともと大学の中でもすでに感じていた難聴者としての生きづらさをさらに実感し、また大学に戻りたいという気持ちも生まれてきた頃に、障害学の観点から文学を扱う学問分野の存在を知りました。

文学でも現実の問題に関われる?
私の経験も活かすことができる?

そう思い始める中、昨年、思い切ってヨーク大学(同じくイギリスの大学です)の修士課程に留学しました。
日本では古典文学しかやってこなかったのですが、ヨーク大学では現代文学コースに在籍して、フェミニズムやコロニアリズム、障害学を学びました。
文学がいかに現代の社会問題を映し出しているか、文学がいかに社会に対して影響力を持っているか、学べたものは本当にたくさんありました。

特に日本では、文学をはじめとする人文学系の学問は現実とは関わりのないもの、役にたたないもの、として扱われがちです。
ですが本当に人文学は現実に関わらない分野なのでしょうか?イギリスに昨年留学する中で、それは私の中でどんどん大きな疑問になっていきました。
確かに私たち聴覚障害者の生活を補助/改善するものとして、補聴器の進歩やヒアリングループといった技術は大事ですし、聞こえの問題そのものを軽減してくれるかもしれない医療も大事です。
ですが、それとは別に私たちを取り巻く人々の意識の改革はそれ以上に重要ではないかと私は思うのです。
障がいを見下す人、無視する人、面倒だと思う人はどこにでもいます。
その理由は、自分とは違うものに対する拒否反応だったり、そもそも障がいについての知識がなかったり、と様々です。
そういった人々の意識を変えるもの、それはテクノロジーや医療ではなく、心や思考に響くもの、つまり哲学や文学といった人文学の分野ではないでしょうか?

最近では『Silent』というドラマが手話や聴覚障害者への世間的なイメージを大きく変え、また聴覚障害への人々の理解や知識を促しました。その前は『聲の形』という漫画/アニメが一世を風靡し、やはり聴覚障害への人々の意識を変えるのに一役買っています。

物語は現実を変えることができる、とても強い力を持っているのです。

私はこの物語の力を人々に知ってほしい、そしてそこから聴覚障害への人々の意識を変えたい、そういう思いで、博士課程に進学しました。


…気軽に書くつもりがなんだか少し真面目な話になってしまいました。
次回はもう少し楽しい話をできるよう頑張ります(笑)
ちょっとイギリスらしく、ハリー・ポッターで有名なロンドンのキングスクロス駅の写真でも載せておきますね。

こんな感じですが、どうかこれから博士号取得までの間、見守ってくれましたら幸いです。
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Posted by 金本 at 01:42 | 自己紹介/紹介 | この記事のURL
留学奨学生帰国報告会&奨学金説明会を開催します![2023年04月29日(Sat)]
留学奨学生帰国報告会&奨学金説明会を開催します!

毎年、秋から冬にかけて開催している留学奨学生の帰国報告会が、今年は初夏の開催に!
コロナ禍で帰国が延期になっていた山田茉侑13期生が東京で、橋本重人13期生が大阪で、米国の大学院で学んだろう教育や米国留学体験などをお話しします。併せて、奨学金説明会ミニトークセッション交流なども行います。
これから留学をする/留学を希望している方、アメリカの状況を知りたい方など、多くのみなさまの参加をお待ちしています。
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東京/ 2023年 6月18日(日)午後1時〜4時20分
会場:東京海洋大学品川キャンパス

報告者: 山田茉侑(米国ボストン大学大学院 ろう教育コース修了)
テーマ:「リズムを使って手話でことばを育てる
      ―幼稚部教員とデフメンター(Deaf Mentor)を経験してー

●山田さんからのコメント●
現在、テキサスろう学校の幼稚部教員をしている傍ら、デフメンター(Deaf Mentor)として0-5歳児のろう難聴の子どものいる保護者の支援をしています。テキサス州の早期介入のシステムと併せてデフメンター制度がどのような立ち位置で親支援をしているのかをお話しします。また、リズムを使って家や学校で楽しく手話でことばを育てる方法などのお話しをするとともに、今後の展望もお話しします。

参加申込は申込み画面から。クリックすると申込画面に変わります。−6月14日(水)〆切
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大阪/ 2023年 7月2日(日)午後1時〜4時20分
会場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)

報告者: 橋本重人(米国ギャロデット大学大学院 ろう教育専門分野コース修了)
テーマ:「発達障害を併せ持つろう児童生徒へのサポート
      ―安心して学べる環境作りとはー

●橋本さんからのコメント●
教育現場において発達に課題を感じている子どもが身近であることは、最近では珍しくないと感じます。ギャロデット大学で学んだことやカリフォルニアろう学校で実際に指導した経験、またコロナ禍でのZoomを通したオンライン授業の指導事例もいくつか挙げて、そのような子どもとどのように関わっていくかをお話します。また、アメリカ留学を通して学んできたことを今後どのように活かしていくかもお話しします。

参加申込は申込み画面から。クリックすると申込画面に変わります。−6月28日(水)〆切
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【共通項目】
1.参加費:無料
2、定 員:70名程度(先着順)*定員に余裕がある場合は、〆切後も受付いたします。
3.その他:日本手話で話します。日本語音声通訳、パソコン通訳あり

オンライン中継(手話映像)予定 *回線トラブルの場合はご容赦ください。
*アーカイブ配信ありません。
*当日行う留学報告の発表資料の配布はありません。

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(写真をクリックすると、チラシPDFが開きます)


かわいい2023年度 第20期生 募集中かわいい
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https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/1398

協力:
日本財団聴覚障害者海外奨学金事業留学奨学生同窓会

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 21:47 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
第19期 金本奨学生、渡英[2023年04月29日(Sat)]
第19期 金本奨学生、渡英

4月26日(木)午前、第19期留学奨学生の金本小夜さんが、留学先となる英国ウェスト・ヨークシャー州リーズ市あるリーズ大学に向け、出発しました。
出発地の羽田空港はGW前だというのに混雑が始まっていて、チェックインカウンターもセキュリティゲートも大行列。金本さんの留学生活、スタートしましたexclamation

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<羽田空港は人、人、人。雨が降る中、出発を待つ飛行機もいっぱい>

●出発前の金本奨学生
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<コメント>
「リーズ大学の博士課程で日英の障害者文学の比較研究を行う予定です。まだ日本で発展していない分野に足を踏み入れられること、とてもわくわくしています。文学についてだけでなく、障害について、社会そのものの在り方について、イギリスやヨーロッパの伝統や文化、考え方など、多くのことを吸収し、将来日本に還元できたら、と思っています。博士号を取れるよう精一杯頑張ってきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。」

手話挨拶にチャレンジ、手話も勉強中v
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NEW
金本19期生の留学生活記録の投稿は、5月上旬から始まります。
お楽しみに〜

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 19:02 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
日本財団笹川会長を表敬訪問[2023年04月21日(Fri)]
日本財団笹川会長を表敬訪問

4月18日(火)朝、新たに19期生に選出され、翌週から本格的な留学生活をスタートする金本小夜19期生が、本事業の助成元である笹川会長を訪問し、ご挨拶に伺いました。

●文学における障害学を学びたいと金本小夜19期生
金本さんは、「就職後に、障害を持つことに起因する様々な困難を経験しました。その実体験から、障害について学び、何か行動したいと思うようになりました。イギリスは日本に比べてろう者、難聴者に向けて意識が開かれていると感じています。障害学を学び、研究を深めていきたいです。」と決意を語りました。

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笹川会長からは「イギリスで多くを学んで帰国し、日本が他国に追いついていないと感じている部分等の改善に力を発揮していただきたい。ロンドンには、日本船舶振興会(現:日本財団)からの寄付で設立されたグレイトブリテン・ササカワ財団があり、日英交流の促進やイギリス内にある12大学での日本語教育の実践等を行っています。何かのときには助けになるでしょう。」と応援のことばを頂きました。

ご挨拶終了後に、笹川会長と記念撮影
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左から 日本財団笹川会長、金本小夜19期生


かわいい2023年 第20期 留学奨学生募集中かわいい
・大学、大学院進学コース
・キャリアアップコース
 応募〆切:2023年7月10日(月)


事業担当 根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 17:17 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
第19期留学奨学生の紹介[2023年04月19日(Wed)]
第19期留学奨学生の紹介

2022年度の第19期留学奨学生募集選考において、候補者として選出された1名の留学先が決定し、2023年4月から奨学生の一員として仲間入りしました。
新奨学生をご紹介します。

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第19期 留学奨学生
金本 小夜(かねもと さや)

留学目標:現代聾文学における日英の比較
留学先 :リーズ大学 大学院 英文学
     英国(イングランド)

よろしくお願い致します。

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 23:32 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
2023年3月「GSA お絵描き」鈴木美彩(18期生) 生活記録[2023年04月08日(Sat)]
2023年3月 第18期生 鈴木美彩 生活記録
GSAお絵かき


↓動画はコチラから↓
https://youtu.be/UOR8Za2ppVY


もう暖かい季節かと思えば、今日は急に気温が下がり寒かったです。友人に毎日アプリで天気を確認したほうがいいよと言われて、最近は毎朝確認していますが、まだ寒暖差の激しい日々が続きます。早く安定した季節に入ってほしいものですが、今は重ね着したり、傘の用意でなんとか調整する日々です。

