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炭化室の前面の障壁について(続き)[2007年10月30日(Tue)]


 前々回10月23日の記事では「炭化室の前面の障壁」について、ドラム缶時代には障壁を設けていなかったことを書きました。その記事を書くきっかけとなった「ドラム缶時代に戻って一度竹炭をやいてみたい」というKさんの提案をうけて、早速に10月28日〜29日にかけて右窯で試してみました。この結果は今週末に窯出ししますのでその出来高と併せて別途まとめるつもりです。

 今回は前々回の続きで、新しく6ミリの鉄製炭窯になって障壁を設けてやいている状況を報告するとともに、ドラム缶式と6ミリ鉄製炭窯との出来高率を比較してみました。


障壁を設けたときの炭窯の状況

 写真1はFさんがレンガと赤土で作った障壁です。障壁の上には枯れた竹を小割りものを載せています。



    写真1 火入れ前に炭材の前面に障壁を作る

 写真1に示すようにこれだけ高い障壁を作ると、Fさんが幼いころに父親と炭やきをしていて「窯内に炭材を詰め終わると窯口をレンガと赤土でふさいでしまい、『煙道口」と『焚口』だけになってしまう。炭材に直接火を点けないでどうして火が回って炭ができるのだろう」という疑問を抱くほどの障壁の高さです。
 Fさんはこの障壁の高さをいろいろ変えていて、良質の竹炭ができるようにまだ試験中だそうです。

 障壁ができたら写真2のように、炭窯の蓋を半開きにして火入れします。炎は煙道口へ向けて煙とともに引き込まれていきますので、炭材は窯の上部から窯底の煙道に向けて徐々に火が回っていきます。




     写真2 炭窯の蓋を半開きにして焚口で火入れした状況

 写真3に示すのはNさんの障壁です。彼はFさんより障壁の高さは低く、障壁の上には燃料となる小割りの枯れた竹を載せていません。



     写真3 Fさんの障壁と火入れの状況

障壁に関する資料から
 竹炭に関する本やインターネットからの検索でも障壁のことを詳しく記載した資料は少ないようですが、9月22日の「炭窯各部の名称と炭やき用語」の記事の中の障壁に関する資料を再掲してみました。

障壁:加熱室に近い炭化室の前方部は常に長く、強く熱せられるので割れや炭化等をうけやすくこれを防ぐため障壁を設けたり、太い炭材を用いる等種々考えられています。私たちのドラム缶の04窯ではこの障壁を設けていなかったが、焚口に近い窯底では竹炭が強く熱せられて灰になる量が多く、新しい07窯ではレンガと赤土で障壁を設けています。

障壁を造ると炭化が安定(出典不明)

 ・焚き口の奥に耐火煉瓦を積み障壁を築く。(窯壁の50〜60%が目安)
 ・障壁の効果は@点火の際の煙の逆流を防ぐ。A炭化室内に直接冷たい空気が入ることを防ぎ、炭化室内の温度差が少なくなる。B窯口付近の炭材が火に接して灰になりやすいのを防ぐ。


 写真4は障壁を設けなかったときの炭窯を開けた直後の窯の中の状況です。窯底の中央の黒くなった箇所には空気量調節用の可搬式煙突パイプ(Φ115ミリ)を突っ込んでいたために、この部分が強く熱せられて灰になっています。また、窯底は一般的に良質の炭ができるのですが、パイプからの空気で強く熱せられた周辺は空洞が広がっています。



     写真4 障壁を設けないときの竹炭の出来具合

障壁の有無による竹炭の出来高率

 ドラム缶式時代の炭やきでは、昨年10月ころまで温度計測も出来高重量の測定もしていませんでしたのでデータ数は少ないのですが、障壁の有無による竹炭の出来高率を表とグラフにしてみました。



 04窯はドラム缶を加工した窯で約3年使ってきたので、窯底に穴が開いていました。
 したがって、窯の大きさ、形状はほぼ同じですが、07窯では鉄板6ミリで新設したばかりです。

 04窯出来高率6個の平均値は18.4%で、07窯出来高率16個の平均値は22.0%となりました。

 07窯の方が出来高率では1.6%上回っています。


 この結果からみると、障壁を設けた方がよさそうですが、10月28日〜29日に右窯で試みた、07窯で障壁を設けなかった出来高率の結果とも併せて検討していきたいと思っています。


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