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第86話 花見山に下草が顔を出し始めた![2008年05月07日(Wed)]

  昨年秋から本格的に花見山の間伐作業に取り掛かり始めました。北摂霊園から下って東海自然歩道の散策路である勝尾寺川支流の渓流沿いの標高400メートル近くから東斜面に作業道を2つのルートを作っています。作業道は標高500メートル以上ある花見山頂上に向かって勾配を考えてカーブを入れながらの作業です。

 この斜面は人の手が入らなくなってから数十年は経っていると思われます。木々に蔓が巻きついた暗いジャングルの森林でしたが、間伐をしながら進めてもう少しで頂上に近い杉の植林地に到達します。
 

 その作業道を作るために間伐したところでは、日が差し込んできて草が顔を出し始めました。目を凝らしてよくよく観察しないと見逃してしまうほどですが、今まで日が差し込まず暗黒に近い林の中に少しずつですが変化が見え始めました。

間伐前

  写真1上段は花見山の頂上付近を東海自然歩道散策路の西隣の谷筋(石庭)から写しました。木々に蔓が絡み合ってもやし状に太陽を求めてヒョロヒョロに伸び、この山の地面に太陽の光は全く入らない状態です。

 作業道は写真1上段と隣り合う東側の谷から進めています。
写真1下段は作業道が出来上がって間伐が少し行われたところを写しました。まだ、蔓の根元を切っただけなので木々にぶら下がった状態になっています。




      写真1上段:花見山を西の谷から見る
          下段:蔓が絡み合う花見山


間伐後


 写真2は間伐した後の山肌です。角張った石がごろごろ点在していて下草は全く生えていません。




    写真2 間伐で現れた下草の生えていない山肌

 東海自然歩道散策路の勝尾寺川支流の渓流には大きな岩や石が急斜面に点在していますが、これらは大雨で斜面を落ちて渓流になんとか留まっている状態です。

 この下草の生えていない山肌の斜面に保水能力があるとは思えません。
 
 写真1上段は4月12日ヤマザクラの開花状況を見るために、花見山の西側からの石庭から花見山を写したのですが、半年振りに登った石庭への道は、山の斜面から転げ落ちてきた石であちこち点在していて歩きにくい状態になっていました。


 この半年の間に箕面方面に大雨災害がないのに、下草が生えていなくて保水力のないこの山では、少しの雨でも土壌が雨によって流出し、浸食され、災害の危険性が高くなることを示していました。

 全国各地から集中豪雨のたびに、土砂崩れ等の被害が報道されています。森林の放置による下草がなく、山に保水力が低下していることもその原因の一つと言えるのではないでしょうか。


間伐した後に下草が芽を出した!

 5月3日作業道つくりや間伐作業を終えて山を下りているとき、Tさんが「下草が芽を出している。何年も陽が入らずじっと耐えていたのだろうな!」と話しかけてきました。

 写真3上段は間伐して少し陽が入るようになった斜面です。写真3下段はその斜面に下草がわずかに芽を出し始めたところです。よくよく目を凝らさないと見落としそうです。4月下旬から晴天が続いていますが、5月5日には一雨降ったので、下草もどんどん成長してくれることでしょう。




   写真3 上段:間伐で陽が差し込むようになった斜面     
        下段:陽が差し込むようになって下草が芽を出し始めた


花見山のこれからの姿

 今年の3月3日に第77話「『狐のベンチ』周辺の草花」の記事の中で「このあたりは10年ほど前には木々が密集していて分け入って進まなければならなかったのですが、豚汁広場の間伐を終えたあと、次に手がけた場所です。木々が密生していたこのあたりを間伐して光が差し込んで明るくなると、最初に芽を出してきたのがこのキツネノカミソリだったのです」と書きました。

 また、第80話では「このあたり『狐のベンチ周辺』はジャングルでベールを被ったようで、これら3本の桜も太い蔓が巻きついて大人がぶら下がっても切れないほどだったそうです」とも書きました。

 花見山のいまの姿は上記第77話や80話の記事のような状態から間伐が少しずつ行われている状態だと思われます。

 その「狐のベンチ」周辺の間伐に入ってから10年後の姿が写真4です。




      写真4「狐のベンチ周辺」の状況(5月4日撮影)

