CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«9/7「介護はダンスだ!?」レポート/後半 | Main | Nobody’s in the garden 公開リハーサル»
トップ写真
2020 大山崎ふるさとセンター にて -
プロフィール

Dance&Peopleさんの画像
項目一覧 
最新記事
リンク集
9/7「介護はダンスだ!?」体験レポート/前半 [2008年10月22日(Wed)]
〜介護者・対人援助者向けの『からだと対話』体験講座〜 
参加者 井上かほりさんによる体験レポート (前半

 2008年9月7日(日)13:30〜16:30
尼崎市小田地区会館 2F 大広間
講師:砂連尾理氏



午後の日差しが差し込む広間で、リラックスしてワークショップはスタートしました。今回のこのワークショップは介護や対人援助をしている方が対象で、遠い人は島根県から来たということからも、皆さん非常に熱心なのがわかります。
 介護という現場では、どうしても被介護者が中心になりがちで、自分はさておき、という現実があるそうです。「もっと力を抜いて、楽しんでやりましょう」という講師の砂連尾理さんの言葉が印象的でした。

部屋に参加者が円形に散らばり、砂連尾さんがその中心に立ちナビゲートをしてくれました。


@ 手足のストレッチ
 まずはストレッチから。腕は前後に回転、脚はぶらぶらと振り出します。それぞれ背骨やその付け根を意識し、元からほぐすように意識します。まだまだ体は硬いですが、一度はやったことのあるこのストレッチに誰にも躊躇はない様子です。


A 目のストレッチ
 深く呼吸をしながら、それに合わせて眼球を上下左右にそれぞれめいっぱい持っていきます。ストレッチ後はリラックス。どんどん力を抜いていきます。


B 肩のストレッチ
 体の前で拝むポーズのようにし、ひじを合わせ、呼吸とともに上へ上へと引き上げていきます。肩甲骨の開閉を意識することが重要。ここでペアを作りました。相手の手首や腕を持って、呼吸に合わせてぐいっと上へ上げてやります。呼吸の深さや補助のしかたによってぐんと成果が上がる人も。「他者」の登場です。


Cひじのストレッチ

 今度は体の後ろ側で手を組み、ひじを合わせます。これはできる人の方が少なく、無理に合わせようとしても絶対につきません。ここでもペアになり、サポートが入りました。腕を持って、呼吸とともにひじを近づけてやります。参加者はひじの力を抜き、自分の体にとらわれない、つまり頑張らないことを学びます。意識から変えると、先ほどまで緊張し、くっつけようとすれば骨が折れるのではないかと思うほど反り返っていた腕が関節にしたがってすんなりと合わさりました。個人差はありますが、サポート(他者)によって力の使い方の変化を実感できました。









D転がる


 あぐらをかいて座り、ダルマのように転がります。右足→右腰→背中→左腰→左足と順に床に接していき、最後起き上がります。なかなかスムーズに起き上がることができません。その原因は体の硬さや使い方もありますが、「恥ずかしい」と思う気持ちもあったのではないかと思いました。あぐらをかき、股を開いた状態で転がる、つまり他者に投げ出すことからくる恐怖が身体を硬くさせ、それをごまかすために「できないわよね〜」となる。女性ならなおさらだと思います。また、起き上がることにやっきになり間違った身体の使い方で実践してしまっている人も。「できることがよいことではありません。状態は起こして、身体の力の自然な流れにそって転がってみてください」とお手本を見せてくれる砂連尾さん。当初の目的を思い出しました。力を抜くこと、楽しむこと。できないことにぶつかってもやわらかく受け止めること。



Eペアでストレッチ

 身長や体型の似た者同士で背中合わせに立ちます。一方が腕を上に伸ばし、もう一方が手首あたりをつかんでぐいっと体を折り曲げます。上の者は相手の背中に全体重をあずけ肋骨がのびのび、下の者は相手の重みを利用して肩甲骨がのびのび、「気持ちいい〜」という声があちこちから聞こえてきました。意識するまでもなく気持ちの良いこの運動、この感覚が、少しの意識でどこにでもあるのかもしれないですね。


F一緒に立ち上がる

 今度はペアで背中合わせにしゃがみます。肩と腰を合わせたまま、せーので一緒に立ち上がります。この時手を使ってはいけません。相手にもたれかかったまま立ち上がるため、少しでもタイミングや力加減がずれるとスムーズに立ち上がれないのです。「相手の力を利用することは、すなわち相手とちゃんと関わること」だと砂連尾さんは言います。参加者の皆さんを見ていると、相手を思いやればやるほど、もしくは遠慮すればするほどおかしな力がかかり、自分が前に倒れこんでしまうことがあるようでした。それは優しさではなく(もちろん少しはありますが)相手と真剣に関わっていないことなのです。離れそうな時ほどどんどんくっついて(関わって)いくことが大切なのだなと改めて思いました。この「他者と真剣に関わる」というのがどうやら砂連尾さんのキーワードのようです。


G手をつないで  

 ペアの相手と両手をつないで向き合います。一方の手を縄跳びを飛ぶようにまたぎ、手をつないだまま体をぐるっと反転させ、もう一方の手をまたいでもとのポーズに戻ります。これも力のバランスがとても難しい。力の流れを相手と一緒に確認していかなければ腕がぐにゃりと曲がったり、反転させた体の姿勢が醜く崩れてしまいます。いかに最小の力で運動を完結させるかが重要です。しかし美しさを競うわけではもちろんなく(D転がると同じように)力を抜くことはいつも根底にあります。その上で利用できる力は利用し、与えられる力は惜しみなく与える。ペアになってからは相手との関わり合いを常に意識していきました。



〜休憩〜

 休憩がてら、円を縮めて皆で談笑。簡単な自己紹介の場を設けていただきました。
 参加者には次のような方がいました。
・ 介護に携わっていて、同僚の誘いを受けて一緒に参加した。
・ ダンスをしていて、砂連尾さんのWSに興味があった。
・ ヨガ講師をしていて、たまたま知ったこのWSに興味を持った。
・ とにかくタイトルに惹かれて。などなど。
皆さん介護の現場ならではの問題を抱えていたり、より自由な身体を求めて参加しているのだという感想を持ちました。
 介護というのは、いきなり人に触れなければならない仕事。そのため、どうやって相手に不快な思いをさせずに接するかというのは非常に重要なテーマであると砂連尾さんは語ってくれました。彼によると、「力を抜く」ことと「完全に力を抜く」ことは違うのだそうです。不要な力が排除された身体に、人は自然と安心することができるのかもしれません。
 「その人を知りたいと思えば、介護する/されるという立場はなくなります。そしてそれはとてもクリエイティブな関係になります」。相手と関わって、自分も相手も気持ちのいいポイント(それを砂連尾さんはしばしば快楽ポイントと呼びます)を探るという彼のテーマは、介護者が日常で被介護者とするコミュニケーションと同じなのだそうです。それがうまくなされたとき、心身ともに開放されるのでしょう。


(後半に続く)
トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。
この記事へのトラックバックURL
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント