• もっと見る

プロフィール

津島克正さんの画像
<< 2014年05月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カテゴリアーカイブ
最新コメント
普通の主婦
津島園子さん (02/14) 池田守之
明けましておめでとうございます (01/22) 受検生
明けましておめでとうございます (01/21) 「太宰治検定」事務局
「富嶽百景」編 2011 解答 (12/31) 受検生
「富嶽百景」編 2011 解答 (12/27) 受検生
「富岳百景」編 合格発表 (12/24) 三鷹受験生K
検定無事終わりました。 (11/13) 三鷹受験生K
ピース又吉さん (10/23) 津島@実行委員長
「太宰治検定」公式HP リニューアルオープン (06/27) 一帆
「太宰治検定」公式HP リニューアルオープン (06/19)
月別アーカイブ
リンク集
最新トラックバック
人間失格 (03/30)
https://blog.canpan.info/dazaken/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/dazaken/index2_0.xml
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 11 [2014年05月30日(Fri)]
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 11

Q.『お伽草紙』のなかで、次のセリフが出てくる物語はどれでしょう?

「自業自得じゃないの。ケチンボだから罰が当たったんだわ。」

 @瘤取り   
 A浦島さん   
 Bカチカチ山   
 C舌切雀

答え















A.Bカチカチ山 

<解説>
  物語の舞台は、甲州の裏山。容姿がわるい37歳の狸(たぬき)は、美しい16歳の兎(うさぎ)に恋をしていました。しかしこの兎はルックスとは正反対の冷酷無比な性格で、醜く鈍いものにひどい嫌悪感を持っていました。狸が自分に惚れていることはもちろん、存在そのものが許せません。やがて兎は「正義の仇討ち」という名目で、狸を徹底的に懲らしめていきます。背中に火をつけたり、火傷のあとに唐辛子を塗りたくったり、泥の舟にのせて沈めたりと、容赦がありません。それでも愚鈍な狸は、それが兎の仕業とは気づきません。美しい兎に“惚れる”という一念により、凄まじい生命力で生き残ります。
「自業自得じゃないの。ケチンボだから罰が当たったんだわ。」 これは、ひどい火傷から快復した狸をみて、兎がウンザリしながら言うセリフです。懲りずに兎につきまとう狸の様は、まるで地獄絵図。『お伽草紙』他の3篇のように、夢の世界の出現によって主人公に救いが射すこともありません。兎のこの言葉は、悲劇のラストを締めくくるセリフとしても使えます。
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 10 [2014年05月28日(Wed)]
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 10

Q.『お伽草紙』のなかで、次のセリフが出てくる物語はどれでしょう?

「いや、女房のおかげです。あれには、苦労をかけました。」

 @瘤取り 
 A浦島さん
 Bカチカチ山   
 C舌切雀

答え















A.C舌切雀

<解説>
 太宰版「舌切雀」のキーワードは、<本当の事を言う>ということ。「いや、女房のおかげです・・・」これは、ラストシーンでお爺さんが言うセリフです。
 お婆さんとの不仲で世捨て人になり果てていたお爺さんは、人間の言葉を話す雀(すずめ)と出会います。しかしお婆さんが嫉妬して雀の舌を切り、逃げた雀を追って辿りついた「すずめのお宿」は、言葉抜きのコミュニケーションが成立する世界でした。会話がなくても、雀と心は通じ合う。お爺さんは、現実でも“本当の事を言いながら”生きる覚悟を決めます。
 家に帰ったお爺さんの話を聞き、強欲なお婆さんは一番大きなお土産めあてに「すずめのお宿」を探しに行きます。そして重くて大きな葛籠(つづら)を背負ったまま、凍死してしまいます。葛籠の中には金貨がいっぱい詰まっており、おかげでお爺さんは役人になり国の宰相にまで出世します。世間からは「雀大臣」と呼ばれたお爺さんでしたが・・・人々には「雀のおかげです」ではなく、誰もが予想できないセリフを言います。
 これまで解釈(教訓)でひねっていたところを、ラストは物語そのものでひねってみせる。太宰ならではの、見事なドンデン返しですね。
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 9 [2014年05月22日(Thu)]
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 9

