第218話 新聞記事などに見るウグイスの話題[2016年03月23日(Wed)]
箕面市街地での今年のウグイスの初鳴きは3月4日だった。
我が家は大阪大学・千里学舎の北側にあり、周辺は箕面市と吹田市、茨木市の境界はこんもりとした林になっている。その林に生息しているのだろう。ウグイスは毎年3月初めからで「ホーホケキョ」と聞かせてくれる。今朝も近くで「ホケキョ、ケキョ」と聞こえていた。
写真1 箕面・吹田・茨木の市境界の公園
この時期には箕面市体験学習の森でもウグイスの鳴く声を聞けるが、だんだんクラブの活動日は月に3回(炭焼きのある日は日曜日の窯止めのため5日になる)なので初鳴きは観測できないでいる。
ウグイスの初鳴日(しょめいび)
気象庁では「生物季節観測の情報」を出している。その概要を見ると、「全国の気象官署で統一した基準によりうめ・さくらの開花した日、かえで・いちょうが紅(黄)葉した日などの植物(植物季節観測の多くは標本木で実施)や、うぐいす・あぶらぜみの鳴き声を初めて聞いた日、つばめ・ほたるを初めて見た日などの動物季節観測を行っている。植物ではうめ、あじさい、いちょう、かえで、である。
うぐいすの初鳴日とは、春にうぐいすが「ホーホケキョ」とさえずるのを初めて聞いた日を言う。気象庁のネットには神戸が2016年で3月10日(平年は3月12日)、京都では平年が3月1日だが、2016年は未だ記載されていない。
写真2 西宮市東山台にて(後輩のMさんから提供)
因みに、3月5日の朝日新聞に「消えたトノサマガエル 生物の観測、都市化で休止相次ぐ」で、この生物季節観測の情報からトノサマガエルが消えたことが掲載されていた。
図 生物季節観測の対象動植物(朝日新聞から引用)
トノサマガエルについて、平成26年7月22日に公開した「第198話 体験学習の森の生き物たち・続き」の中で、勝尾寺川支流の昭和60年治水事業の砂防堰堤で見つけたトノサマガエルの写真を掲載したが、産経新聞夕刊2014年7月8日の第一面で「トノサマガエル もはや希少種!?」の記事には、平成24年度には環境省のレッドリストに「準絶滅危慎種」として新たに記載されたという。
上記朝日新聞の続きには「東京・大手町の東京管区気象台では2011年、6種の観測をやめ、ウグイス、ツバメ、シオカラトンボ、アブラゼミ、ヒグラシの5種類に絞った。ただ『春告鳥(はるつげどり)』とも呼ばれるウグイスの鳴き声は2000年を最後に確認できないという。地方都市でも変化が見られ、広島地方気象台は2013年以降、ヒバリの初鳴の記録がない。甲府地方気象台のヒグラシの初鳴は2013年が最後だ」と書いていた。
「ホーホケキョ」競争なければ消える?
昨年5月11日付朝日新聞夕刊に「『ホーホケキョ』というさえずりは、競争のない環境いると数十世代で『ホーホピッ』など単純な節回しに変化してしまうとする研究結果を、国立科学博物館の浜尾章二・脊椎動物研究グループ長が米科学誌に発表した」の記事が掲載されていた。それによると「このさえずりは、オスが繁殖期に発する。緒張りを確保してメスを引きつける役割があり、複雑なほうが有利に働くことが知られている。この実験はハワイ・オアブ島と日本のウグイスのさえずりを分析したもので、オアブ島のウグイスは、通年同じ場所にとどまり暮らしているのに対し、日本のウグイスが季節ごとに移動して春先に繁殖地で縄張り争いをして、競争社会にさらされている。日本でも小笠原初島では単純なさえずりになる傾向がある。ハワイで野生化しているウグイスは、日本から約80年前に複数回持ち込まれたという記録が残る。
研究グループは2010年春、ハワイのオアブ島にいるウグイス24羽のさえずりを録音すし、競争のない環像にいると数十世代で『ホーホピッ』など単純な節回しに変化してしまうとする研究結果」である。
浜尾グループ長は「環境に応じて、さえずりがこれほど短期間で大きく変化してしまうとは驚きだ」という。
日本は四季の変化がはっきりとしているし、列島が南北に長いのでいろんな個性を持ったウグイスが競争社会の中で生存していることで味わいのある鳴き声を味わえるのは幸せである。
勝尾寺川支流のドロノキ周辺
