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第91話 右窯底のピットに水溶液とタールが満杯になって![2008年06月16日(Mon)]


 5月の第2週目は雨天で活動ができませんでしたので、6月の第1週目の7日は約1月ぶりに竹炭やきを行いました。いつもと同じ手順で作業しましたが、翌朝右窯の火が消えていました。

 昨年5月に新設の鉄製炭窯になってから20回目の竹炭やきですが、窯底のピットに水溶液とタールがたまって排煙出来ずに火が消えてしまったという、いままでにない失敗を経験しました。その経過と今後の対応についてまとめてみました。


6月7日の右窯の状況

 作業はいつもと同じ手順で進めましたが、右窯の温度は15時30分に66度を記録したものの、1時間経過した16時半になっても54度しか上がらず、左窯に比べて右窯の煙の勢いが見られませんでした。
 15時から15時30分の間で急に温度が上がったとき、焚口の方へ火が逆流しましたが、焚口でうちわで絶えず風を送って何とか切り抜けました。しかし、その後の温度は54度のまま17時まで推移しました。




    写真1上段:6月7日17時のレンガを1段外した右窯内部
        中段:6月7日17時35分、送風機で風を送って炭材に着火
        下段:炭材の水分が勢いよく水煙となった状態(別の日に撮影)


  そこで写真1上段のように焚口中央の障壁のレンガを1段外しました。本来なら炭材に火がついていなければならない時間なのに、炭材は写真1上段の状態でした。

 写真1中段は止むを得ず送風機で風を送ってやっと70度にあげて炭材に火が付くようにして、いつもは20ミリの空気の流入量10ミリ多くした35ミリにして6月7日の作業を終えました。

 従来は火入れから2時間を経過すると写真1下段のように、水蒸気を含んだ煙(水煙)が勢いよく出てきますが、今回の右窯の水煙の勢いは全くなかったのです。


5月3日と6月7日の火入れから空気量調整までの温度推移



   図1 5月7日と6月8日の火入れから空気調整までの温度推移

 図1は前回5月3日に炭やきをした時と今回6月7日の火入れから空気量調整に入るまでの間の温度推移を比べてみました。

 5月3日のグラフを見ると、炭材に着火すると思われる60度になるのに2時間強費やしていて、緩やかな温度勾配でした。

 6月7日では左右の窯ともほぼ同じ温度勾配ですが、5月7日に比べて温度勾配が急です。
 炭材に着火したと思われる15時30分ころから54度に下った右窯は水煙に勢いがないことわかっていたが、その原因はつかめないまま、その日は18時のゲート閉鎖に間に合うように作業を終えました。


6月8日 右窯の火は消えていた ! ?

  右窯の火は消えていて焦げた炭材を取り出す(写真2)とともに、原因は図・写真3のように、窯底のピットに竹酢液とタールがたまって煙道を塞いでいるのが原因であることが判明しました。



       写真2右窯の炭材を取り出す状況

  右窯の半焦げ状態の炭材を取り出し、ピットの中の液を石油用のゴムポンプで吸い上げるとともに、タールをシャモジでかき出しました。計量すると液が1.95kg、タールが0.2kgありました。
 右窯はピットの中を乾燥させるために、窯内を空焚きして次週14日に備えました。






     図・写真3 窯底一杯に溜まった水溶液とタール
 
  図・写真3ではピットは完全に水溶液で塞がっていて煙が完全に閉鎖されていて炭材が全く炭化できない状態であることがわかります。

 左右の窯とは温度勾配がほぼ同じでしたが、焚口での火を微妙にゆっくりさせるかどうかで決まると思われます。

 6月14日には左窯の竹炭の窯出しをしましたが、液とタールが満杯に近く、右窯と同じ状態になる寸前だったということがわかりました。


火入れのとき、はじめチョロチョロで!

 インターネットで「ドラムで楽しい炭焼き」には、滋賀県高島市新旭町饗庭2017-1楽しい炭焼き主宰の堀 久好さんの「簡易炭化炉による製炭法(テキスト)」の「火入れ」の項には、はじめチョロチョロと書いておられます。その項を引用させてもらうと、

・最初から燃料を詰め込まないで少しずつ補給する
・後は自然(じねん)に入るまで火の番を続ける。(時々、”おき”を掻き出してやる)
・煙突を高くすると温度の上がりが早く自然までの時間が短い
・煙突を低く、さらに口を狭くすると自然までの時間が長い
・自然に入るまでの煙は、濃灰白色で水分が多い

 上記5月3日と6月7日の図1のグラフからも火入れから空気量を調整する自然までの温度勾配はできるだけ緩やかにする必要があることを示しています。


窯底に溜まった水分を排出させる工夫

 岸本定吉 監修 池嶋庸元 著「竹炭・竹酢液のつくり方と使い方」(社団法人農山漁村文化協会)に、『三浦標準窯(故三浦伊八郎東大名誉教授設計)』の図面でみると、図3のように窯底に排水管で炭材から出る水分を排出させています。



         図3 三浦標準窯

 また、「青川炭焼きの会(平成13年12月)炭窯づくりと炭焼き計画書」には、「雨が多く、山の斜面を掘り込んで築かれる日本の炭窯は、外部からの水分の進入と、炭材からでる水分の対策に独特の工夫を凝らしています。
 材料からでた水分は比較的温度の低い窯底に集まります。又、煙に含まれる水蒸気は、煙突部分で外気に接して結露します。こうした水分は窯全体の温度上昇を遅らせるほか、窯底に接する部分の炭化に影響します。
 これら窯内部から出る水分に加え外部から進入する水の対策として、窯底は奥に向って傾斜が付けられ煙突の底に水が集まるようにします。集まった水は煙突の底から地下に浸透し、下に埋めた節を除いた半割の竹によって窯の外部に排水されます」と煙突が冷えていると結露になる可能性を示唆しています。


雨が吹き込んで煙突側の土が湿っていた!

 現在使っている鉄製窯の底には図・写真3の上段のようにねじをきった栓を取り付けていました。三浦式標準窯のように排水管を設置することも検討しましたが、小さい窯なので排水管を設けず、ピットで対処できると思っていました。

 この失敗作の炭やきの日にはベテランのFさんは欠席でした。14日の炭やきのとき、Fさんは「煙突側は山の斜面になっていて雨が吹き込んでいて、煙道周辺はいつも湿気た状態で煙道が冷えた状態になりやすい」と指摘してくれました。

 炭やきでは火入れして炭材が熱せられると、最初は水蒸気を多量に含んだ重い煙が出始めます。煙道が冷えていると、その煙は煙道から排出しようにも重い煙のため窯底にたまりやすいのです。

 今回の場合は煙道へ導かれた煙は通過する筒の周辺が冷えていたために、窯底に重い煙が滞留し、少しは煙突へ入っていった煙も結露したりしてどんどん水滴がピットにたまる経過をたどったのだろうと推測できます。

 この煙は、排気口を通して速やかに排出し、窯内の熱対流を早める必要がありますが、その対策として煙道をしっかりと暖めてやることが必要なのです。

 今回の失敗から学ぶ今後の留意点として、炭材を詰める前の作業として窯を暖めていますが、冷えた煙道を十分に暖めるように注意しなければならないことがわかりました。
 煙道の温度をあげることによって、煙は煙突を通して流れていくのです。





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