Q.「舌切雀」からの出題

 ひたすら舌切雀を探し歩いたお爺さんは、どのようにして「すずめのお宿」に辿り着いたでしょう?
 @ 竹に積もった雪がお爺さんの頭に落ち、失神して気がつくとお宿にいた。
 A 言葉を話す無数の雀が集まってきて、お宿まで運んでくれた。
 B 美声家の雀が神さまに祈ったら、神さまが現れて案内してくれた。

答え















A.@ 竹に積もった雪がお爺さんの頭に落ち、失神して気がつくとお宿にいた

<解説>
  お婆さんに舌を抜かれた雀は、空高く飛び去っていきます。その様子をお爺さんはぼんやり見つめていましたが、なぜか胸中に異様な情熱が沸きあがるのを感じました。翌日から大竹藪の大捜索がはじまります。
  振りしきる雪の中、千も万もいる雀のなかから舌を抜かれた一羽を探すのは、至難の業です。怠け者のお爺さんがこれほど我武者羅に行動するのは、生まれてはじめての事。お爺さんの情熱の源が何であるのか、筆者の太宰も「わからない」と書いています。“恋”といってしまえばそれまでですが、心から沸きでる雀への恋心よりも、このお爺さんの気持ちははるかに侘びしいものかもしれません。いずれにせよ、お爺さんの胸の奥深くで眠っていた何かが、舌切雀によって呼び起されたのです。

(出題 「太宰治のお伽草紙」29ページより)
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 8 [2014年05月21日(Wed)]
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 8

Q.「舌切雀」からの出題
  主人公のお爺さんは、怠け者です。軒下から家の中に入ってきた雀(すずめ)が、最初にお爺さんに言ったセリフは何でしょう?
 @ 「なんでいつも、そうなの?」
 A 「何やってるの?」
 B 「あなたは、どうなの?」

答え

















A.B 「あなたは、どうなの?」

<解説>
  主人公のお爺さんは無欲で仕事もせず、お婆さんと二人暮らし。ほとんど会話もありません。ある日のこと、庭で足をくじいて仰向けになっている雀を、お爺さんは助けます。雀はお爺さんになつくようになり、ケガが治ってもお爺さんの部屋で遊んで頭にちょんと停まったり机の上を跳ねまったりしますが、お爺さんは無関心。
  しばらくしてお爺さんは「そうか。」とつぶやき、お婆さんの陰口を言い始めます。この独り言を聞いて雀が言うセリフが「あなたは、どうなの?」。
  雀が人間の言葉をはなしてもお爺さんは特に驚きもせず、「おれか、おれはそうさな、本当の事を言うために生まれてきた。」と答えます。こうしてお爺さんは胸に秘めてきた想いを雀に語りますが、楽しい時間はほんの束の間、お婆さんが登場してからは・・・。
   (出題 「太宰治のお伽草紙」28ページより)
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 7 [2014年05月19日(Mon)]
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 7

Q.「カチカチ山」からの出題
  狸(たぬき)と兎(うさぎ)は、山に芝刈りに出かけます。作者の太宰は、狸が芝を刈る様子を“一心不乱”と書いていますが、狸は何に対して一心不乱なのか?正しいものを選びなさい。
 @ 柴を刈る作業そのものに対して
 A 柴を刈るふりをして食べ物を探す行為に対して
 B 兎に見てもらいたい自分の演技に対して

答え















A.  B 兎に見てもらいたい自分の演技に対して

<解説>
 狸はひそかに兎に恋をしていました。柴を刈るときも、兎に見てもらいたい自分の行為に対して“一心不乱”になります。そうすれば働きぶりをみて兎が自分に振り向いてくれる、と勝手に思い込んでいます。
  この後、お弁当を食べるのにも一心不乱になりますが、この時ばかりは兎の視線を忘れてしまいます。狸の食欲は色欲よりも勝っていて、そのためにバツの悪い思いをしてきたことを後で独白します。
      (出題 「太宰治のお伽草紙」90ページより)
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 6 [2014年05月14日(Wed)]
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 6

Q.「カチカチ山」からの出題
  ものがたりの主人公である狸(たぬき)のモデルとなった、実在の人物とは誰でしょう?

