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第216話 18年前に植えたクヌギの年輪を見る[2016年02月11日(Thu)]
 平成28年の新年を迎えたというのに、1月は行ってしまって早や2月に突入した。今年はオリンピックイヤーで2月が1日多いが、うかうかすると2月も逃げてしまう。
 新年早々ある会の10年の歩みを9年間のウィーク・ダイアリーなどから関連したメモを探しているうちに半月以上を費やしてしまった。

 今年最初の活動日は1月9日から開始した。昨年末の活動は第4週目の作業を取りやめているので、約1か月のご無沙汰である。
 早速に体験学習の森の冬の様子の写真を撮りに「小鳥の水場」から関電鉄塔へ行く1周を歩いてみた。

冬でも枯葉をつけたクヌギ

 豚汁広場にはクヌギが何本も植わっていて夏の日差しよけや渓流沿いに吹く風が涼風を誘ってくれる。真冬でも枝に枯葉を長くくっつけているクヌギを撮った(写真1)。

IMG_7862.JPG


写真1 真冬でも枯葉をつけたクヌギ


「箕面体験学習の森」での森林保全活動の具体例のなかに、「昆虫、小鳥、小動物(リス、ウサギ等)の餌となる実のなる落葉樹の育成と植樹をする(クヌギ、コナラ、アベマキ、栗、エノキ、マユミ、ネズミモチ、ムラサキシキブ等)がある。
 2007年12月に植樹した「小鳥の水場」付近の日当たりの良い場所では大きく育っている(写真2)。

IMG_7876.JPG

 写真2 8年前に植樹して大きく育っているクヌギ


 1時間後に切られたクヌギ

 10時の朝礼のあとの10時20分にまず撮った写真1だったが、森の様子を観察して下山したら偶然にも切り始められていた(写真3)。

IMG_7892.JPG


写真3 1時間後の切られてしまったクヌギ


 近寄って見ると写真4で見るように、枝は大きくしっかりと張っていていた。

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 近寄って見ると写真4で見るように、枝は大きくしっかりと張っていていた。

IMG_7896.JPG


写真4 切り倒しクヌギの枝ぶり


 写真4で倒したクヌギは萌芽させて台場クヌギにすると思っていたら、枝を片づけた後、根元まで切断してしまった。

 このクヌギの年輪が鮮やかに出てきた(写真5)。数えると18のリングなので、1998年に発芽させたクヌギである。

IMG_7899.JPG

 写真5 伐採したクヌギの年輪


 箕面だんだんクラブの沿革をみると、1996年箕面市環境政策課の呼びかけにより市有林の保全活動を行う為にボランティア活動を行う「もりもりクラブ」が発足したのが始まりで「もりもりクラブ」が発足したころに植林したクヌギであることが分かる。

樹幹の構成図

日本木材学会編「木のびっくり100話」に、樹幹の構成図が示されている。

 図1の形成層帯では新しい細胞がどんどん生まれるが、成熟すると図の右側方に厚い細胞壁を堆積させて死んでいく。

img174.jpg

 
図1 樹幹の構成図


 世界大百科事典(平凡社刊)で「年輪」をみると、「珊瑚、魚の鱗など樹木以外にも同様な年輪模様ができる。このためできあがったくきをみると、形成層のはたらきが活発であった時期につくられた細胞も大きく、逆に生長量が小さくて小さな細胞が詰まっている部分の差がはっきりしている……温帯地方のように季節のはっきりするところでは年輪は鮮やかに刻まれるが、熱帯地方の樹木には年輪の見当たらないものが多い。このため、赤道直下の熱帯降雨林では樹木の年齢の推定がきわめて難しく、森林の遷移などの研究をする場合も、温帯林で用いた手法をそのまま適用するわけにはいかなくなる。

 上記「木のびっくり100話」には「年輪構造変化に記録された気候変動」の図が示されていて、気温と年輪幅から天明、や天保が示されている。
 天明・天保の大飢饉には東日本では冷害や浅間山の噴火などで大飢饉が発生したことが図2で分かる。

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図2 年輪構造変化に記録された気候変動


辺材・心材

 図3は「木を使う 木に親しむ(MORIMORIネットワーク編・日本の林業A)」から引用した辺材・心材、柾目板、板目板の説明図である。

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図3 木材の性質の説明図


辺材は心材の外側の色がうすい部分。白っぽい色をしているので白太ともよぶ。
心材は幹中心部の色が濃い部分。赤っぽい色をしているので、赤見ともよぶ。

柾目板は年輪に対して、直角にせつだんした板材のことで、年輪が直線にあらわれ、しま模様になるのが特徴。柾目は板目に比べて反りにくく、収縮に強いという長所がある。

板目材は年輪の接線方向に切断した板材のこと。「年輪が、山形やうず巻き模様になるのが特徴。(以上「日本の林業A」の説明文から引用

 図4の根元は10年の年輪を示しているが、先端では1年の当然ながら1年の年輪である。(学件の図鑑・植物から引用)