だんだんクラブの活動拠点の豚汁広場の東の茨木市との境界沿いに勝尾寺川支流が流れている。周辺の景色に彩りを添えているだけでなく、鳥たちが集まってくる場所でもある。
昨年2月初旬に、この渓流にジョウビダキがやってきて撮ったのが写真3である。
写真3 勝尾寺川支流にやってきたジョウビダキ
この渓流の流れの中にドロノキの大木が生えている。そのドロノキは2月ころには写真4のように葉っぱを落としている。
写真4 勝尾寺川支流のドロノキ(2016年2月6日撮影)
このドロノキの周辺はブッシュになっていて、だんだんクラブの具体的な活動の中に「鴬、冬鳥等のために谷川に沿っての藪は残す」ことにしていて、昨年2月初旬の写真5のジョウビダキはブッシュの中に出たり入ったりしていた。
写真5 ブッシュは小鳥の隠れ処
数年前にこの渓流でやぶの中をパッパッパと活発に動きながら葉にいる昆虫を捕えているウグイスを撮ったことがあるが、残念ながらそのファイルを見つけることができなかった。代わりにMさんの西宮市東山台のブッシュの中のウグイスを写真6で使わせてもらった。
写真6 ブッシュの中のウグイス(東山台のMさん提供)
このドロノキも3カ月もすると、葉っぱが生い茂って渓流沿いは、日陰ができ渓流に沿う涼風で手ごろな休憩場所になっている。
写真7 葉っぱが生い茂ったドロノキ(2015年5月2日撮影)
2月の第4週の活動日に、Tさんは野鳥観察ブックを持ってきていて、「ドロノキの近くでじっくり座って観察していると、小鳥がやってきて良い写真が撮れるよ」とアドバイスしてくれた。このドロノキには小鳥が集まってくる場所でもある。
鶯(ウグイス)と鷽(ウソ)
2016年1月30日の天声人語に「鷽も嘆く悪辣詐欺」で学門の旧字体學の下の「子」を「鳥」に替えた「鷽」の字を「ウソ」と読むとは知らなかったし、鳥そのものも知らなかった。
漢字の「鶯」は、「栄」「営」「蛍」の旧字体の「榮」「營」「螢」に対し、「鷽」は「学」の旧字体「學」の旁(つくり)の「子」を鳥偏にした鳥の名前・ウソになっている。鳥偏旁をネットで調べると、170字ほどもあった。
天声人語の冒頭部分は、「紛らわしいけれど、なりすましたり騙(だま)したりしているのではない。『鷽(うそ)』はしばしば『鶯(うぐいす)』と読み間違えられる。菅原道真に ゆかりの鳥で、今月は各地の天神様で『鷽替(うそか)え神事』があった。鳥の名にちなみ、去年あった凶事を『うそ』にして幸運を招くいわれである▼去年に 買った鷽の木彫りを神社に納めて、新しいものに買い替える。ありがたいことに、去年ついたうそも全部帳消しにしてくれるそうだ」と書いていた。
「鷽は、學の冠を被る鳥で、神社は学問の神様・菅原道真たとえられることも」とは、ネットの検索で見つけたコメントである。
「里山の自然」の写真集CDを送ってくれたMさんの「周辺の野鳥」にウグイスの次にウソの写真があった。
写真8 身近に見かける「鷽」(東山台のMさん提供)
日本の野鳥図鑑(松田道生=監修:ナツメ社)の「ウソ」によると、「ウソのような名前の由来は鳴き声にあります。『口をすぼめて息や声を出す』意味の『嘯(うそぶ)く』にちなんでいます。この鳥の鳴き声は、聞くとわかりますが、口笛のようにやわらかな音質です。その声は四季を通じて聞くことができます。
イカル同様、数つがいが隣り合って繁殖し、一年を通じて群れでいるため、やはり群れの意思伝達のためによく鳴くようです。すぐ近くで見ることもできますが、そんなときは警戒して鳴き声が強くなります。冬は、葉を落とした木に止まり、小さな嘴(くちばし)で芽をついばむようすを観察できます」と解説している。
切手に見る「ウソ」と「うぐいす」
切手の中にネット(緑水庵)鳥の普通切手があったので、引用させてもらった。
写真9 鳥の普通切手(ネット緑水庵から引用)
郵便局で130円の「ウソ」の切手を問い合わせたが、現在は浮世絵の切しかないという返事だった。
かつて、切手の収集をしていたことがあって調べてみたが、主に記念切手の収集だったので持ち合わせていなかった。たまたま10円切手のうぐいすが見つかった。1964年2月10日発行である。
写真10 うぐいすの切手
130円の「ウソ」の切手はネットから引用させてもらった。
写真11 130円の「ウソ」の切手
鳥や昆虫が激減している!