 @小山清  
 A亀井勝一郎
 B田中英光 
 C太宰治“本人”

答え















A.  B田中英光            

<解説>
 「『お伽草紙』の頃」より抜粋
<「カチカチ山」を書きながらは、田中英光君の大々とした姿が頻りに心頭を去来して感興を豊富にしたという話です。狸のモデルは私だという説がありますが、これは嘘。田中君こそはあの団々とした愛嬌者の真の原型です。>

「お伽草紙の頃」の著者・小山清は、狸のモデルについてのエピソードを、直接太宰本人から聞いています。
 田中英光は太宰の一番弟子であり、師を慕うあまりにやがて太宰の後を追うように自殺しました。ちなみに狸の年齢は、当時の太宰と同じく37歳に設定されています。
       (出題 「太宰治のお伽草紙」60ページより)
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 5 [2014年05月13日(Tue)]
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 5

Q.「浦島さん」からの出題
  浦島が乙姫さまの後についていくと、亀から意外なことを言われて驚きます。亀の言葉として、正しくないものを一つ選びなさい。

 @「乙姫はあなたの事なんか忘れています。」
 A「乙姫は百年千年ひとりでいるから孤独です。」
 B「乙姫はあなたを案内するつもりはありません。」
 C「乙姫は素知らぬ振りして自分の部屋に帰るのです。」

答え















A.A「乙姫は百年千年ひとりでいるから孤独です。」

<解説>
 竜宮城には、現世の常識を超えた美しい異世界が広がっています。上も下も昼も夜もなく、時間も流れていません。乙姫だけでなく幾億という竜宮の住人たちは、客人である浦島をすぐに忘れてしまいます。おもてなしという意識は存在しません。美酒やご馳走にも、客の賛辞をあてにする意図はありません。
「客を迎えて客を忘れる。これぞまさに、真の貴人の接待だ。」と浦島はよろこびます。人のうわさ話や陰口など、陸上でのコミュニケーションに嫌気がさしていた浦島は、批評も干渉もない竜宮の世界にすっかり魅せられていきます。
       (出題 「お伽草紙」67〜68ページ
           「太宰治のお伽草紙」16ページより)
太宰治朗読会 [2014年05月07日(Wed)]
■ ■ ■ 太宰治朗読会 ■ ■ ■

朗読作品・・・『リイズ』 『東京だより』 『竹青』

朗 読 者・・・原きよ


■日 時:2014年6月19日(木) 16:00〜17:30(開場15:30)

■会 場:太宰治疎開の家旧津島家新座敷
      金木駅/斜陽館より徒歩4分 五所川原市金木町朝日山317-9 

■参加費:1000円(お茶お菓子付き)

■定 員:30名 予約が定員になり次第締め切り


原 きよ プロフィール
 元大分放送アナウンサー。三鷹市を拠点に、太宰ゆかりの地や場所での 朗読で活躍。
映画「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜」のドキュメンタリー番組に 原作朗読などで参加。
ここ旧津島家新座敷での太宰生誕日ライブは第6回目となる。


■予約/問合せ:電話0173-52-3063 白川  
 ネットからのお申込みはこちら
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 4 [2014年05月01日(Thu)]
太宰治検定2014「お伽草紙」編 練習問題 4

Q.「浦島さん」からの出題

  竜宮城の入口にある階段は、“これを食べると300年間老いる事がない”といわれる無数の珠でできています。浦島も思わず食した、その珠の正体とは?

 @サクランボ
 Aイチゴ
 Bクルミ
 Cゼリー
 Dコンペイトー

答え















A.@サクランボ(桜桃)

<解説>
 浦島は助けた亀に案内されて、竜宮城にやってきます。入口には階段がありますが、一段一段ではなく、灰色に光る小さい珠がぎっしり敷きつめられたゆるい坂になっています。浦島は珠の正体を“真珠”かと思いますが、手にすくうとひんやり冷たく「霰(あられ)だ!」と叫びます。亀にすすめられて口に入れると、思わず「うまい!」。亀いわく「これは海の桜桃です。これを食べると三百年間、老いることが無いのです。」
 桜桃(サクランボ)といえば赤色ですが、海の桜桃が鈍い輝きの灰色というのは、太宰ならではの発想です。ちなみに桜桃の花びらは気持ちよく酔える竜宮の“お酒”で、いくら食べても飲んでも制約のない竜宮城の生活に、浦島はすっかり虜になるのです。
      (出題 「お伽草紙」60〜61ページより)