 「キツネノカミソリは、涼しいが湿気が多く、光が差し込んでもカンカン照りでないこの場所が好きなようです」と書きましたが、花見山は標高も高く、勝尾寺川支流からも離れているので下草はどんな草が出てくるのか見当もつきません。しかし、この山の頂上付近の杉の植林地へ行くまでの斜面にはヤマザクラやヤブツバキが数多く自生しています。傾斜地なのでキツネノカミソリやチゴユリなどは出てこないと思いますが、10年後には下草が茂って素晴らしい景観を作り出してくれることと期待しています。

森を守る

 インターネットで「森林の保水力 下草」で検索してみると、「駿河木挽きの邑」のホームページの中の「間伐が森を守る」には、わかりやすい言葉で間伐と下草の役目を説明していましたので引用してみました。
「『間伐』とは森林の密度を調節するために木々を伐採(切る)することです。一瞬『自然破壊?』という誤解が生じ易いものですが、実はこの『間伐』は森林を守り育てていく上で必ず必要となる重要な行程なのです。
 植林した苗が育ち、木々が混み合ってくると太陽の日差しがすみずみまで行き渡らなくなり、全体的にやせた森林になってしまいます。それを防ぐため『間伐』が行われます。病気の木や質のよくない木などを取り除きながら混み合った森林を整理し、日光や栄養がきちんと行き渡るように調整することで元気な森林が育つというわけです。『間伐』をきちんと行っている森林では木々がしっかりと根をはり、下草とよばれる小さな草木が生い茂ります。これらは大雨の際の土砂の流出を防ぐ他、森林の保水力を助ける働きにもつながります。つまり、『間伐』は森林を守るための大切な作業というわけですね」。

 

魚つき林(うおつきりん)

 以前ある漁業組合が魚を増やすために、森に植林をしたという記事を読んだことがあります。そこで、「森林を守る 漁業」で検索してみると、「魚つき林」という言葉を見つけました。フリー百科事典『ウィキペディア』によると、

 「昔から、漁業者の間には、海岸近くの森林が魚を寄せるという伝承があり、そのため海岸林や離れ小島の森林を守って来た歴史がある。そのような森林を魚つき林(うおつきりん)という。現在、そのような名目で魚つき保安林という名のもとに保護を受けている区域もある」。

 そして、その科学的根拠として「具体的な因果関係という点では、明確なものはわかっていない。しかし、恐らく過去に森を荒らして魚が減ったというような事があったためでなければ、このような伝承も残らないはずである。おそらく、いろいろな経験から、古人は森と海のつながりを知っていたものと思われる。

 ところが、最近はこのようなことが認知されやすくなっている。 近年、"磯焼け"、つまり海岸の岩礁に海藻が生えなくなる現象が見られるようになり、これが実は山奥の森林の荒廃が進むにつれ、海へ流れ込む成分が変化したためではないかと言われるようになった。これに基づいて、川の源流を守る事が漁業を守る事につながるとの認識で、独自に植林事業にのりだす漁業組合が出現するまでになった。

 このように、海の生態系と陸の生態系とのつながりを示す現象も次第に明らかになり、根拠も次第に集まりつつある。この両者の間で物質の移動が予想以上に大きな役割を持っている事が分かりつつある。今後はより広く森林保護が人間の生活を守る事につながるとの理解が進む事と期待される」。
 
 さらに、「魚つき林」では、陸と海との繋がりの項で、森林から川を経て海に無機塩類などの供給し、海藻類が育ち、魚の食料になり、「食べる・食べられる」という食物連鎖まで書かれていますが、食物連鎖や物質循環の話題は、別の機会にまとめることにします。

 この稿を校正してもらったNさんから魚つき林に関連して「山の神に海の中でもグロテスクな海の幸のオコゼ備える風習がある」と教えてもらいましたが、各地にこうした風習があることがネットの検索でわかりました。

 森林を守ることは、海に生息する生物も守る重要な役目をしていると思います。



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コメント
いつも拝見させて頂いております。
先日紹介頂いた高島町観光協会の芦生の森を地蔵峠から上谷の由良川源流の杉尾峠までいくつもの瀬渡りをしながら歩いてきました。 昨12/2には美山側からトロッコ道も歩きました。 次の機会には下谷を歩いてみたいと思ってます。
第86話の魚付き林の話は北海道の昆布の繁殖や豊かな魚場を守る為に植林をした話を昔聞いた事があります。今まで間伐作業をやってることがどれだけ大切な事かよく判りました。 これからも微力ながら活動を続けたいと思っております。
有難う御座いました。
Posted by:松本吾郎  at 2008年05月18日(Sun) 23:52

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