2017年11月25日
2017年度 第5回授業
東京国際大学第1キャンパス 314教室
「スーパー戦隊、ドラゴンボール、ポケモンで勉強!?」
講師 佐々木隆・武蔵野学院大学大学院教授
佐々木先生は、黒い野菜の髪をしたドランボールの孫悟空の姿で登場しました。
はじめにスクリーンに「スーパー戦隊から社会を見てみよう!! いつの時代にも『正義の味方』はいる。時代劇にも登場する」という文字が映し出されました。
「みなさんは、どんなヒーローを知っていますか?」と先生が問いかけると、学生たちの手が一斉に上がりました。「ウルトラマン」「仮面ライダー」など、口々に言います。「時代劇はどんなのを見たことがありますか?」。学生「水戸黄門」。先生は昔からヒーローがいたことを知ってもらいたかったようです。
歌舞伎「白波五人男」がヒント
子どもに人気の特撮テレビドラマやアニメのヒーローが、スクリーンに次々に登場しましました。「黄金バットや月光仮面、ウルトラマンなど、はじめはヒーローが一人でしたが、その後、ヒーローが5人の戦隊が登場しました。みんなで協力して闘おうということです」。それがスーパー戦隊「ゴレンジャー」シリーズ。秘密戦隊ゴレンジャー、炎神戦隊ゴーオンジャー、侍戦隊シンケンジャー、特命戦隊ゴーバスターズ、烈車戦隊トッキュージャー……。ヒーローを5人にしたのは、江戸時代の歌舞伎の演目「白波五人男」がヒントだそうです。スクリーンでその舞台の一部が上映されました。
5人のヒーローの中に女性が登場するシリーズが登場します。秘密戦隊ゴレンジャーの「モモレンジャー」、超電子バイオマスには男3人と女2人。「ふたりでプリキュア」は女子中学生2人が活躍します。「これは男女差別を禁止する男女平等機会均等法の影響を受けたからです」と先生。「看護婦が『看護師』、婦人警官が『女性警官』、スチュワーデスが『フライト・アテンダント』と言い換えられるようになりました」。男女平等を推進する世の中の動きがスーパーヒーローのドラマにも反映されたのです。
アニメで外国語を学ぶ
2時間目は「まんがやアニメで外国語の勉強をしてみよう」という、おもしろい授業です。先生は今度は金髪のスーパーサイヤ人の姿になって登場しました。まず、ドラゴンボールに出てくるカカロット。これはニンジンの意味。カカロットのお父さんバーダックは「ごぼう」です。人造人間セルは「細胞」。ドクター・ゲロが細胞を集めて作った人造人間だからです。フリーザーは冷蔵庫、凍るを意味しますが、ここでは「冷たい心の人」。フリーザーのお兄さんクウラはクーラー(涼しい)、お父さんのコールドは「寒い」。
美少女戦士セーラームーンに登場する月野うさぎセーラームーンのムーンは月。セーラーマーズのマーズは火星(火野レイ)、(以下セーラーを略)ヴィーナスは金星、サターンは土星、ネプチューンは海王星、プルートは冥王星を意味します。
プリキュアは「プリティ」(かわいい)と「キュア」(司祭⇒悪魔ばらい)を合わせた名前。テレビアニメ「鋼の錬金術師ホムンクルス」に登場する7人。プライドは「傲慢(ごうまん)」、ラストは「色欲」、グリードは「強欲」、エンヴィは「嫉妬(しっと)」、スロウスは「怠惰(たいだ)」、クラトニーは「暴食」、ラースは「憤怒(ふんぬ)」。これはキリスト教の七つの大罪に由来しており、ダンテの『神曲』に出てきます。ヨーロッパ人には分かるはずです。
「ポケモン」は登場人物に英語が含まれていて、英語の宝庫です。リザードは「とかげ」、キャタピラは「イモ虫」、ピジョンは「はと」。クラブは「かに」などです。(ほかのアニメに使われている英語の名前を先生はたくさん紹介しました)。
最後に先生はこう締めくくりました。「日本のアニメ文化はクール・ジャパン、かっこういいと世界から評価されています。ドラえもんはアニメ文化大使として2008年にアジアの国々をめぐりました」