上記の初鳴日の中で、「東京管区気象台ではウグイスの鳴き声は2000年を最後に確認できない」というし、「広島地方気象台は2013年以降、ヒバリの初鳴の記録がない。また、甲府地方気象台のヒグラシの初鳴は2013年が最後だ」という。
そんな折、3月17日付朝日新聞朝刊に「稲作用農薬 トンボ幼虫減った」の見出しで、「稲作では、作物の根から吸い上げられ、食害した虫を殺す『浸透移行性殺虫剤』という農薬が広く使われている。毒性は低いとされているが、トンボなどの減少傾向との関係が指摘されるネオニコチノイド系農薬も含まれる。殺虫成分の水中濃度は分解して急速に減少したが、土壌中には長く残っていた。水底にすむヤゴが影響を受けた可能性がある」と指摘していた。
戦後食糧難で夏休みは田舎で過ごしていたころ、水田の周りに赤旗が立てられ「パラチオン農薬散布で近寄ると危険だ」と言われた時代を思い出したが、最近の米作りでは、農薬散布による危険区域の表示は見られなくなった。
近年秋の田んぼに見られた赤トンボが激減していると言われて久しい。田んぼの草取りの風景が見られなくなった代わりに、秋の田んぼの周りで赤とんぼが飛んでいる田園風景もなくなりつつある。
その原因に上記記事によると、浸透性殺虫剤が考えられるという。
昆虫を食する鳥たちは、食べ物の昆虫が減っていくため生存の危機に陥りかねない。ひいては人間にも食物連鎖の影響が及んでくることも考えなければならないだろう。
我が家は大阪大学・千里学舎の北側にあり、周辺は箕面市と吹田市、茨木市の境界はこんもりとした林になっている。その林に生息しているのだろう。ウグイスは毎年3月初めからで「ホーホケキョ」と聞かせてくれる。今朝も近くで「ホケキョ、ケキョ」と聞こえていた。
写真1 箕面・吹田・茨木の市境界の公園
この時期には箕面市体験学習の森でもウグイスの鳴く声を聞けるが、だんだんクラブの活動日は月に3回(炭焼きのある日は日曜日の窯止めのため5日になる)なので初鳴きは観測できないでいる。
ウグイスの初鳴日(しょめいび)
気象庁では「生物季節観測の情報」を出している。その概要を見ると、「全国の気象官署で統一した基準によりうめ・さくらの開花した日、かえで・いちょうが紅(黄)葉した日などの植物(植物季節観測の多くは標本木で実施)や、うぐいす・あぶらぜみの鳴き声を初めて聞いた日、つばめ・ほたるを初めて見た日などの動物季節観測を行っている。植物ではうめ、あじさい、いちょう、かえで、である。
うぐいすの初鳴日とは、春にうぐいすが「ホーホケキョ」とさえずるのを初めて聞いた日を言う。気象庁のネットには神戸が2016年で3月10日(平年は3月12日)、京都では平年が3月1日だが、2016年は未だ記載されていない。
写真2 西宮市東山台にて(後輩のMさんから提供)
因みに、3月5日の朝日新聞に「消えたトノサマガエル 生物の観測、都市化で休止相次ぐ」で、この生物季節観測の情報からトノサマガエルが消えたことが掲載されていた。
図 生物季節観測の対象動植物(朝日新聞から引用)
トノサマガエルについて、平成26年7月22日に公開した「第198話 体験学習の森の生き物たち・続き」の中で、勝尾寺川支流の昭和60年治水事業の砂防堰堤で見つけたトノサマガエルの写真を掲載したが、産経新聞夕刊2014年7月8日の第一面で「トノサマガエル もはや希少種!?」の記事には、平成24年度には環境省のレッドリストに「準絶滅危慎種」として新たに記載されたという。
上記朝日新聞の続きには「東京・大手町の東京管区気象台では2011年、6種の観測をやめ、ウグイス、ツバメ、シオカラトンボ、アブラゼミ、ヒグラシの5種類に絞った。ただ『春告鳥(はるつげどり)』とも呼ばれるウグイスの鳴き声は2000年を最後に確認できないという。地方都市でも変化が見られ、広島地方気象台は2013年以降、ヒバリの初鳴の記録がない。甲府地方気象台のヒグラシの初鳴は2013年が最後だ」と書いていた。
「ホーホケキョ」競争なければ消える?
昨年5月11日付朝日新聞夕刊に「『ホーホケキョ』というさえずりは、競争のない環境いると数十世代で『ホーホピッ』など単純な節回しに変化してしまうとする研究結果を、国立科学博物館の浜尾章二・脊椎動物研究グループ長が米科学誌に発表した」の記事が掲載されていた。それによると「このさえずりは、オスが繁殖期に発する。緒張りを確保してメスを引きつける役割があり、複雑なほうが有利に働くことが知られている。この実験はハワイ・オアブ島と日本のウグイスのさえずりを分析したもので、オアブ島のウグイスは、通年同じ場所にとどまり暮らしているのに対し、日本のウグイスが季節ごとに移動して春先に繁殖地で縄張り争いをして、競争社会にさらされている。日本でも小笠原初島では単純なさえずりになる傾向がある。ハワイで野生化しているウグイスは、日本から約80年前に複数回持ち込まれたという記録が残る。
研究グループは2010年春、ハワイのオアブ島にいるウグイス24羽のさえずりを録音すし、競争のない環像にいると数十世代で『ホーホピッ』など単純な節回しに変化してしまうとする研究結果」である。
浜尾グループ長は「環境に応じて、さえずりがこれほど短期間で大きく変化してしまうとは驚きだ」という。
日本は四季の変化がはっきりとしているし、列島が南北に長いのでいろんな個性を持ったウグイスが競争社会の中で生存していることで味わいのある鳴き声を味わえるのは幸せである。
勝尾寺川支流のドロノキ周辺
だんだんクラブの活動拠点の豚汁広場の東の茨木市との境界沿いに勝尾寺川支流が流れている。周辺の景色に彩りを添えているだけでなく、鳥たちが集まってくる場所でもある。
昨年2月初旬に、この渓流にジョウビダキがやってきて撮ったのが写真3である。
写真3 勝尾寺川支流にやってきたジョウビダキ
この渓流の流れの中にドロノキの大木が生えている。そのドロノキは2月ころには写真4のように葉っぱを落としている。
写真4 勝尾寺川支流のドロノキ(2016年2月6日撮影)
このドロノキの周辺はブッシュになっていて、だんだんクラブの具体的な活動の中に「鴬、冬鳥等のために谷川に沿っての藪は残す」ことにしていて、昨年2月初旬の写真5のジョウビダキはブッシュの中に出たり入ったりしていた。
写真5 ブッシュは小鳥の隠れ処
数年前にこの渓流でやぶの中をパッパッパと活発に動きながら葉にいる昆虫を捕えているウグイスを撮ったことがあるが、残念ながらそのファイルを見つけることができなかった。代わりにMさんの西宮市東山台のブッシュの中のウグイスを写真6で使わせてもらった。
写真6 ブッシュの中のウグイス(東山台のMさん提供)
このドロノキも3カ月もすると、葉っぱが生い茂って渓流沿いは、日陰ができ渓流に沿う涼風で手ごろな休憩場所になっている。
写真7 葉っぱが生い茂ったドロノキ(2015年5月2日撮影)
2月の第4週の活動日に、Tさんは野鳥観察ブックを持ってきていて、「ドロノキの近くでじっくり座って観察していると、小鳥がやってきて良い写真が撮れるよ」とアドバイスしてくれた。このドロノキには小鳥が集まってくる場所でもある。
鶯(ウグイス)と鷽(ウソ)
2016年1月30日の天声人語に「鷽も嘆く悪辣詐欺」で学門の旧字体學の下の「子」を「鳥」に替えた「鷽」の字を「ウソ」と読むとは知らなかったし、鳥そのものも知らなかった。
漢字の「鶯」は、「栄」「営」「蛍」の旧字体の「榮」「營」「螢」に対し、「鷽」は「学」の旧字体「學」の旁(つくり)の「子」を鳥偏にした鳥の名前・ウソになっている。鳥偏旁をネットで調べると、170字ほどもあった。
天声人語の冒頭部分は、「紛らわしいけれど、なりすましたり騙(だま)したりしているのではない。『鷽(うそ)』はしばしば『鶯(うぐいす)』と読み間違えられる。菅原道真に ゆかりの鳥で、今月は各地の天神様で『鷽替(うそか)え神事』があった。鳥の名にちなみ、去年あった凶事を『うそ』にして幸運を招くいわれである▼去年に 買った鷽の木彫りを神社に納めて、新しいものに買い替える。ありがたいことに、去年ついたうそも全部帳消しにしてくれるそうだ」と書いていた。
「鷽は、學の冠を被る鳥で、神社は学問の神様・菅原道真たとえられることも」とは、ネットの検索で見つけたコメントである。
「里山の自然」の写真集CDを送ってくれたMさんの「周辺の野鳥」にウグイスの次にウソの写真があった。
写真8 身近に見かける「鷽」(東山台のMさん提供)
日本の野鳥図鑑(松田道生=監修:ナツメ社)の「ウソ」によると、「ウソのような名前の由来は鳴き声にあります。『口をすぼめて息や声を出す』意味の『嘯(うそぶ)く』にちなんでいます。この鳥の鳴き声は、聞くとわかりますが、口笛のようにやわらかな音質です。その声は四季を通じて聞くことができます。
イカル同様、数つがいが隣り合って繁殖し、一年を通じて群れでいるため、やはり群れの意思伝達のためによく鳴くようです。すぐ近くで見ることもできますが、そんなときは警戒して鳴き声が強くなります。冬は、葉を落とした木に止まり、小さな嘴(くちばし)で芽をついばむようすを観察できます」と解説している。
切手に見る「ウソ」と「うぐいす」
切手の中にネット(緑水庵)鳥の普通切手があったので、引用させてもらった。
写真9 鳥の普通切手(ネット緑水庵から引用)
郵便局で130円の「ウソ」の切手を問い合わせたが、現在は浮世絵の切しかないという返事だった。
かつて、切手の収集をしていたことがあって調べてみたが、主に記念切手の収集だったので持ち合わせていなかった。たまたま10円切手のうぐいすが見つかった。1964年2月10日発行である。
写真10 うぐいすの切手
130円の「ウソ」の切手はネットから引用させてもらった。
写真11 130円の「ウソ」の切手
鳥や昆虫が激減している!
上記の初鳴日の中で、「東京管区気象台ではウグイスの鳴き声は2000年を最後に確認できない」というし、「広島地方気象台は2013年以降、ヒバリの初鳴の記録がない。また、甲府地方気象台のヒグラシの初鳴は2013年が最後だ」という。
そんな折、3月17日付朝日新聞朝刊に「稲作用農薬 トンボ幼虫減った」の見出しで、「稲作では、作物の根から吸い上げられ、食害した虫を殺す『浸透移行性殺虫剤』という農薬が広く使われている。毒性は低いとされているが、トンボなどの減少傾向との関係が指摘されるネオニコチノイド系農薬も含まれる。殺虫成分の水中濃度は分解して急速に減少したが、土壌中には長く残っていた。水底にすむヤゴが影響を受けた可能性がある」と指摘していた。
戦後食糧難で夏休みは田舎で過ごしていたころ、水田の周りに赤旗が立てられ「パラチオン農薬散布で近寄ると危険だ」と言われた時代を思い出したが、最近の米作りでは、農薬散布による危険区域の表示は見られなくなった。
近年秋の田んぼに見られた赤トンボが激減していると言われて久しい。田んぼの草取りの風景が見られなくなった代わりに、秋の田んぼの周りで赤とんぼが飛んでいる田園風景もなくなりつつある。
その原因に上記記事によると、浸透性殺虫剤が考えられるという。
昆虫を食する鳥たちは、食べ物の昆虫が減っていくため生存の危機に陥りかねない。ひいては人間にも食物連鎖の影響が及んでくることも考えなければならないだろう。
(平成28年3月23日)