月曜から木曜日が授業で忙しいのに対し、今日は授業がない金曜日です。でも私は大抵いつも大学に来ています。言語学部のある3階にはいくつか学習スペースがあって、その日のタスク量や内容、気分に合わせて人気のないところ、明るくて集中できるところ、他の学生と一緒に議論しながら学習できるところなど、選んでいます。友人と会ったときは課題の情報交換をしたり、行き詰まってるところのアドバイスをし合ったりします。時には一週間の出来事についておしゃべりします。先生のオフィスアワーを予約し、フィードバックをもらいにも行きます。

今日はたまたま夜にGSA(Graduate Student Association)という院の学生自治会が主催のイベントがありました。しかもろう者が経営しているイタリアンピザのレストランで行われ、食べ物や飲み物が無料とのことで、この物価の高騰と円安によるアメリカの荒波に苦しむ学生としては願ってもない外食のチャンスでした。先に到着していた友人と合流し、お店の中に入ると、多くの白いキャンパスが用意されていました。今回は飲み食いの交流だけでなく、学業からの開放がイベントの趣旨でした。春学期も終わりを迎えようとしている今日この頃、院生は最終プロジェクトのエッセイやプレゼンテーションの準備に追われています。そこで、絵を描いてストレスを発散させ、パフォーマンスの質を上げようというわけです。Sorensonという電話リレーサービスの会社の協賛によるペインティングイベントで、3時間じっくり絵を描きながらピザの食べ放題です。趣味が絵を描くことなのに、この忙しさでしばらく絵を描けていなかった私にとっては願ってもない機会でした。水彩絵の具でキャンパスを彩り、乾くのを待つ間に色々なピザを食べて、また色を重ねて、一枚の絵を描き上げました。それがこちらです。
スクリーンショット 2023-04-07 午後11.53.07.png

気の赴くままに描いていくうちに多くの色が並びました。他の参加者も今の季節にふさわしい桜の木の絵、ストレスやネガティブイメージを表現した絵、十人十色で見ていて楽しかったです。脳の容量を様々なタスクに埋め尽くされる日々から一旦離れて、頭を空っぽにし、気持ちに筆が乗っていくのがとても心地よく、かなりリフレッシュできました。

これで、様々な最終課題にも精を出して頑張れそうです。あるクラスでは、自分の興味のあるテーマを選んでこの学期中に学んだことと結びつけて発表する課題があります。これも効率的に進められそうです。
Posted by 鈴木 at 12:43 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2023年3月生活記録【第18期生 田村誠志】[2023年04月08日(Sat)]
皆様、おはようございます。こんにちは。こんばんは。

3月になりました。まだまだ寒く、毎日冬着でGallaudet大学まで通学している日々が続いています。日本ではもうすぐ4月になり、新学期や新生活の準備で大忙しですね。アメリカは、5月初めに春学期が終わりを迎えます。つまり後二ヶ月で大学院修士課程一年目を修了します。

3月には学生たちにSpring Break(日本語では春休み)というものがあります。その期間中にフランスに旅行してきました。Gallaudet大学の友達は国際交流も積極的であり、彼らの友人に紹介していただく機会をもらいました。その理由もあってフランスの聾者との交流も深めることができました。フランスを選んだ目的は、世界で一番初めにド=レペ神父が聾教育を始め、パリ聾学校を建てたという歴史があるからです。聾教育の始まりの場所へ行くことに対してとても期待を胸に膨らませ、パリの市街地やエッフェル塔、凱旋門などのさまざまな観光名所を訪れ、パリ聾学校の中も入れたので思う存分満喫することができました。

つかの間のSpring Breakが終わり、瞬く間に学業がより一層慌ただしくなりました。4月は、大学の全てのクラスの終わりが近づいてくるため、いつもの宿題に加えプレゼンテーションや最終試験の準備などに追われます。私は、一年前に学部生としてISSP(international Special Student Program)で春学期を体験しましたが、その忙しさは本当に目まぐるしいものでした。そのため、今年の春学期も忙しくなりそうだと覚悟を決め、全てのクラスのプレゼンテーションや宿題をこなすために獅子奮迅しております。