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図4 根元と先端の年輪の違い


 図4からわかるように、根本と先端部分の年輪の数が違ってくるので、渦巻き模様が出てくる。

 図5(「日本の林業Aから引用」は板目と柾目を示している。

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図5 板目と柾目



 図1で分かるように、板目は心材から繊維方向に切った切断面であるから、木の幹の場所によって年輪の年数が違ってくるので、柾目板のように年輪が直線に現れないで、渦巻き模様になる。

木取り(きどり)

 原木や大型の木材から,必要な寸法,品質の木材を製材することをいう。木取り法には、板目木取りと柾目木取りがある。柾目のほうが、木理が平行で乾燥収縮率が小さく、狂いが少ないが、板目に比べると広幅材が取りにくく、木取りも複雑で作業能率も落ちる(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説)。

 「木取りとは、1本の原木を製材する時にどのようにノコギリを入れて、どんな製品を取るかという事。木取りをする時の指針の一つが、一般的によく使われている言葉で『歩留まりを良くする』というもの。歩留まりが良いという事は、1本の原木から如何に無駄なく製品を取れるかという事。この“無駄なく”という意味には、1本の原木から製品にならない部分を出さないようにするという「材積」の観点から見られる事が多いですが、もう一つ大事な点がある。それは『品質』という意味での歩留まりを良くするという事。」(ネット・木取りの基本・吉野中央木材から引用)。
 上記「木を使う 木に親しむ(MORIMORIネットワーク編・日本の林業A)」には、直径25p、長さ4mの丸太の木取りの図を引用した。

img014.jpg


 図6 丸太から木取りの事例


 図6の@の柱材は幹の中心で堅い心材で家を支える柱などに使われる。
 
 図6のAの板材は床材や壁などの基本的な構図に使われる。
 
 図6のBのこわりは、床や壁の下地に使われる。

 図1の樹幹構成図で分かるように、形成層では新しい細胞がどんどん生まれるが、幹の中心になると厚い細胞壁を堆積させて死んでいくので、強度が必要な柱材として木取りされていることが分かる。

クズの幹でも年輪がある?!


 写真6は2008年10月13日に、箕川に際の桜に絡みついた葛の状態を撮ったものである。その頃、葛が桜の木に絡みついていて、春には満開の花を楽しませてくれる桜の木を、葛が巻殺しするのではないかと注目していた。

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写真6 桜の木に巻きついた葛(2008年10月13日撮影)


 その2か月後には、写真7のように、葉っぱは枯れて巻きついた蔓だけが残っていた。

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写真7 枯葉とつるだけになった葛(2008年12月7日撮影)


 写真7で絡まった蔓が根元から切断されていたのが、写真8である。

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写真8 切断されたクズの切断面


 切断面には4つのリングがあって蔓の成長で出来た年輪だろうと思われる。

 クズは、マメ科クズ属のつる性の多年草である。多年草は、個体として複数年にわたって生存する植物のことである。多年生宿根草や木本植物がそれにあたる。

 多年生植物とは、個体として複数年にわたって生存する植物のことである。

 宿根草は生育に適さない時期(多くの場合冬であるが、夏のこともある)には地上部が枯れてしまうが、それをすぎると発芽して再び生育を始めるものをいう。(ウィキペディアから)

 木本植物とは「維管束植物のうち、多年生で、茎頂の活動(伸長生長)が無限に続き、茎に形成層をもっていて二次(肥大)生長を行うもの。樹、樹木ともいい、植物学では木本植物という。草(草本植物)に対応する語。(コトバンク

この定義で行けば、「つる植物には、草本(草本性つる植物 (vine))も木本(木本性つる植物 (liana))もあり、木本になるつる植物のことを藤本という場合もある」ことから、クズは形成層をもっていて写真8のように、太く成長していくことから年輪ができるのは当然である。

 たまたま18年前に植林したクヌギの年輪を見たのがきっかけで、「日本の林業A:木を使う 木に親しむ」を図書館から借りてきてそれを引用しながら木の使い道など、森林ボランティア活動ではあまり知らなかった知識を得ることができた。


(平成28年2月11日)


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