今回紹介するクラスは、「Proseminar」と呼ばれるゼミです。このクラスでは、修士課程や博士課程で必要とされる論文やプレゼンテーション、そして「Followership」や「アメリカのレジュメやCurriculumVitae」、さらにはIRB(倫理審査機関の管理下にある研究者の被験者対象者の権利や個人情報を護るための行政機関や大学の中にある諮問機関)の承認を得るための倫理研修(CITI Training)も含まれます。私はこのトレーニングを受講し、合格しました。IRBは研究者の権利を保護し、被験者の福祉や権利、およびプライバシーを保護する責任を背負っている諮問機関です。IRBは、連邦規則および組織によって既定された全ての研究活動を承認、免除、不確認、監視及び修正要求する権限を持っています。例えば、ヒトに提供するための健康食品について、被験者の協力を得るためにIRBが承認する必要があります。
私たちは、大学院修士課程の2年目で研究職の一環として必修科目のフィールドメソッドクラスを受講する予定です。これまでそれぞれの専門分野(Generative、Cognitive、Phonology)に基づく基礎的な知識を学びました。またこの講義は各フィールドで行われている研究内容、またPhD学生が現在行っている研究活動についてのプレゼンテーションを拝聴する機会があります。このProseminarのクラスを学んだ後、フィールドメソッドクラスのための準備を行うとなる時が引き締まります。

3月の大きな出来事はもう一つありました。それは、私たちGalladuet大学のPhD学生の一人が、論文審査の一環として行われる口頭試問(Defense)発表会を行い、めでたく博士号を獲得しました。この口頭試問は、論文を審査する委員会のメンバーや他の専門家たちが、論文に関する質問やコメントを提供し、論文の内容や研究方法について議論する場です。また、発表者は、その場で委員会や専門家たちの質問に適切に回答する必要があります。通常は大学の中で行われるのも珍しく、この博士号学生による口頭試問の場に参加できたのは、大変感慨深いものでした。

パリ聾学校 ド=レペ神父の銅像
IMG_2800.JPG

*2023/4/12(0:15pm EDT)にていくつかご指摘がありましたので修正を行いました。
Posted by 田村 at 02:42 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
奨学金説明会&座談会”留学のススメ” 留学奨学生に聞いてみよう![2023年04月01日(Sat)]
ひらめき参加者募集ひらめき
奨学金説明会&座談会”留学のススメ” 留学奨学生に聞いてみよう!「ろう×留学 私にも海外留学はできる」
(4/23、5/28)

海外留学や日本財団海外留学奨学金をもっと知ってもらおうと行うオンライン座談会
海外の大学の授業や生活ってどんな感じなのかな、留学するのに大切なことってなんだろう、英語学習のコツはあるのかな、とにかく何から準備したらよいのだろう…等々、参加してくださった方々からの質問や相談に回答します。
海外留学で、英語学校、大学、大学院で学びを深め、さまざまな経験をし、現在、ろうコミュニティで、また国際交流、米国の高等教育現場で活躍している元奨学生にホットな話を伺います。

募集開始となった2023年度 第20期生募集概要の説明も行ないます。
座談会に参加して、海外留学について検討してみませんか。

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テーマ:「ろう×留学 私にも海外留学はできる」
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第1回 2023年 4月23日(日)午前10時30分〜12時
◆進行役   武田太一さん(当協会理事、米国留学/4期生)
◆参加奨学生 川俣郁美さん(米国留学/5期生)
  米国ギャロデット大学で英語、ソーシャルワーク、行政、国際開発を学ぶ。
  仕事でアジアの聴覚障害者関係事業を担当する傍ら、全国・県ろう団体他で活躍中。 

参加申込は、申込み画面から(クリックすると申込画面に変わります。−4/19(水)切
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第2回 2023年 5月28日(日)午前10時30分〜12時
◆進行役   武田太一さん(当協会理事/4期生)
◆参加奨学生 富田望さん(米国留学/3期生)
  米国ギャロデット大学で言語学を学ぶ。現在米国在住で大学教員として学生に指導。
  オンライン活用などで日本のろうコミュニティ内でも多数活躍中。

参加申込は、申込み画面から(クリックすると申込画面に変わります。−5/24(水)切
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【共通項目】
1.方法:オンライン(Zoomミーティング/カメラや音声をオフでもご参加頂けます)
2.参加費:無料
3、定員:30名程度(先着順)
4.その他:
  ・日本手話で話します。
  ・日本語音声通訳、字幕(UDトーク−修正なし)付予定。
  ・ご質問は、事前に受け付けしています。
  ・見逃し配信(アーカイブ配信)はありません。
  ・Eメールでの申込は@氏名、Aメールアドレスを記入の上、日本ASL協会まで。
   本事業専用Email:ryugaku★npojass.org
   (ご利用の際は、「★」記号を「@」に置き換えください)
  ・定員に余裕がある場合は、〆切後も受付いたします。
  ・お申込み頂いた後に、アクセス方法等をご案内いたします。


かわいい2023年度 第20期生 募集中かわいい
20th_Flyer300.jpg

https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/1398

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 21:00 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
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